画像:年表、更新世・完新世

最終氷期から現在へ

今から7万年前、地球上は最後の氷期(最終氷期=ヴュルム氷期)を迎えました。その後、少し寒さがゆるむ時期もありましたが、 約23,000 年前の最も寒い時期には、日本列島でも年平均気温が今より約7℃低くなり、今とはずいぶん違う風景が広がりました。例えば、関東から西に広く分布し大阪でも普通に見られる照葉樹林は、本州南岸のごく狭い地域と沖縄に分布を狭めていました。大阪でも、今の東北地方のような、落葉広葉樹の林が広がっていたでしょう。ナウマンゾウ、ヤベオオツノジカ、そしてヘラジカのような、今では絶滅または日本から消滅した哺乳類の化石が、日本各地から見つかります。大陸と陸続きになった北海道へは、ユーラシアと北アメリカの寒い地域にすんでいた、マンモスもやってきました。

およそ1万年前から、地球の気候は急激に暖かくなって海面は急上昇し、6000年前には、今より数メートル高くなりました。日本では縄文時代の中頃です。大阪平野や関東平野など海岸沿いの低地では、奥深くまで海が入りこみました。大阪で工事のために地面を深く掘ると、海にすむ貝がたくさん掘り出されることがあります。時には大きなクジラの骨も見つかります。私たちの足もとに隠れている「縄文の海」にすんでいた貝や、そこを泳いでいたクジラの化石です。

脊椎動物化石

  • 画像:ヤベオオツノジカ(全身骨格)
    ヤベオオツノジカ(全身骨格)
    よくナウマンゾウといっしょに見つかる.角の両端の幅は1.5m くらい.12,000年前ころ絶滅.更新世.岐阜県郡上市.肩の高さ180cm.
  • 画像:ヤベオオツノジカ(左橈骨)
    ヤベオオツノジカ(左橈骨)
    郡上市の熊石洞ではヘラジカといっしょに見つかった.骨はヘラジカよりがんじょう.更新世.岐阜県郡上市.長さ39cm.
  • 画像:ヘラジカ(右橈骨)
    ヘラジカ(右橈骨)
    現生のシカでは最大.ユーラシア北部と北アメリカに住んでいる.更新世.岐阜県郡上市.長さ30cm.
  • 画像:ナウマンゾウ(右上第3乳臼歯)
    ナウマンゾウ(右上第3乳臼歯)
    1歳くらいの子ゾウの歯.更新世.岐阜県郡上市.長さ6.5cm.
  • 画像:ヤベオオツノジカ(第1〜第3大臼歯付き左下顎骨)
    ヤベオオツノジカ(第1〜第3大臼歯付き左下顎骨)
    更新世.岐阜県郡上市.長さ20cm.
  • 画像:ザトウクジラ(右肩甲骨)
    ザトウクジラ(右肩甲骨)
    体長の1/5くらいの大きな鰭をささえるため肩甲骨も巨大.完新世.大阪市中央区.長さ150cm.
  • 画像:クジラ類(尾椎)
    クジラ類(尾椎)
    地下鉄御堂筋線第1 期工事の時(1931 年)に発見された化石.完新世.大阪市中央区.高さ25cm.
  • 画像:ヒゲクジラ類(骨折した跡がある肋骨)
    ヒゲクジラ類(骨折した跡がある肋骨)
    クジラの化石には骨折痕が見られることがよくある.完新世.大阪市生野区.太さ14cm.

貝化石

  • 画像:ハイガイ
    ハイガイ
    現在の大阪湾にはいない.完新世.大阪市中央区.長さ5.8cm.
  • 画像:ヒバリガイ
    ヒバリガイ
    完新世.大阪市中央区.長さ4.5cm.
  • 画像:イタヤガイ
    イタヤガイ
    完新世.大阪市中央区.長さ4.6cm.
  • 画像:カガミガイ
    カガミガイ
    完新世.大阪市中央区.長さ7.4cm.
  • 画像:ハマグリ
    ハマグリ
    完新世.大阪市北区.長さ8cm.

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