画像:年表、オルドビス紀〜ペルム紀

日本と近畿の化石

日本列島から見つかっている化石のうち、最古のものは岐阜県上宝村(現在は高山市)の飛騨外縁帯と呼ばれる地質体の地層から見つかった古生代オルドビス紀のコノドント化石です。オルドビス紀の化石としてはこれ以外には、やはりこの近くの転石から発見された貝形虫化石があります。

シルル紀からデボン紀の化石は東北の北上山地、飛騨外縁帯、紀伊半島から四国、九州にかけて細長く断片的にのびる黒瀬川帯の石灰岩などから見つかります。

石炭紀からペルム紀にかけての化石は北上山地のほか、日本各地の石灰岩地帯からサンゴやフズリナの化石がたくさん見つかっています。

1970年代まで石灰岩から見つかる化石をもとにして、日本には広い範囲に古生代の地層が分布していると考えられていました。しかしこれらのうち多くは「微化石が語る日本のおいたち」で解説するように、ジュラ紀に形成された付加体であること、石灰岩は付加体に含まれた外来の岩塊であることが分かってきました。古生代の日本列島や近畿の姿を復元するには、石灰岩がつくられた場所と、それ以外の地層がたまった場所を、当時のプレート位置を復元しながら考える必要があります。

  • 画像:ハチノスサンゴ
    ハチノスサンゴ
    古生代前半に繁栄した床板サンゴのなかま.絶妙な風化により,サンゴ体がハチの巣状なのがよくわかる.シルル紀.高知県越知町.母岩の幅10cm.
  • 画像:ハチノスサンゴ( 研磨標本)
    ハチノスサンゴ( 研磨標本)
    断面のようすがよくわかる.シルル紀.高知県越知町.母岩の幅8cm.
  • 画像:クサリサンゴ( 研磨標本)
    クサリサンゴ( 研磨標本)
    断面が,クサリがつながったように見えることから命名された.シルル紀.高知県越知町.
  • 画像:直角石類
    直角石類
    デボン紀. 岩手県大船渡市.長さ12cm.
  • 画像:フィリプシア
    フィリプシア
    三葉虫の頭部.石炭紀前期.岩手県大船渡市.
  • 画像:貴州サンゴ
    貴州サンゴ
    日本の石炭紀を代表するサンゴ化石.石炭紀.岩手県大船渡市.母岩の幅10cm.
  • 画像:レプトダス
    レプトダス
    腕足類. まるで肋骨が浮き出ているような見かけが特徴.ペルム紀.宮城県気仙沼市.母岩の幅15cm.
  • 画像:マツバイシ
    マツバイシ
    細長い形態のフズリナの一種. 風化により化石本体が溶けてしまい,まるで松葉のように見えることから命名された.ペルム紀.宮城県気仙沼市.母岩の幅20cm.
  • 画像:フェネステラ
    フェネステラ
    コケムシのなかま.ペルム紀.宮城県気仙沼市.長さ8cm.
  • 画像:ネシュードフィリプシア
    シュードフィリプシア
    三葉虫の尾部.日本では,北上地方の古生層からは三葉虫化石がよく見つかる.ペルム紀.岩手県大船渡市.
  • 画像:オキナエビスのなかま
    オキナエビスのなかま
    岐阜県大垣市の赤坂石灰岩からは他地域よりも巨大化した化石が産出する.ペルム紀.岐阜県大垣市.高さ18.5cm.
  • 画像:ベレロフォン
    ベレロフォン
    巻貝. 上の標本は,口の様子がわかる.ペルム紀.岐阜県大垣市.横幅12cm(下),9cm(上) .
  • 画像:マーチソニア
    マーチソニア
    ペルム紀.岐阜県大垣市.高さ26cm.
  • 画像:ナチコプシス
    ナチコプシス
    ペルム紀.岐阜県大垣市.横幅10cm.
  • 画像:フズリナ化石(ネオシュワゲリナ)を含む石灰岩
    フズリナ化石(ネオシュワゲリナ)を含む石灰岩
    風化によって,フズリナの内部構造がエッチングされている.ペルム紀.岐阜県大垣市.母岩の幅9cm.
  • 画像:フズリナ化石(ヤベイナ)を含む石灰岩
    フズリナ化石(ヤベイナ)を含む石灰岩
    ペルム紀.岐阜県大垣市.母岩の幅10cm.
  • 画像:フズリナ化石(ヤベイナ)
    フズリナ化石(ヤベイナ)
    風化により,フズリナが母岩から遊離することがある.ペルム紀.岐阜県大垣市.直径3〜8mm.
  • 画像:ワーゲノフィルム(サンゴ)
    ワーゲノフィルム(サンゴ)
    研磨標本.サンゴ体の内部構造がわかる.ペルム紀.大阪府高槻市.直径2cm.

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