日記風覚え書き

2021年7月8月、9月
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●2021年9月30日 2021年9月のまとめ 学会発表の準備と参加と後始末

今月も、ずーっと大阪府には緊急事態宣言が出てた。なので、今月も対面企画は全面中止。じゃあ、暇だったかというと、ぜんぜんそうではなく。今月は学会発表に翻弄された。
学会発表なんて慣れたもん。ではあるのだけど、今回は近頃の発表とは違った。軽く準備できる、できてる内容を発表することが多くなっていたけど、今回はデータの山の入力から取りかかって、どういう結果になるのか判らない状態で今月に突入。とにかく大急ぎでデータ入力して、集計して、なんとか話を組み立てる。こんな慌ただしいのは久しぶり。前半はこれに忙殺された。ついでにワクチン接種2回目もあったし。
そして、リモートだから気楽と思って、学会参加2連発。その後、発表準備で後始末にしていた用事を片付けるので今月は終わった。
そんな2021年9月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。
奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査したけど)のハッカチョウセンサスも実施。緊急事態宣言は出てたけど、無事終了。
秋になったので、地元公園の鳥のセンサスと果実チェックをはじめなくちゃ。と想いながら後回しになり、最後にようやくセンサスだけ再開した。果実チェックは来月から。

ホネホネ団の活動は緊急事態宣言のため、すべて中止。冷凍室がパンクしそう。でも忙しかったので、スタッフだけの作業もできなかった。
ちなみに7月のクジラの下顎サルベージ企画は、想定をはるかに越える金がかかることが判明。断念かなぁ。

担当の普及行事は、対面はすべて中止。
唯一、大人向けのホネの標本づくりの実習だけ実施した。手羽先処理ならリモートでできそうだったけど、鳥の頭はリモートでは難しいことが判明。
大阪鳥類研究グループの活動は、新型コロナウイルスの新規陽性者数も減ってきたしまあいいかな、ってことで、実施した。

講演は、鳥学会大会での発表があった。失敗した。
委員会関係は、某河川の工事関係の下打ち合わせがあっただけ。
査読は4本抱えていて、なんと4本すべてこなした!
来年の鳥の特別展の準備をそろそろ始めないといけないが、手を付けられなかった。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系0冊と、SF6冊。
完全休養日は3日あったけど、内2日は2回目のワクチン接種。そしてその次の日に発熱してダウン。
●2021年9月29日 松平子爵、南鳥島にいく。

ミナミトリシマと打って、変換すると南酉島となるのは大阪人。

昨日、東の国から突然連絡。国内で所蔵されてる南鳥島産鳥類標本を調べているそう。うちの収蔵資料目録の川村鳥類コレクションの中に、南鳥島産のマミジロアジサシ2点(1910年10月採集、OMNH A1717、OMNH A1718)があるのを知った。その標本の背面と標本ラベルの画像を確認したい。コロナ禍で見に行けないので、画像を送ってくれないかと。
背面の画像は、マミジロアジサシかナンヨウマミジロアジサシかの識別ポイント(しばしば両者は混同されてきた)。ラベルは、採集者や元のコレクションを推定するため。

さっそく今日撮影して送ったら、すぐに返事が来た。お互い仕事が早い。

「頭の黒さと背中の灰色味、背中の灰色味と初列風切羽の暗色のコントラストがあり、
ナンヨウマミジロアジサシと思われる」とのこと。標本台帳も収蔵資料目録も間違ってた…。ちなみにラベルには、Sterna anaestheta lunataとナンヨウマミジロアジサシの学名が記されていた〜。当時は別亜種扱いだったのを知らなかった。こちらのミスで恥ずかしい。
ラベルの片方は由来不明だったけど、もう一つは松平頼孝子爵のコレクションのラベルだった。川村コレクションには、「Viscount Matsudaira」と書いたラベルがいくつか入っていて、どういう意味かなとぼんやり考えたけど調べてなかった。これが松平頼孝子爵を意味していたとは…。

東の鳥類研究所にも、うり二つの松平コレクションのラベルがあって、採集日も同じらしいナンヨウマミジロアジサシの標本があるらしい。同時期に複数の標本を採集して、あちこちに送付した可能性がありそう。当時は鳥類標本でも、植物標本と同じようにduplicateを交換してたのかもしれない。
いろいろ勉強になったし、面白かった。
●2021年9月28日 学芸員は意見するが、司書は無色透明?

一昨日の夜、博物館や図書館や公文書館とかを横断したと称するシンポジウム、というか意見交換会、というか研究会みたいなのに出席。といってもリモートで、はじまる直前にふとアナウンスを見て、なんとなく参加してみただけだけど。
話し合われているテーマの一つに、博物館と図書館の連携みたいなのがあって、図書館でうけた質問などを、博物館に振る可能性の話題がでていた。その中で、登壇者の1人が面白いことを言っていた。

博物館学芸員は、研究者なので、自分の判断・意見を交えて質問に答える。
図書館司書は、研究者ではないので、自分の判断は交えず、無色透明に本や文献を紹介する。

答え方に違いがあるなんて、考えたことなかった。もしそうだとすると、判断を質問者に委ねる訳だから、判断できるだけのレファレンスを提供する必要がある。司書の答え方の方がかえって大変そう。
正直、勉強会を視聴して、この点が一番印象に残った。だもんで忘れないようにツイートした。昨日は休みなのでTwitterはあまり開かず、今日みてみて驚いた。400超えのイイネと、100超えのリツイート。私調べでは、プチバズリである。図書館界隈から、非難囂々だと板だなと思ったけど、とくに避難はなくて、図書館司書の方々も同意してるっぽい。

本当に司書は、研究者じゃないのか少し気になったので、調べてみた。
図書館法の第2条(定義)にはこうある。「…一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設」。つまり図書館が研究するのではなく、利用者の研究をサポートする施設。
一方、博物館の第2条(定義)にはこう。「…展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い」。ここまでは図書館法とほぼ同じ。ただ、その続きがあって、「あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関」。博物館(すなわち学芸員)が研究することが明記されている。

となると気になるのは、学芸員なら科学的見地から、バッサリ切り捨てる疑似科学等の本の扱い。不偏不党、無色透明、中立的に支持派と否定派の両方の本を紹介するのか。それともさりげなく取捨選択して回答するのか。判断基準が判る本を添えるのか。
そんな悩みを調べた研究があると教えてもらった。

岡部晋典・中林幸子(2012)科学的合理性に著しく反する図書を図書館はどう扱っているのか:聞き取り調査を手がかりに.Library and Information Science 68:85-116.

科学の棚に置かないとか、閉架図書に入れるとか。いろいろ苦労してる。無色透明にはなりきれないのね。“正しい”知識を伝えるためには、“正しい”かどうかの判断が伴うからねぇ。
●2021年9月26日 リモートの鳥の頭骨標本づくり実習 本番

8月のリモートの手羽先標本づくりのライブ配信に続き、9月は鳥の頭骨標本づくりのリモート実習。手羽先のライブ実演で、これは普通にリモート実習できるんじゃね?と思って企画したけど、そうは甘くなかった。
心配していた接続は、呆気ないほど問題なかった。時間通りにちゃんと全員が接続していた。ここまでは良かった。
体制は、8月のリモート手羽先標本づくりの時と一緒。団長が作業して、トリ先生がカメラを操作しながら、その会話の相方をしたり、抜けてる説明を挿入したり。萌蔵は、機器担当で、トラブルがない時は、おもにスポットライトをセットしたり解除したり。一人あまり気味のおいらは、参加者をモニターして、様子をチェックしたり、チャットに対応したり。
一番の問題は、カメラ越しに参加者のモニタリングがうまくいかないこと。参加者側には手元カメラがないので、ときどき声をかけて見せてもらう必要がある。1人ずつアップにしてもらって、スポットライトを当てないと見えない。いや、それでも細部がいまいち判らない。確認間は、こちらから指示をだして、順にやり取りする時間を設ければいいのだけど、それにとられる時間がけっこう多い。
こちらの作業を見ながら、同時に自分の作業を進めるのは、けっこう難しいらしい。手羽先は簡単なので、あまり説明聞いたり見たりしなくてもなんとかなる。ところが頭は説明をちゃんと聞いて見ないとできない。なので、手を止めさせて、説明を見せる必要があった。これに気付くのが遅れたのも敗因。
という訳で、説明時間、確認時間を挿入しないといけないので、対面よりもかなり時間が多めにかかる。今回は、漂白直前までしかしてないのに、対面で最後まで仕上げるのと同じだけの時間がかかった(それでも説明時間や確認時間が足りなかった)。

手羽先ではリモートで標本づくり実習ができそうだったのに、頭ではうまくいかない理由は、手羽先の作業は簡単なのに、頭骨の作業はいろいろ難しいということに尽きる。
放置されてもなんとかなる手羽先と、説明されて丁寧に指導されないとできない頭はぜんぜん違った。気付いて無かったけど、対面の時には、ものすごく見回って、出来ない部分を説明してたんだなぁ。

という訳で、リモートで頭のホネの標本づくりは、ちょっと難しそう。今回は参加者が実質4名だったから何とかなっただけ。今度リモートでホネの標本づくり実習するなら、手羽先かな。
●2021年9月25日 リモートホネの標本づくり実習 前日

8月の子ども向け手羽先標本づくりを、ライブ実演と称して実施した。その際、一緒に作業したい人はしてもいいよ、ってアナウンスしたら、数人が作業していた。さほど画質が高くなくても、作業の様子は見られるし、指導もできる。なにより、参加者とやり取りしてる方が楽しいし、いい感じ。
ってことで、秋の大人向けに鳥頭の標本づくり実習は、一緒に作業する方をメインにした。そもそも申込みはあまり多くなくて、さらにリモート実施での参加希望は、6件だけ。その内1人は、見学希望だったので、一緒に作業するのは5件だけ。内、2件は2人が一緒に作業しそうだけど、見守る必要があるのは、5件だけ。これなら目も届くだろう。
材料の鳥頭は、1人は自分で鶏頭を手配された。残る4件は用意していたホロホロチョウ頭を購入に来られた。平均1人2つずつ購入された。中途半端に余ったホロホロチョウ頭をどうするか問題は、少し頭が痛い。だれか欲しいかなぁ。

本番4日前に、参加者に資料を送付。本番2日前に、ZoomのURLとタイムスケジュールなどを送付。前日の今日はアクセス練習が1件。
で、今日の午後は、カメラや道具類のセッティング。8月の子ども向けと同じなので、あまり悩まない。ただし、今回は萌蔵がいつの間にか仕入れた女優ライトが2つ付く。試してみると明るくて、ホネはキレイに見えるし、肌も白く美しい。一度女優ライト付きを見ると、女優ライトなしは考えられない。これからは講演も女優ライト付きにしようかしら。
機器のセッティングが終わると、あとは皮剥き道具とタイムスケジュールとかのパネルを用意するだけ。3分クッキング方式と違って、途中段階のを用意する必要もないから、その他の準備も気楽。
あんまり気楽なので、なんか忘れていないか少し心配になってきた。懸念事項は、前日の打合せに、MCがいないこと。アシスタントとAD(私)が打ち合わせた通りに踊っていただくとしよう。
と思ってたら、脳ブラシを用意するようアナウンスするのを忘れてた! でも、まあなんとかなるだろう。
●2021年9月24日 秋はサギの季節かと思ったんだけど

大和川下流部を自転車で走って、水鳥カウント。9月になると、一番目立つのはサギ類。だと思ってたんだけど、思ったほど多くない。今まではどんな感じだったっけ? とりあえず過去5年の9月の調査結果を比較。

大和川の新明治橋〜河口のサギ類の個体数
2021年9月24日:アオサギ14羽、ダイサギ7羽、コサギ6羽
2020年9月24日:アオサギ16羽、ダイサギ10羽、コサギ15羽
2019年9月27日:アオサギ24羽、ダイサギ28羽、コサギ15羽
2018年9月25日:アオサギ27羽、ダイサギ14羽、コサギ12羽
2017年9月28日:アオサギ27羽、ダイサギ32羽、コサギ12羽

差は思ったほど大きくない気はするけど、過去5年で一番今年がサギ類が少ないは言えそう。来年もこの傾向が続くかは注目下も。
それにしても、秋にサギ類が多くなるイメージは、この程度なら思わないかも。むしろ他の場所、ため池とか水田地帯とかでの観察結果のイメージなのかなぁ。
●2021年9月23日 鳥類標識調査見学

今日はこの14年間、恒例行事となっている和歌山県某所のKさんの網場での鳥類標識調査見学。タイトルはヒタキ・ムシクイ類の識別研修。もともとイイジマムシクイを見たくて見学に着始めたのだけど、一昨年、昨年とイイジマムシクイに出会えてしまった。イイジマムシクイに出会うには8月終わりがベストらしいのだけど、もうイイジマムシクイに出会わなくていいなら、今年は9月にしてみよう。ってことで今日になった。
9月ならタカの渡りもあわせて見たい。という一石二鳥をもくろんだ企画。どっちかと言えば、二兎を追う者は一兎をも…、な感じになったかもだけど。

少なくとも今日は、捕れる鳥の大部分はメジロ。メジロウェイブの中に、少しキビタキが混じる感じ。他はオオムシクイ2羽。サンショウクイ、サンコウチョウ、ヤマガラ、ホオジロが各1羽だけ。サンショウクイはきれいだし、ヤマガラの目がカメレオンのようにビョコビョコ動くのには感心したけど、ヒタキ・ムシクイ類の研修としてはいまいちだった。
一方、タカの渡りの方はというと、午前10時までは、ツミが1羽飛んだだけ。サシバの渡りのピークの季節なのにおかしい。と思っていたら、午前10時過ぎたらサシバとハチクマが飛び始めた。午後1時までの間にツミ数羽とノスリ1羽を交えて、合計約30羽。まあまあ近くを飛んでくれるし、それなりに満足できた。個人的には、アマツバメの群れが1回ビュンビュン飛んでくれたのが嬉しかった。
秋の渡りの小鳥も期待したのだけど、目立ったのはサンショウクイたちだけ。8羽ほどの群れなど、割と頻繁に渡っていっていた様子。でも、ほかはオオムシクイやキビタキが少しウロウロする程度。サメビタキ類がまったくいなかったのが印象的。そういえばヒヨドリの渡りの群れも見かけなかった。
全体的になんか寂しい半日だった。午後1時過ぎに離脱。

ちなみに帰り車で駅までおろしてもらった。
行きは、駅から歩き。寒い山の上の時間を減らすべく、駅で1時間つぶして、午前1時半に出発。コンビニで買い出ししてから、林道入口まで約1時間。林道の最初の登りをクリアして、あとは急な登りはない。って段階で、車で上がってきた人に遭遇。もう登りはないけど…。軟弱にも残りは車に載せてもらった。
歩いている間にシカの声が一度聞こえた。車の中から道を横切るシカを1体見た。
●2021年9月22日 日本行動学会に少し参加

日本行動学会大会は良くも悪くも平日設定で、土日の他の企画にバッティングしないのはありがたいけど、平日は今度は普通の仕事が入って来がち。リモートのポスター発表はこういう時には便利で、都合のいい時間帯に見て、チャットにコメント書いて。コメントに返事が来たら、また書いて。というので、それなりに参加できる。でも、時間が決まってるオーラルセッションは、途切れ途切れにしか聞けない。途中で呼び出されたり、会議の時間になったり。いまどき会議もZoomなので、二つに同時に入れるととてもいいのだけど、Zoomは一つのクライアントで、同時に1つしかつなげない…。という訳で、聞きたいオーラルセッションを聞くと言うより、聞けるオーラルセッションを聞く。
今日の朝のシナノビルは面白かった。会議で抜けて、昼前のホンソメワケベラも面白かった。間にも面白いのあったのか気になる。午後は作業しながら、アートと科学って感じのラウンドテーブルをやっていて、作業しながら、BGMのように聞いたり抜けたりしていた。しらん間にトリ先生が熱心に聞いていた。まあ、そんなこともあるよね。
全部には参加できなかったけど、参加費が1000円と超お安めなので、ぜんぜん気にならない。
●2021年9月21日 4つの学会大会を渡り歩く

最初に入った国内の学会は、日本鳥学会。最初に大会参加したのも日本鳥学会で、学部生の時に京都から三重まで行ったっけ。学生にとっては参加費も旅費も宿泊費をあって、大きな出費だった。一大決心して行った記憶がある。
続いて入ったのは、日本生態学会。初めての大会参加、そして大会発表は仙台だった。めっちゃ緊張したけど、直前の人がもーーーっと緊張してて、手も声も震えまくっていて、それを見ていたら、けっこう落ち着いた。時間かけまくって準備した割りには、つまらない発表内容だったけど。
続いて、日本動物行動学会に入会。生態学に近しいからと入ってみた感じ。京都で大会があった時に、大会参加しただけで、発表したことはない。
そして、日本哺乳類学会。これは就職して哺乳類も担当になって、勉強と情報収集しなくちゃ!となって入会した。大阪で大会があった時に一度大会参加しただけ。ちなみに両生爬虫類も担当なんだけど、日本爬虫両棲類学会には入会しなかった。入会しなくても職場に学会誌が送られてきたから、って理由が大きい。

という訳で、主戦場は日本鳥学会と日本生態学会でずっときた。大会参加も基本この2つ。が、初めて今年は4つの学会すべての大会に参加した(発表したのは鳥学会だけだけど)。それはリモートで旅費・宿泊費がかからない、そして専念しなくても大丈夫だからって理由が大きい。コロナ禍の副産物。
主戦場以外の学会は、気楽に参加できるので、リモート実施がありがたい。主戦場もリモートの方が参加自体はしやすいけど、ポスター発表でのやり取りが楽しいタイプとしては、ポスター発表は対面が嬉しい。そして、発表する際は、相手の反応が見えないリモートは不安。見えるとかえって不安なこともあるけど。

ちなみにリモート大会だと安くなるかと思ったら、哺乳類学会と生態学会は全然変わらない。生態学会は規模がばかでかいから仕方がないのかもしれないけど、たいしたサイズでもない哺乳類学会は割高感が半端ない。
一方、鳥学会は1500円、行動学会は1000円と異様に安い。とてもありがたい。遠方の人が気楽に参加できるというメリットは大きい。それだけでもリモートの価値はあるかもしれない。
●2021年9月20日 はじめてのリモート懇親会

日本鳥学会大会に参加した。といってもご多分に漏れず今年はリモート開催。懇親会もリモートのZoom呑み会。ただでさえ懇親会は苦手で、たんに晩ご飯を食べに行ってるだけといっても過言ではないのに、食べ物もないリモート懇親会に興味はない。
でも、11月に自分がリモート懇親会を主催する羽目になってしまったので、一度は経験しておかないと。という訳で、いやいやながら参加してみた。

懇親会は18時スタート。最初の30分はランダムに数人ずつにブレイクアウトルームに無作為に振り分けられ、無理矢理歓談させられるパターン。5人の部屋に入れられ、後から1人追加されてきた。とりあえず知り合いが1人いて良かった。ドイツから参加のしっかりした方が仕切ってくれて、自己紹介をしてみる。知り合いには近況を、他の人には発表内容を尋ねてみる。なんか、6人中4人だけが話をしていた気もする。30分だけど言っていたのに、これが1時間続いた! まあ発表について訊ねたりしていたら、時間はもったけど。
その後は、メインルームにもどされ、好きなブレイクアウトルームを選んで自由にご歓談ください。って話に。ブレイクアウトルームなので、誰が入っているか判る。無理矢理知らない人と歓談させられるのは苦手だけど、自分で歓談する人を選ぶのはもっと苦手。とりあえず、怖く無さそうな知り合いがいて、人数が多い部屋を探す。行ってみると、若い人が多めで、大会事務局なMさんが仕切って順に自己紹介していた。これは楽ちん。
20時になって予定通り終了。リモート懇親会はこんなもんなんだな。と思ったら、“中締め”という意味不明の発言が事務局から。なんとこのままZoomをオープンし続け、ブレイクアウトルームも作っておくので、この後も自由に使って下さいとのこと。返る気満々だったのだけど、リモート懇親会の様子を知るために参加している身としては、延長戦にも参加せざるを得ない。仕方がないから最後まで参加した。こんな展開になるとは。

延長戦では、酔ったおっさんが若者に話をしてる展開が多かった印象。最初の内は、川上大先生が持ってるホネの自慢をしてるのとかを、顔出しせずに作業しながら聞いていた。Clubhouseってこんな感じかな。
その後、入った部屋では、仕切ってる方が必ず知り合いで、なんとなく話を振られてしまい、仕方なく顔出しして話すことも多くなった。それなりに楽しかったかも。なぜか若い方々を何人か覚えた。中高生も大学生も混じっていたけど、みなさん意識が高くて、鳥に詳しそう。酔っ払ったおっさんの話もおとなしく聞いてくれてて優しい。若いみなさんの発表へのコメントとか、気に入った発表とかの話が面白かった。

参加者数の変化はざっとこんな感じ。
18時:   約100人
20時:   約150人
22時30分 75人(11ルーム)
23時30分 55人(9ルーム)
24時    47人(8ルーム)
24時30分 36人(6ルーム)
25時    33人(6ルーム)
25時30分 17人(4ルーム)

延長5時間半でようやく事務局側がZoomを落として終了になった。最後に残った事務局スタッフは2人で、二人とも酔っ払っていて、24時前からずーっと終わり終わり詐欺を繰り返していた。最後に片方がようやく仕事に目覚めた感じ。
リモート懇親会って大変だなぁ。これを11月にやらんとアカンのか〜。さっさと終わらせたいけど、延長戦はマストかなぁ。
●2021年9月19日 日本鳥学会2021年度大会 まとめ

とりあえず昨日の口頭発表の失敗は忘れよう。成功してても、どうせたいした内容じゃなかったし。
で、日本鳥学会大会の会期は明日までだけど、明日は公開シンポジウムと鳥の学校(研究初心者向けに研究ノウハウを教えてくれる企画)があるだけなので、実質今日で大会は終了。まあ、ポスター発表は明日も見れるとはいえ、もう一通り見たし。
ってことで、初のリモート開催となった今年の鳥学会大会を、個人的にまとめておこう。

口頭発表は、2会場(?)でZoomウェビナーで行われて、合計54題。ずーっとB会場にいて、22題を聞いた。うち16題をツイートした。
ずーっとB会場にいたので、鳥類化石の話とか、トビの季節移動の話とか聞き逃してちょっと悔しい。リモートなので、会場間の移動時間がないと思いきや、Zoomウェビナーに入り直さないといけないので、ちょっと面倒。両会場とも聞きたい学生さん達は、分担して聞いてあとで報告しあうと言っていた。パソコンを2題立ち上げて、同時に2つ聞くという強者もいた。
でもまあ、リモートは口頭発表と相性がいい。質問はチャットなのだけど、発表後とに質問受付タイムを分けていたのは賢い。一方で、そのせいで時間内に答えられなかった質問は放置されてた。あとから発表者が答えられる形が望ましいと思う。

ポスター発表は、Linc Bizで行われて、99題。内、32題を真面目に読んで、18題をツイートした。
質疑のやり取りは、チャットだったが、他の学会大会では経験がないほど、チャットが盛り上がっていた。流れに乗って、10題に質問やコメントを書き込んだ。そのすべてに発表者からの返事が割とすぐにきて、比較的タイムラグなしにやり取りができて、ポスター発表っぽく楽しかった。見た範囲では自分でZoomをセットしていた発表者が1名。聞いたところでは、最初は人が来なかったが、やがて賑わっていたとのこと。
リモート学会の課題はポスター発表だけど、チャットが盛り上がった今回は、比較的満足度の高いポスターセッションにはなっていた。でも、コアタイムには発表者がZoomブレイクアウトルームに待機して、ポスター見せながら発表するという仕掛けがあっても良かったかなとは思う。発表者が自分でZoomをセットするのは少し敷居が高いし、誰が入ってるかわからないZoomには入りにくい。

Zoomとウェビナー、Linc Bizだけで行われた今回の学会大会は、参加費が一般1500円、学部生以下無料と、超お安かった。それでいて満足度は高く。コストパフォーマンスは良かったと思う。それはボランティアなスタッフが頑張ったんだろうなぁ。お疲れ様でした。
●2021年9月18日 日本鳥学会2021年度大会 開始

本当は昨日の夜から始まってるけど、対面でもそうだけど、朝から始まる今日こそが初日って感じ。そして、初日の朝一番(本当は4番目だけど)は、口頭発表。最初の3人の発表を上の空で聞きながら、心の準備をしたのだけど、見事にこけた。前置きが長すぎて、肝心な部分を早口ではしょって説明することに。哀しい気持ちのまま、午前中の口頭発表のセッションは、あまり集中できずに終わった。
昼からは心を入れ替えて、ポスター発表に参加。ちょっと心も持ち直して、発表に集中できた。

リモートの学会発表ははじめてで、そもそも口頭発表自体が久しぶり。事前に接続テストがあるのには、驚いた。大会事務局も大変だ。Zoomの接続には、研究者でもいまだに慣れてない人もいるから、ましてやアマチュア研究者の多い鳥学会大会では、接続テストはマストだろう。実際、一緒に接続テストしていた人は、ファイルの共有に手間取っていたし、共有解除にはさらに手間取っていた。練習しておいて良かった。まあ、共有解除はホスト側でしたらいいと思うけど。
とまあ接続テストはしていたのに、本番で共有に手間取っている人がいて、なんかほんわか。そして、発表の番になっても発表者が現れないというか、うまく接続できていない事件も発生。5分以上かかってようやく接続。残り時間で講演を終わらせていた。
やはりリモートでの口頭発表は、事務局サイドの負担が多い印象。座長も事務局がずっと担当していたし、バックアップが2人ほど。
質疑は霊によって、チャットで。チャットに書かれた質問を座長が選んで質問するので、無視される質問もあり。しかし次の講演になったら、チャット欄は次の講演に限定されるので、チャットで前の講演のやり取りができない。この辺りがけっこう不満な感じ。

【追記】
懇親会の席で、事務局の人が、口頭発表は当日が大変だけど、ポスター発表は当日は放置でいいから楽ちんと言っていた。ポスター発表のファイルのアップで、事前にけっこう手間があったんだろうなぁ、というのが窺われる。
●2021年9月17日 鳥学会大会発表の準備

今年は、データ整理を促進するために10年近く前に行った大阪湾岸と播磨灘岸の水鳥調査の結果を発表することにした。調査は水鳥全種やっていて、データ入力も水鳥全種入れるけど、発表はたいへんなので、カモメ類にしぼろう。発表日は、9月18日の朝。

ってことで、計画的に準備スタート。まずはデータ入力
・播磨灘岸(25回分):6月終わりから7月初めに10日
・大阪湾岸(37回分):9月初めに8日
播磨灘は調査地を細かく分けて入力したから、時間がやたらかかった。
大阪湾は定例調査以外の調査地もあったりしてややこしかった。
そして、両者の間が随分空いたのは、7月にクジラがやってきて、8月がリモート企画ラッシュに見舞われたため。

そして、データがそろったのが、9月12日。しかし、9月13日はモデルナワクチンの接種2回目。14日は、その副反応で発熱してダウン。残るは3日だけ。これは3日間の奮闘の記録である。

15日:ようやくデータ整理開始!
まずはデータの成形
・カモメ類以外のデータを削除して、カモメ類を年齢で分けずに合計個体数に。
・入力データの取捨選択。不定期調査地のデータと調査エリア外(播磨灘岸の調査のはずが播磨灘でない、あるいは海岸ではない場所)を削除。
・河口の範囲を定義して、それより上流側のデータを削除。
・調査地に欠損が多いため、大阪湾岸と播磨灘岸それぞれ1回目のデータをはぶく削除。
そして、全体集計
・大阪湾岸と播磨灘岸それぞれの調査月ごとの各種個体数合計を集計。
・表を作成(グラフ化は後回し)。
続いて、調査地関係
・上記データ整理に絡んで、調査地を整理してカテゴリー分け(定期調査地と不定期調査地、調査エリア外など)。
・調査地マップを作成(大阪湾は既存を修正、播磨灘岸は新規作成)。
・播磨灘岸の調査地を6エリアに分ける(大阪湾岸はすでに6エリアに分けてある)。

16日:やっと必要な数字が出そろう! でも解析はあきらめ。
エリアごとの処理
・大阪湾岸と播磨灘岸それぞれ6エリアごとに、調査月ごとに各種個体数合計を集計。
・表を作成(グラフ化は後回し)。
・エリア毎の種毎の個体数変動パターンを整理。

17日:ストーリー考えてパワポ作るぞ!
地図と表作り
・エリア毎の種毎の個体数変動パターンの一覧作成。
・播磨灘と大阪湾の地図作り。
パワポ作り
・過去の類似の話題をベースに大枠を作る。
・今回の調査のきっかけになった他の調査結果をイントロに投入。
・調査方法と注意書きと言い訳をリストアップ。
・グラフ作成は諦めて、全体と個々のエリアのカモメ類5種の個体数の季節変化を、表で示す。各エリアの傾向を示す部分をハイライト。各エリアのまとめを投入。
まとめの地図作り
・大阪湾と播磨灘をまとめた調査地点地図を作り直し、各エリアの傾向を書き込んでまとめの図に。

最後は、鳥学会大会の自由集会を聞きながらの作業になった。リモートでなければ、今回の発表は間に合わなかったなぁ。
●2021年9月16日 大阪湾に最寄りのウミネコ繁殖地

大阪湾と播磨灘のカモメ類の話をする。関西のカモメ類は基本冬鳥。秋に増えて、冬に多くて、春に減る。が、ウミネコだけが違った動きをする。5月はほとんどいなくなるのだけど、6月から増え始め、エリアにもよるけど、7月〜9月頃が一番多い。ウミネコは日本では唯一、北海道以外でも繁殖するカモメ類。でも、大阪湾や播磨灘には繁殖地はない。とはいえ、ウミネコだけ動きが違うのは、繁殖地が近いからなんだろうなぁ。ってことで、大阪湾最寄りのウミネコ繁殖地はどこだっけ?と考えてみた。

北は京都府の若狭湾岸とか沓島。間に陸地をはさんでいる上に、最短でも80km以上ある。こことの行き来はないだろうなぁ。でも、オオミズナギドリ幼鳥はこれを縦断してくるから、ウミネコ幼鳥が飛んでくるのもありかも。
西は瀬戸内海の西端の大分県高島。ずっと海とは言え、250km以上の彼方。こことの行き来はないやろう。
東は、伊勢湾のどこだろう? と思ってたら、地元の有識者さんが教えてくださった。志摩半島の方らしい。紀伊半島はさんで100km以上。行き来ないよなぁ。ただ伊勢湾と大阪湾の間はユリカモメの行き来はあるらしいけど…。
で、南。徳島県はレッドリストを見ても、繁殖地はなさそう。となると和歌山県のどこか…。ということで、2012年版の和歌山県のRDBを開くと、由良町の白崎海岸や鹿尾菜島が、西南日本の太平洋岸唯一繁殖地とあった。唯一かどうかは、どこを太平洋岸とするかで変わりそうだけど、ここが大阪湾・播磨灘から直近のウミネコ繁殖地なのは間違いなさそう。大阪湾南端から40km弱と圧倒的に近く、間は海。こことの行き来はあるだろう。ただ、気になるのは、大阪湾岸と播磨灘岸に夏にやってくるウミネコの総数は、数千羽になる。由良町だけでまかなえるのかな? というのが少し疑問。
●2021年9月15日 科研費の研究計画調書の改訂作業

自分で一通り書き上げて、完成した!っていうのを他の学芸員にチェックしてもらって、返ってきたそれを元に改訂作業を行う。真っ赤っかになって返ってくるので、なかなか改訂作業をする気が起こらず、ついつい締め切り間際になる。
という訳で、館内締め切りの今日、改訂作業中。終わらないなぁ、と思っていたら、学振のサーバがメンテナンスで今日は止まってるらしく、締め切りが明日に延びた。とてもありがたい。
今年から、申込み締め切りが早くなった。早く結果が出るのはいいんだけど、館内締め切りのタイミングが、学会シーズンの前になってしまったので、例年以上に慌ただしい。せっかく他の学芸員に意見をもらっても、対応に時間のかかる部分は断念せざるを得ない。何を断念したか記録しておこう。

今回は、昨年と引き続き、キンバトの死体を標本化して、その繁殖期と食性を調べたい!って企画で書いてみた。低緯度地域の鳥なのに、中緯度地域より繁殖期が短いみたい。パラドックスだ!と書いた。パラドックスって言葉を使ってみたかったんだな。読み手も楽しめるかと思って。で、指摘を受けたのに、対応を断念したのは以下のとおり。
◆日本だけでなく、世界のハト類の繁殖期と緯度との関係をレビューせよとの意見を頂いた。ごもっともだけど、とても手間なので断念。そういえば、北アメリカの中緯度地域で繁殖するナゲキバトは、キジバトほどは繁殖期が長くなかったかも。
◆緯度の問題ではなく、森林棲のハトと、オープンな環境に暮らすハトの違いではないかとの指摘。ありうるけど、対応できない。
◆手元にあるキンバト死体の、採集月の分布の表を作成せよ。時間がかかるので無視。
◆過去の標本受入実績を盛り込んではどうか。面倒なので無視。

世界のハト類について書け!という指摘は、言葉をかえて、3人からあった。審査する人もここに引っかかる可能性大。でも、これ自体が一つの総説書くほどの労力がかかる。それなら、そのための科研費欲しいわ。
●2021年9月13日 ワクチン接種2回目

1回目のワクチン接種は、8月16日。モデルナで、異物混入で話題のロットを見事に引き当てた。でも、筋肉痛以外は熱も出ず。翌日は普通に仕事をした。外せない仕事だったので、発熱しててもやらざるを得なかったが。
そして、今日が2回目のワクチン接種。2回目は発熱しがちと聞いていたので、明日は休みにしておいた。万が一のために明後日も休める体制にしてある。ワクチン接種の予約時刻は15:40となってるが、前回も早く入ってもなんにも言われなかったので、今回も予約時刻の30分ほど前に入った。出たのがちょうど予約時刻。

2回目は痛いと聞いていたけど、確かに1回目と違う。歯医者さんに訊ねてみたら、針は同じなんだそう。確かに針は痛くない。ただ刺された腕がいきなり筋肉痛のような感じ。2回目なので、段取り判っててスムーズ。打ちに来てる人は、若い人の比率が高い。8月より空いてる。
ワクチンの2回目接種から8時間。熱が上がらない。筋肉痛みたいなのも、ほとんどない。噂の、打った場所の下側が丸く赤くなるとか、黄色くなるとかもない。要するに何にも起きない。ちゃんと抗体できるのか心配になってきた。

【追記】
午前9時半、ワクチンの2回目の接種から18時間。朝起きたら発熱してた。打たれたのはワクチンだったらしいく、ちゃんと抗体も出来そうで一安心。そんなにしんどくないけど、まだ熱が上がるかもなので、おとなしく寝てよう。
本日14日の熱の変化は次の通り。
 06:30 36.1℃
 09:30 37.3℃
 12:30 37.3℃
 15:30 37.8℃
 17:00 37.1℃
 18:30 37.3℃
 20:00 37.6℃
 21:30 37.3℃
 23:00 37.1℃
 25:00 36.9℃
 26:30 36.9℃
丁度34時間後から熱がピークで、5時間くらい続いた感じかと。平熱は35℃台なので、平熱より2度ほど高くなったことになる。けっこうしんどかった。
●2021年9月12日 大阪湾岸ヴァーチャルツアー終了

37周するのに8日かかった。鳥が多くても少なくても、1周に2時間弱かかるのはあまり変わらない。1日4周が限界。時間的にも、集中力的にも。ジェットホイルに乗ったり載らなかったり、海老江干潟や二色浜を見たり見なかったりはあるけど、だいたい1周で100レコード弱。つまり3500レコードちょっとを入力したことになる。と思って確認したら、3554レコード。

その前に入力した播磨灘沿岸のツアーが6649レコード。
さらに前に入力した大阪湾・播磨灘以外の冬の瀬戸内海ツアーが1144レコード。
この3つをまとめて、一つのデータペーパーにする予定でいた。すると合計11200レコードちょっと。エリア外のデータも混じってるし、統合すべきデータもけっこう混じってるけど、圧縮できても5000レコードにはならない気がする。
となると、ひとまとめにデータペーパーにするのは無理があるように思う。3部作にすべきだろうなぁ。分けてもさほど違和感はないはず。実際に調査した順で、大阪湾→播磨灘→残りの瀬戸内海沿岸として、最後には瀬戸内海全体の分布図を付ける感じだろうか。

【追記】
瀬戸内海全体の分布図作成は、地点数が多くて、さすがに手作業では厳しい。でも、グーグルマップでのマイマップをそのまま使うのは厳しい。となるとGISを使う必要が…。けっこう面倒そうなので、今まで避けてきたのになぁ。
●2021年9月11日 友の会合宿の学芸員的未来予想図

とある友の会は、毎年夏に合宿をしていた。あとはゴールデンウィークとか、秋の連休に、潮の具合がよければ、干潟合宿とか。あるいは初夏に昆虫合宿と称して、昆虫採集して標本作りをする企画とか。
これがコロナ禍で、2020年度と2021年度は全面中止。

コロナ禍が終われば、あるいは落ち着いたら、もちろん再開したい。けど、2つネックがある。
一つは再開の判断をどうやるか。というか、中止の判断のタイミング。
もう一つは、主担当となる学芸員の分担。というか、むしろ育成。

友の会合宿の当日までのスケジュールは、
■ステージ1:宿の予約(場所によってはバスの予約も) → 行き先決定(宿があるかが制限要因になる) → 参加者募集
■ステージ2:ここから2つのパートに分かれて並行して進む。
△スタッフパート:スタッフ決定 → 下見 → 資料作成 → 本番
△参加者パート:申込み締め切り → 参加決定(時には抽選) → 参加費振り込み → 参加要領受取 → 本番

主担当はもっといろいろ作業はあるけど、大筋はこんな感じ。で、重要なのは、合宿は参加費で、出費のすべてを賄う独立採算制であること。利益は出さなくていいが(むしろ出したらダメ)、損失は出せない。支出が発生してからは中止したら困った事態になること。
上のスケジュールで言えば、支出に関わるポイントは、
・宿やバスの予約のキャンセル料がいつからかかるか
・スタッフの下見。普通に費用が発生する。
・参加費の振込。返金するにしても手数料がからむので。
キャンセル料は普通は1ヶ月以上前ならかからないだろう。となると、1ヶ月半〜2ヶ月前の下見と参加費振込。つまり実施か中止かの決定は、2ヶ月前には下さないといけない。ゴールデンウィーク実施なら、3月前半。
でも、このコロナ禍の状況で、2ヶ月先は絶対大丈夫と宣言できるのか? 少なくともこの9月前半段階で、11月前半は絶対大丈夫とは言えないなぁ。となると、安全策をとるしかなく、中止とするしかない。

友の会合宿は、上述のようにいろいろ段取りがある。ここに書かなかった手順も多い。そして、一種独特の企画で、1日のスケジュールも変わってる。最低でも1度は、友の会合宿に参加してないと、主担当を努めるのは無理。ということで、とくに新人は早めに一度は友の会合宿に参加することになっている。が、しかし、この2年間、友の会合宿が実施できていない。おかげで、友の会合宿に参加したことのない新人がたまってきた。
仕方がないので、来年度は、ゴールデンウィークに合宿をして、その経験でもって夏に友の会合宿の主担当をするという鬼のような設定になっている。でも、ゴールデンウィークの合宿が中止になったらどうする? 夏まで中止になったら、諦めもつくけど、春だけ中止になったら、とてもややこしい事態になる。その際の対応をあらかじめ考えておいた方がよさそう。可能性高そうだし。
●2021年9月10日 2012年春〜夏の思い出

2010年9月から2013年9月までの3ヶ月ほど、毎月大阪湾岸を一通りウロウロして、カモメ類を中心に水鳥調査を繰り返していた。一通り回るのに、定例で回っている場所だけで、4日かかる。この他に毎月ルーティンの大和川調査とため池調査をしていたから、この頃は毎月6日は調査に出かけていたことになる。その調査日を捻出するのはけっこう大変だった。
その大阪湾岸部の水鳥調査のデータをいま大急ぎで入力しているのだけど、ちょうど2012年の5月から7月にさしかかってきた。この年の5月後半〜7月はちょっと気が狂っている感じで、自分のことながら改めて驚いた。
この年、毎年繁殖期に実施している調査として、大阪府内の公園の調査をしていた。これは何人もと分担なのだけど、それなりに調査にでかけている。
さらに大阪市内のツバメの調査として、大阪市24区を1日1区のペースで自転車でウロウロしている。これは一人でやる調査。
その上、近畿2府4県の駅のツバメ調査をしていたのもこの年。もちろん大部分の調査は、おおぜいの人に押しつけているのだけど、自分でも見てまわっている。そう言えば、集まったデータはすぐにサイトにアップしていたから、夜はそれに終われていた。
ついでに6月頭には夏の友の会合宿の下見で青森県に出かけている。
ほとんど毎日出かけている。よく体力も気力も持ったなぁ。まあ、データ処理はぜんぜん追いつかず、そのまま放置。今になって入力している訳だけど…。それでも調査結果の概要は、いろんな場面で役だって来た。多少無理でも、がんばれる時にがんばった方がいいってことかも。
●2021年9月9日 学会発表 口頭発表者向け Zoomウェビナーの練習

昨年から、対面での学会大会が出来なくなって、昨年は中止も多かったけど、今年は軒並みリモート大会。リモート大会になって、リアルに対面しての大会とはいろいろ勝手が違う。最初から、旅行できない!夜飲み歩けない!といった不満はさておき、発表以外でのいろんな人とのやり取りが学会大会の大きな意義なのが、まるごと抜け落ちた。懇親会も実質Zoom呑み会。相手見つけて話をするといった新たなシステムの導入例もあるけど、いまいち。同じ事はポスター発表にも言えて、チャットではつまらない質問ができないとか、他の人とのやり取りを聞けないとか、不満が多い。一方で、口頭発表は、リモートでも違和感がない。むしろ気楽に聞けていいくらい。
今年3月の日本生態学会大会の際の参加者アンケートの結果が流れてきたけど。やはり大きな不満は、ポスター発表。ポスター発表だけは対面でやりたい。という意見が多くて、ハイブリッドの可能性を探ってるらしいが、ポスター発表はどうしても密集するので対面は無理。って判断。判断はわかるけど、それじゃあ高い金かけてハイブリッドにする意味があまりない。
春の生態学会大会は様子見で、発表はしなかった。が、この秋の鳥学会大会は発表を申し込んでみた。ポスター発表はつまらなそうなので、口頭発表を選んだ。すると、練習タイムに参加するようにとのお達し。今日の夕方、練習した。15分設定で、そんなにすることなさそうと思ってたら、しっかり15分かかってた。
どうしてかは知らんけど、もう一人の人と一緒の練習だった。チェック項目は、
・画像と音声の接続とオンオフ。
・発表ファイルの共有と共有解除。
・聴衆の中からパネラーになる段取り、及びそのために名前に発表番号を入れるor手を上げる。
きっと、そもそもZoomへの接続に手間取る人もいるはず。そして、多くの人はファイルの共有になれていない。幸か不幸かこちとらは、なんどもZoomで話をする羽目になっているので、練習はあっさり終了。でも、もう一人の方は、ファイルの共有にも共有解除にも手間取っていた。やはり練習は必要。
事務局側としては、大勢の聴衆の中から、発表者を見つけ出して、パネラーに選択する部分を一番心配している様子。ただ、いったん聴衆としてログインしてしまうと、ウェビナーの設定から名前が変えられない。ログイン時に出てくるポップアップで名前の前に発表番号を入れないといけない。けっこう忘れる人いそう(自分も怪しい)。そしてポップアップが出ない人もいるらしい。そんな場合は、前の人の発表時に、手を上げろという指令。きっとトラブルあるなぁ。
リモート大会になって、会場手配とか、アルバイトの配置とか、ポスター発表の準備とか、マシンの接続とかの心配はなくなったけど。対面の大会とはまた違った形で、大会事務局には負担がかかってる感じ。でも、参加者が慣れてしまえば、リモートの方が負担は少なくなるかも
●2021年9月7日 ツバメ類の渡り

宇治川沿いを歩いた。毎月同じコースを歩いているけど、今月は、ツバメ類がたくさん川面を飛び交っていた。先月までと比べると、個体数が多い。先月まではコシアカツバメが飛び回っているのは集団営巣地がある京阪宇治駅周辺だけだったのが、あちこちにコシアカツバメの姿。周辺で繁殖したツバメ類が、河川沿いに集まってきたのか。それとも渡りのツバメ類が到着し始めたのか。たぶん後者ではないかと思う。
ツバメの渡りは、たぶん8月後半には始まっている。なんとなれば、集団ねぐらに集まる個体数が、お盆を過ぎたら減り始めるから。8月下旬にもなると近畿地方では繁殖していないショウドウツバメも混ざるから。
コシアカツバメの明らかに渡り途中とおぼしき大きな集団は、9月下旬から10月前半に出現することが多い。しかし、香川県で調べられた事例だと、コシアカツバメの渡りは9月頭から始まっているという。
という訳で、このツバメやコシアカツバメたちは渡りの途中なんだろう。それなりに気を付けて見たけど、イワツバメやショウドウツバメは混じっていないようだった。近縁、近畿地方で繁殖するイワツバメは増えている。なんならコシアカツバメよりも多いイメージ。どうしてイワツバメが混じっていないのか不思議。
●2021年9月6日 秋の囀り

大和郡山市でハッカチョウ調査。今年は運良く調査コース沿いに繁殖地があって、先月までは巣立ちビナも観察できたのだけど、今月はもうハッカチョウは見あたらない。非繁殖期の群れがウロウロするエリアは、調査コースから外れているらしい。
繁殖期も終わって、鳥の声自体が少なくなった中、なぜか地鳴きも少なく、全体的に静か。その中で、けっこう声が聞こえてくるのが、秋に鳴く鳥御三家(当社調べ)のキジバト、セッカ、イソヒヨドリ。普通はモズが加わって四天王なんだけど、今日はモズはまだ鳴いてなかった。この御三家だか四天王は、それぞれ鳴く理由が微妙に違うのが面白い。

キジバトは、ほぼ年中繁殖できるけど、夏から秋が繁殖のピーク。囀り自体はむしろ春の方が熱心だったりすることもあるけど、秋にもけっこう鳴く。つがい関係はずっと維持されているので、これはずーっと維持してるなわばりを維持するだめ、そこで営巣するため。鳴いてるのはオス。
この時期、モズが鳴くとしたら、秋の高鳴きといわれるもの。繁殖が終わって、夏にいったんなわばりを解消。それが秋になって、再びなわばりを確立するための鳴き声。営巣自体はもっと先。オスもメスも鳴いてるはず。
セッカは、繁殖期が長くて、まだ繁殖しようとするオスが囀っている。これはなわばりを維持するためだけど、その中につくりかけの巣を用意して、メスを誘うためのなわばり。繁殖期が続いていて、メスを呼んでる。鳴いてるのはオス。
イソヒヨドリの秋の囀りはよく分からない。そもそも何のために誰が鳴いてるのかよく分からない。個人的にはオスの幼鳥が、練習してる気もする。綺麗じゃない個体も囀っているし。でも、綺麗な個体も囀ってるようなので、だとしたら、ずっとなわばりを維持するのか?

こうして見渡すと4者4様。ただ、イソヒヨドリの繁殖生態や生活史の研究が、日本では突出して不足しているのは確か。海外の研究はありそうだから、一度チェックした方が良さそう。
●2021年9月5日 大阪湾岸のトビの変遷

かつては、大阪市内にも普通にいたと聞いたことがある。鳥の大先輩から。たぶん1960年代から1970年代頃の話。
1970年代後半に鳥を見始めた頃は、初めての鳥見でトビを見たし、その後も長らく見たことのある猛禽類はトビだけのままだった。トビをどのくらいの頻度で見たのかは記憶にないが(フィールドノートは残ってるので見返せば判るが面倒)、豊中市の我が家の近所にはいなかった。1980年前後は、よく淀川に行ってたけど、トビを見た記憶はあまりない。
1990年代半ば、近畿地方の鳥類レッドデータブックをつくる会合があって、他府県ではトビは普通種扱いだけど、大阪府だけトビが少ないと主張してた。内陸で見かけることはなく、海岸部でも大阪市内では見ない感じ。この頃には大和川河口部の調査はしていたけど、ハヤブサは頻繁にでるものの、トビは出なかった。
2010年代に入って、大阪湾岸の水鳥調査をしまくってた。泉南や淡路島にはたくさんトビがいた。でも泉北、大阪市、神戸市辺り、つまり大阪湾の湾奥部にはほとんどトビはおらず、むしろミサゴの方が多いかもと思っていた。
2020年度冬、大阪湾岸の水鳥調査で、久しぶりに大阪湾の全域をウロウロした。かつてはたくさんトビがいた淡路島や泉南でも、トビが少なくなった気がする。ただ一方で、大阪湾湾奥部では微妙に増えたかも。大和川や淀川でちょくちょく見るようになった。
よく判らない鳥だ。
●2021年9月4日 学校における蒲鉾板の活用方法とその分布について

とある行事の相談で、蒲鉾板が話に出てきた。すると、熊本県民と愛媛県民がとたんプールがどうしたと意味不明の話を始めて盛り上がってる。愛媛県民が自転車にも付けると言い出すと、そこは熊本県民は同調せず。
四国と九州にとびとびに分布している様は、植物の分布でよく言われる襲速紀要素を思わせる。
だとしたら、和歌山県でどうなのかが気になる。などとつぶやいたら、さっそく情報を下さる方々かいる。和歌山県ではそういう習慣はないらしい。一方、岡山県でも蒲鉾板をプールの命札に利用。香川県では、自転車の免許証に利用。
まとめると、
◆プールの命札:愛媛県、岡山県、熊本県
◆自転車の免許証:愛媛県、香川県
やっぱり愛媛県民がやたら蒲鉾板を活用してることが際立った。和歌山県では見られないとのことなので、襲速紀要素というよりは、瀬戸内要素か? 徳島県や高知県、広島県や山口県、そして九州での分布が気になる。
●2021年9月2日 本を書いた関係者

古くは日浦勇、あるいは宮武頼夫といった学芸員に本の書き手がいた。日浦は『蝶のきた道』『海を渡る蝶』『自然観察入門』と単行本を複数書き、絵本もいくつも出していた。宮武は福音館書店などから絵本を出していた。残念ながら、いまはどちらの著作物もおおむね絶版。入手可能なのは『自然観察入門』だけだろうか。
そして、近年、本を書いてる学芸員は少ない。分担執筆(3人以上著者がいるのんとしておく)はさておくとすると、共著ですら初宿成彦の『都会にすむセミたち』しか思い当たらない。単著となると佐久間大輔の『きのこの教科書』だけだろうか。
もちろん専門書の分担執筆はなんだかんだで、たくさんある。普及書の分担執筆もあるし、博物館出版物には頻繁に書いてる。しかし、一般に流通する普及書を単著や共著で執筆する学芸員がすっかり少なくなった。

大阪自然史センターが20周年だそうで、大阪市立自然史博物館学芸員や外来研究員、大阪市立自然史博物館友の会評議員、大阪自然史センター理事が執筆した本のフェアをするという。だもんで、学芸員が執筆した本を探したんだけど上述のような有様。
一方、外来研究員の浜田信夫さんは『カビの取扱説明書』をはじめとして、カビの本をいくつも書いておられる。理事の中田兼介さんは、『クモのイト』をはじめとして、クモの本をいくつも出版。関係者では、このお二人が一番勢力的に、執筆に励んでおられる気がする。
あと本の出版に頻繁に関わっているのは、西澤真樹子さんなのだけど、こちらは文章書くというより、イラストを提供していることが多いので、単著・共著にならないどころか、表紙に名前もでてこないことが多い。ちょっと気の毒な気もする。ただ表紙を知る人が見れば、関わっているのはすぐ判るのだけど。
グッズデザインを提供して、大阪自然史センターを応援してくださった方といえば、この他に盛口満さんや松原始さんがいて、お二人とも数多くの本を出版されているのだけど、ここまで関係者にするのはちょっとズルイ気がする。
●2021年9月1日 リアル博物館実習とリモート博物館実習の比較 当館調べ

8月17日〜21日博物館実習の後始末がおおむね終わった。今年の1月に続いて、2回目のリモート博物館実習。2回目なので、少しは冷静にリモート博物館実習に対応出来た気がする。というわけで、この2回の経験を踏まえて、対面でのリアル博物館実習と、リモート博物館実習を比較してみよう。

<準備編>
リアル博物館実習は、事前に実習生とのやり取りはない。申し込んできた大学側から、何時にどこ集合かを伝えてもらって、当日いきなり顔合わせ。それでとくに問題はない。実習生は緊張するらしいけど。
一方、リモート博物館実習の場合は、事前のやり取りが多い。大学側とは、リモート博物館実習を希望するか、実習時間や実習ノートの扱いの確認が必要。そして、実習生のメールアドレスを教えてもらって、実習生に段取り、プログラム、事前課題の連絡。ネット環境や必要な機材についての相談を受けることも多い。
とにかく、リモート博物館実習は面倒。

<本番編>
リアル博物館実習は、集合したら実習するだけ。標本実習の場合、担当者に丸投げ。
一方、リモート博物館実習の場合は、トラブルが起きたら対応を考えないといけないので、可能な限り参加する。
リモート博物館実習は、時間がとられる。

<後始末編>
リアル博物館実習は、記入した実習ノートを置いて帰らせて、チェックして記入して、書類作業をするだけ。
一方、リモート博物館実習では、まず記入した実習ノートを送らせないといけない。なかなか送ってこないやつが必ず混じっていて、処理を遅らせる。各担当学芸員の実習ノートのチェックも、日々ではなく、まとめてになるので、時間がかかり気味。渡すべき物(印刷物とか)は、リアルなら手渡しできるけど、リモートだと郵送になって面倒。

<コミュニケーション編>
リアル博物館実習は、館内、とくにバックヤードを見て回ったり、標本さわったり、いろいろ体験できる。他の実習生や学芸員との交流も多い。休み時間や作業の合間などのやり取りは、改めて考えるとけっこう重要。
一方、リモート博物館実習では、館内は見て回れない、標本にもあまり接する機会はない。やり取りできる学芸員は限られるし、その内容もプログラム内部に限定されがち。自己紹介タイムを作って、他の実習生のことを知る機会は少ないし、やり取りの時間もあまりない。

<実習効果編>
リアル博物館実習では、自然史博物館の標本や施設や行事を体感できる。
一方、リモート博物館実習は、体感はないが、事前課題をこなして、発表して、それに対する他の実習生や学芸員、場合によっては当館学芸員以外の博物館スタッフも含めて、コメントがもらえる。事前課題の内容は、どっかの学芸員の採用試験に出てもおかしくない内容。
ってことを考えると、博物館学の学習効果という意味では、リモート博物館実習はかなり高い。もしかしたらリアル博物館実習より高い。

以上まとめると、リモート博物館実習は面倒。でも、学習効果は高い。ただ、体感することこそが博物館実習の目的だとすると、リモートではダメ、ってことになる。
●2021年8月31日 2021年8月のまとめ リモート連発に時間とられる

ずーっと大阪府には緊急事態宣言が出てた。なので、対面企画は全面中止。じゃあ、暇だったかというと、ぜんぜんそうではなくむしろ忙しかった。前半は、リモート行事が3発。その合間にツバメの集団ねぐら調査におでかけ。後半はいきなり博物館実習。これまたリモート。その後月末まで後始末。そして、哺乳類学会大会参加もありつつ、原稿2本と申請書1本の執筆・作成。むしろ、けっこう忙しかったかも。
そんな2021年8月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。
奈良県1コースと京都府2コース(1日で調査したけど)のハッカチョウセンサスも実施。緊急事態宣言は出てたけど、やっぱり出かけた。電車以外は、人と出会うこともないので、けっこう安全だけど。

ホネホネ団の活動は緊急事態宣言のため、すべて中止。冷凍室がほんとにほんとにやばい。ということで、スタッフだけで鳥の処理2日、哺乳類の処理1日。といっても、哺乳類の日は突然やってきたカピバラ処理だし、鳥の1日は突然やってきたエミュー対応だけど。
先月対応したクジラは、遺伝子分析によってニタリクジラと確定。後半に同じくニタリクジラが和歌山県に漂着したけど、これの回収は断念。これも10m超えだったので、断念して正解だったかも。

担当の普及行事は、対面はすべて中止。
ジュニア自然史クラブのミーティング、子ども向けホネ標本づくり実習、教員のための博物館の日を、リモートで実施。
大阪鳥類研究グループの活動は、中止。ってことにしたけど、ツバメの集団ねぐらは見に行った。
リモート博物館実習も実施。今年の1月に続いて2回目。内容は、1月とほとんど同じだった。対面だと担当学芸員にお任せだけど、リモートだと何かあった時の対応がいるので、毎日参加していた。時間がとられる。

講演は、なし。ただ、リモート博物館実習のオリエンテーションの話をした程度。
委員会関係は、某河川の将来計画的なのが1回だけ。
査読は2本抱えて、まだやってない。6月から始めた瀬戸内海沿岸のデータ整理は、大阪湾が手つかずのまま、リモート企画などに終われてストップ。

とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系6冊と、SF4冊。
完全休養日はなし。
●2021年8月30日 哺乳類学会大会2021 3日目 哺乳類学会の現状

会期は明日までだけど、明日はとくにオーラルセッションはなく、ポスター発表が見れるだけ。コアタイムもないし、おまけの1日っぽい。という訳で、実質、今日で今年の哺乳類学会大会は終了。久しぶりの哺乳類学会大会に参加した印象を書き留めておく。
哺乳類は種数が少ないという印象。中大型哺乳類の話題が多いのが一つの理由かも。シカとクマのかたまりは今も健在。いまは中型食肉類も勢力を増してる気がする。一方、齧歯類が少なくなった印象がある(翼手類と食虫類は昔から少なめな印象)。サルがとても少ないのは、霊長類学会とかとかぶってるの? そして、外来生物の話題は多くなった。なぜかヌートリアが少なめなのは、東日本にいないからなかなぁ。

一番印象的だったことは、いみじくも、今日の受賞講演でとある方が言っていた。今の哺乳類学会大会の発表は、保全を意識したものばかりで、純粋に哺乳類へ興味をもっての行動生態学的研究は少なく、話題提供もためらう、と。鳥学会大会と比べても、その印象は強い。それだけ人との距離が強く、軋轢も多いからだろうし、そういう社会的要請も強いのだろう。むしろ、そういう方面だと研究資金が確保しやすいという側面もあるのかもしれない。哺乳類研究には、なにかとお金もかかりがちだし。
でも、とにかく獣害対策関連や、外来生物関連の話題ばかりが目立ってた印象が強いし、都市周辺の生態が研究されていることも多い。SFTSや豚熱をはじめとして、哺乳類が関与する人獣共通感染症の羽台も結構あった。流行廃りがあるのは当然のことなのだけど、社会的要請に応えるのは研究者の一つの役割ではあるのだけど、大きな話が出てくる土壌はちゃんと生きてるのか心配な気がする。
不思議なことに、隣の芝生はあまり青くなかった。
●2021年8月29日 哺乳類学会大会2021 2日目 新たな研究方法いろいろ

随分久しぶりに哺乳類学会大会に、その様変わりに驚いた。
生態学会だと、解析方法の変化や、流行のテーマが時代とともに変わるのに驚く。鳥学会大会だと、近頃はリモートなデータ取得方法、それによって得られる新たな事実に驚く。哺乳類学会は、テーマや新事実というより、新たな研究手法に驚く感じ。観察困難な対象が多いということもあるだろうし、こちらが門外漢気味ということもあるだろう。
かつていっぱいやってる人がいたヘアートラップは全然見当たらない。一方で、カメラトラップは今や普通。糞からのDNA抽出も人気。そして、新たな研究方法も目にする。とくに気になったのは次の2つ。

「歯の微細摩耗痕解析が拓く哺乳類の採食生態学」という自由集会で出会ったのは、マイクロウェア解析。歯の表面についた削れ跡を調べる感じ。おもに草食獣において、グレイザーとブラウザーの区別or程度を検出できるらしい。食性をスイッチすると2週間もあれば、新たな食物の影響が現れるとのこと。
シカやカモシカならグレイザーよりかブラウザーよりかを評価でき、イノシシなら根っこ喰ってたか、種子・葉を喰ってたかが判り、サルなら葉食度合いが分かる? ただあまり細かいことは判らないっぽい。

「音声解析を用いた高高度飛翔型希少コウモリ類3種の分布記録と信頼性」というポスター発表でやっていたのは、超音波録音マイクで録音してのコウモリ相調査。鳥ならすでにされているけど、コウモリ類でもできるのが、当たり前と言えば当たり前だけど面白い。
●2021年8月28日 哺乳類学会大会2021 初日 リモート学会の様子

長い間参加してなかったけど、今年はリモートと聞いて参加してみた。うっかり発表申込みは忘れてたので、幸か不幸かのんびり聞いてるだけ。直前の忙しさを考えると、結果オーライな気がする。
リモート学会への参加は、今年の3月の生態学会大会に続いて2回目。リモート学会は、口頭発表はZoomで安定のクオリティ。哺乳類学会も気になるセッションごろのZoomにログインするだけ。慣れてるし、とても楽ちん。つないでおいて他のことできるし。
一方、ポスター発表は、リモート学会の鬼門。たいていポスター発表のファイルをサイトにアップして、チャットでやり取り。今回、哺乳類学会では、LincBizというシステムを使っていた。いろんなポスターをながめて回るのに便利なような不便なようなツール。で、やり取りはチャットで、発表者が自分でZoomのセットも可能。とてもありがち設定。このタイプのポスター発表だと、対面と違って、自由で活発なやりとりがしにくい。他人のやり取りを横で聞きにくい。つまらん質問もしにくい。
という訳で、ポスターではあまり盛り上がれなかった。勝手に見て、他人のやり取りチェックする程度。少し物足りない。もう少しポスター発表が楽しくなって欲しい。
●2021年8月27日 読書サークル 第115回会合覚え書き

隔月で、課題本の紹介文を持ち寄って、本についてあれこれ言い合うサークル。新型コロナウイルスが感染拡大は一旦収まってはきたものの(関東では再び新樹陽性者が増え始めたけど)、たぶん4回目になる緊急事態宣言が出ているので、今回もリモート開催。昨年12月から5回連続のリモート開催。次回もきっとリモートだろうなぁ。今日の会合で出た本についての意見を記録。

今回の課題本は8冊。5冊繰り越されてきて、5冊繰り越したので、8冊についてあれこれ話し合った。
ちなみに各人は紹介文を書いてきていてて、4つを最大として★を付けている。

●「寝てもサメても 深層サメ学」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 さまざまなヴァリエーションの胎生をはじめとしたサメ類の繁殖様式の話は、とても面白かったということで意見は一致。巻末の対談はいらんやろ、というのも一致した。化石サメ類をはじめとしたサメ蘊蓄も楽しめるという意見。

●「鳥類学は、あなたのお役に立てますか?」
(紹介文4つ、平均★数は3.3)
 内容は面白い。とくに滅多に行く事ができない絶海の孤島での調査の話はとても面白い。とみんな思っているけど、評価が割れるのは、川上節への耐性の差であるよう。食傷すると。シャイな著者なので仕方が無いという擁護も飛びだした。一方、数行ですむ内容に数ページかけてるという指摘も。真面目な話は、本文中を避けて“おわりに”に書いてあるから、川上節が苦手な人はそこだけ読むという対策も提案された。

●「科学とはなにか」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 大上段に振りかぶったタイトルなのに、ちゃんとタイトルに見合った内容になってるという評価。大部分を占める俯瞰的な話はとても面白いのに、最後の落としどころの話がつまらないという指摘。著者自身が書いてるように、俯瞰だけが得意なんだろう、納得。

●「時間軸で探る日本の鳥」
(紹介文4つ、平均★数は2.5)
 評価が低かった。鳥類相やその分布の変遷という話を期待したのに、情報があまりに断片的で、あるいは種の同定だけの話に終わっている点に不満が多かった。最後の未来に向けての章は、浮いてるのでいらんかったという指摘が複数。

●「人新世の「資本論」」
(紹介文2つ、平均★数は3.0)
 評価は真っ二つに割れた。自然史の本として考えなくていいという点では一致。 ●「はっけん!ニホンヤモリ」
(紹介文4つ、平均★数は3.0)
 その前に「はっけん!ニホンイシガメ」も取り上げたので、その比較で議論された。イシガメ好きは、「はっけん!ニホンイシガメ」を強く推したけど(写真がいっぱい見れるかららしい)、その他の人は「はっけん!ニホンヤモリ」の方が楽しめた様子。

●「ウナギが故郷に帰るとき」
(紹介文3つ、平均★数は2.3)
 ヨーロッパウナギについての部分ではそれなりに評価が高かった。評価が割れたのは、ヨーロッパウナギの研究史や現状の話の間に、交互にはさみこまれる著者の少年時代の自伝小説風のエピソード。そこも含めて楽しんだ人がいる一方で、不必要という評価も。

●「クジラが歩いていたころ」
(紹介文5つ、平均★数は2.8)
 他の古生物を紹介する絵本では登場しないグループがいろいろ取り上げられていて、単にさまざまな古生物をながめたいのなら面白い本という点では一致していた。ただ、時代や系統が判りにくいという指摘があった。カンブリアンモンスターの次は、いきなり魚類の陸上進出。恐竜などメジャーなグループが取り上げられていないなど、構成や選択の意図やストーリーが意味不明という指摘があった。
●2021年8月26日 大和川の生物相の変化

昨年12月に原稿を書けと言われて、まだ先の話と思ってたら、この8月末が締め切りだった。慌てて書いた。
大阪のことを書く企画らしい。当初は、大阪の河川の鳥の話をかけと言われた。淀川水系はややこしいからイヤだ。細かいデータを持ってる大和川ならOK。と引き受けた。のだけど、鳥だけでは指定の分量に届きそうにない。そうだヌートリアも盛り込もう。鳥とヌートリアってセットは変な感じ。じゃあ、鳥と哺乳類かなぁ。と思いつつ書き始めて、勢いで両生爬虫類も盛り込んだ。

大和川水系で河川でおもに暮らす、というしばりを入れると、取り上げるべき対象種は限られる。両生類は小型サンショウウオとカジカガエル程度。爬虫類はカメだけで充分。哺乳類は、通路に使ってたり、草地で暮らすカヤネズミにもふれるとしても、河川生活者はカワネズミとヌートリアだけ。そして、水鳥。
大和川水系の大阪府部分で暮らす陸上脊椎動物の分布と暮らしの紹介を並べるだけでは話にまとまりがない。とか思いながら書き始めたけど、上流部で暮らす種はさておき、中下流域では、近年の増減傾向がかなりはっきりしていて、それを中心にした記述になる。とくにヌートリアの増加は語りたい。カモメ類の減少もデータで示せる。オオバンの増加もデータがある。カモ類やサギ類の種組成も変わった。
大和川水系の中下流域は、人間活動の影響を強く受けている。棲息する生物の増減にもなにかしら人間活動の影響はあるだろう。少なくとも外来生物は明らかに人間活動の影響。出だしで、大和川水系は人間活動の影響が大きい、と前振りして。最後に人間活動の影響が生物にも及んでいる可能性をほのめかせば、なんとなく収まりが良い!
という訳で、とりあえずテキストが書けた。画像を探して、分布図やグラフをこれから作成しなくっちゃ。
●2021年8月25日 キツネのサンプリング、のついでに食肉類の液浸標本整理

6月のトビのサンプル提供依頼に続いて、キツネのサンプル提供依頼。標本が活用されるのはありがたいけど、探索作業は面倒。で、7月中に任せとけ!って返事したのに8月に食い込んだ。8月頭に探索して、でも、ツバメの集団ねぐら調査や、リモート行事や、リモート博物館実習が忙しくなって、放置。今日、ようやくサンプリングして、リストを作成。
探索は面倒だけど、そのついでに哺乳類の中身の標本の整理がかなりできた。いちばん分量の多い食肉類は、メジャーな種は種毎に並べ、その他も科ごとにまとめることができた。整理するとコンパクトになって、床に並んでいたのが随分減った。トビで鳥が、キツネで哺乳類が整理できた感じ。面倒だけど、ときどきサンプル依頼が来ると片付いてありがたいかも。今ならアナグマやハクビシンのサンプル提供に速攻で応えられる〜。
キツネはのサンプルは14点あった。内、キタキツネが1点で、残りはいわゆるホンドギツネ。資料提供を依頼してきた人は、アカギツネって呼んでた。その呼び方は、間違いじゃないけど、なんか違和感がある。で、依頼は近畿地方周辺のサンプルということだったので、キタキツネ以外を提供することに。
提供するサンプルの内訳は、大阪府産6点、奈良県産3点。滋賀県産、三重県産、香川県産、広島県産がそれぞれ1点。トビの時と違って、大阪府産が一番多くて、面目躍如(?)。ちなみに大阪府産6点の内、4点が北河内。さすがは大阪府で一番キツネの多いエリア。同じくキツネが多い淀川産はなくって、残りは豊中市産と能勢町産。豊中市産は市街地に住んでる千里丘陵の個体。市街地だから、もっと交通事故にあっても良さそうなのに、タヌキは届いてもキツネは届かない。けっこう貴重。
●2021年8月24日 クジラの死体を回収に出かける基準

大阪湾にクジラが漂着したら、必ずホネを引き取る。まあ、うちが引き取らなくても、どこかが引き取って、きちんと標本が残ればそれでいいんだけど。ただ、大阪湾に普通に暮らしているスナメリの場合は、手が回らないこともある。すべての情報を教えてもらえる訳でもないし。
じゃあ、大阪湾以外の場合はどうする? というのはけっこう悩ましい問題で。東京湾や有明海なら、はるばる引き取るって話にはならない。それぞれ地元にしっかりした自然史系博物館もあるし、お金もかかるし。伊勢湾は、スナメリの死体を引き取ったことはあるんだけど、地元にしっかりした博物館があるので、これまた基本的には地元にお任せ。悩むのは大阪湾の隣接地域である播磨灘と紀伊水道。
原則は地元の博物館が回収して標本として保存すべきだろう。標本を探索する際に見つけやすく、レッドリスト作成など地元の生物相に関わる調査の際も、ちゃんとピックアップされる。でも、地元に博物館がなかったら? 担当者にやる気がなかったら?
大阪の博物館としては、ベースの標本収集方針以外の部分で、どこまで対応するかの問題になる。正直に言えば、欲しい種類は回収に行く。こちらの調査プロジェクトや展示の都合で欲しければ回収に行く。気軽に回収にいけるような予算がある時なら回収に行く。時間的な余裕やタイミングがあえば回収に行く。先方が標本として残したくて、対応した方がいいとなれば回収に行く。

かつて徳島県にザトウクジラを回収に行ったことがある。当時、ザトウクジラの標本を持ってなかったので、是非欲しかった。家島にニタリクジラが上がったと聞いた時は、同じく標本を持ってなかったので、ものすごく欲しかったけど、主担当の特別展直前で動けず断念。
一昨年、和歌山県日高町にあがったマゴンドウを回収に行った。それは地元博物館が引き取るべきだろう。と、地元学芸員に言ったら、標本として残したいけど、自分のところではできない。と言いつつ、地元の役所関係への連絡調整や肉の廃棄まで段取りを付けてくださった。なんと積み込みのためのレッカー車まで手配くださった。で、トラック仕立てて、はるばる引取にいった。
そういえば、わざわざ高知県までザトウクジラを解体に行ったこともある。地元関係者が標本として残したい!と相談されたので、手伝いに行った。
こちらがどのくらい欲しいと思うか、あるいは地元がどのくらい標本を残したいと願うか。どちらかの強い想いがないと、クジラの標本は残らない。
●2021年8月23日 オニバスの棘

今日は、自転車でため池をめぐって水鳥調査。25年以上にわたって毎月実施しているルーティング調査の一つ。調査をはじめた頃は、80ヶ所近い池を巡っていたので、2日に分けていたのだけど、ドンドン埋め立てられていまは60ヶ所。1日で巡れるようになってしまった。
水鳥の数を数えると同時に、目立った水草の記録も付けてる。とくに小まめに記録してるのはオニバス。毎年2〜3ヶ所程度生えてるのだけど、生える池が変わるのが面白い。今年は2ヶ所で生えている。1ヶ所は、以前も生えてた池だけど、小さな池が4つつながったような構造で、今まで生えたことのなかった場所に生えてる。この冬に水を抜いて工事をしていたから、それで埋土種子にあったのが生えたんだろう。もう1ヶ所は、25年以上の調査で初めて生えた池で、冬にも水は抜かれないし、工事も入ってない。どうして突然生えたのか不思議。
けっこう大きめのオニバスの葉っぱの上には、バン2羽が乗ってケンカをしてたり、カルガモが休憩していたり、アカミミガメが日向ぼっこしていたりする。ざくっと2kg程度の重さは耐えられるってことだろう。アカミミガメがもう1匹乗ろうとしたらどうなるのかちょっと気になる。というか、アカミミガメはどうやってよじ登ったのが少し不思議。
オニバスの葉っぱの表側には、けっこう棘が生えてる。うかつに触るとけっこう痛い。これって動物除けなんだとばっかり思ってたけど、水鳥もカメも平気だとしたら、いったい誰を除けてるの? 小さな虫にはそもそも関係ないだろうから、カエルとか?
●2021年8月22日 リモート博物館実習2回目

2回目のリモート博物館実習が終わった。1月に実施した1回目のリモート博物館実習は、初めてでプログラム作成の部分から手探り。これでいいのか色々考えたけど、2回目ともなると、少し様子を判っていて、少し安心。若干の改善もできたと思う。でも、まだまだ改善すべき点もあると思う。
今回の改善点と、次回に向けての反省点を並べてみる。

初日のオリエンテーションでは、1回目に物足りなかったのは、座学はできるんだけど、館内ツアーができない。館内ツアー動画を用意してはどうだろう。という話もあったんだけど、面倒なので断念。今後の課題に。1回目のもう一つの課題は、実習生相互の交流があまりできなかったこと。その反省を受けて、今回はオリエンテーションの午後に、実習生の自己紹介タイムを設けた。個人的には学生の人となりや専門が判って面白かった。実習ノートに自己紹介タイムは必要かどうかのコメントを書くように依頼したが、自己紹介があって、他の学生のことが判り、その後のやり取りがしやすくなったという意見が多かった。次の機会にも自己紹介タイムをもうけよう。
1回目は5日間中4日間、今回は5日間ずっと、博物館実習を見学した。初日のオリエンテーション以外は、事前課題なり、当日の作業の最後に、実習生になにかしら発表してもらうパターンが4回繰り返された。内容は、特別展企画、標本データの入力、行事プラン作成、展示作成。割と博物館のいろんな側面を取り上げることはできた。前回は、行事プラン作成がなくて、展示解説パネル作成が2つあったから、今回は改善できたと言えよう。問題は、(面倒だったからだけど)1回目と同じメンバーに振ったこと。内容は変えなくていいから、次の機会には担当者を入れ換えようと思う。
最後に個人的反省というか、迷い。2日目の特別展企画の発表には、いっぱい発言してしまった。5日目の展示解説パネル作成でもいっぱいコメントした。一方、3日目と4日目は発言しなかった。この差は、担当者が他の人の意見を求めたからだけど、どっちが良かったんだろう? どっちかと言えば、最初から時間のある学芸員はログインして、コメントして欲しいとアナウンスした方がよかったのかもしれない。一方で、喋りすぎたかもしれない…。

リモート博物館実習は、今年度またありそうな気がする。その時にはもう少し改善したいところ。
●2021年8月21日 リモート博物館実習5日目 貝の展示の子ども向けパネル作成

いよいよリモート博物館実習も最終日。事前に、スーパーとかで貝殻つきの生の貝を買って、肉を抜いてもらってるはず。最初の20分に、プログラムの進め方と子ども向け解説パネルの解説。続いた15分に、用意した貝を確認。
実習生さんたちが用意していた貝は、サザエ2名、チョウセンハマグリ1名(千葉県産だからそうだろう)、シナハマグリ1名、ホタテ2名、アサリ4名、ヒメエゾボラ1名(画面越しでは同定できず、画像を送ってもらって同定)、ヤマトシジミ1名、ホンビノス1名。
午前中の残りの時間は、子ども向けパネルのテキストの下書き。

午後は、最初の1時間半に、それぞれの解説パネルのテキストのチェック。チェックしてOK出た人は、解説パネルの作成。これも1時間半。最後2時間かけて解説パネルのプレゼンと講評。学芸員とかスタッフがいろいろダメ出し。
・ネットの情報よりも、実物を見たり食べたりの自分の体験を優先した方がいいかも。
・幼生を赤ちゃんと呼ぶ是非。せめて繁殖を示すイラストが欲しいかも。
・平仮名にしても難しい言葉は難しい。
・“〜みたい”という書き方はしないかも。
・テキストにつけたアンダーラインの色を変えて、内容の違いを示すのは面白い。でも、色覚の個人差に配慮が必要。
・文字数が多すぎて詰まりすぎだと、読みにくい。
・小ネタやコラムを間にはさむという技は面白い。
・文によって口調が違うのは微妙。
・複数のQ&A形式を並べて、違った色で囲って示すのはいい感じ。
・難しい言葉と言い回しそのままで、語尾だけ可愛くしても読みやすくならないなぁ。
・強調したい部分に、色付けたり、下線を付けたりは、良いのか悪いのか。
全体にルビの振り方は悩みどころだったみたい。何人かがルビを下に振っていて、斬新だなぁと思った。そして、多くの人が食べ方の説明を入れたがる。
●2021年8月20日 リモート博物館実習4日目 セミの抜け殻と行事案の作成

今回の5日間のリモート博物館実習のプログラムは、この1月に実施した初めてのリモート博物館実習の内容をほぼ踏襲している。担当者も同じ者が担当している。変更点は2つだけ。一つは初日のオリエンテーションの午後に自己紹介タイムを作ったこと。もう一つは、今日の昆虫担当の内容。前回は野外で虫を撮影してきて展示パネルを作るという展開。これは作業+展示プランで、それを発表。という構造が貝標本の内容とそっくり。少し変えてみて欲しいと言ったら、野外でセミの抜け殻を探して、行事案を作成するという内容に変わった。つまり、今回初めてやってみる内容なので、どうなるのかドキドキ。

最初に自己紹介からの、昆虫標本の意義や作り方・保存方法の解説。30分。その後、見つけたセミの抜け殻とその名前調べの発表からの、行事案の提案。
北海道の大学からの実習生が3人いたので、どんなセミの抜け殻が出てくるか楽しみにしてたのに、2人は関西の実家に戻ってきてから抜け殻捕ってる! が、一人は北海道で抜け殻とっていて、エゾハルゼミ登場! 他はみんな関西なので、クマゼミ中心に、あとは大抵アブラゼミ。少しだけツクツクボウシ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ(大阪市内で捕ったらクマゼミだらけ!)。
ちなみに虫が苦手で、抜け殻採りを友だちに押しつけた。と告白したのは1名。

・セミを食べる企画:セミや抜け殻をとって、料理して食べる。
・山のセミの多様性の観察会:熱中症を避けて朝早めの観察会。
・セミの抜け殻識別の行事:抜け殻は配布して観察してもらう感じ。
・セミの抜け殻と成虫の観察会:自分で採集してきて、室内で詳しく観察してスケッチ。
・セミの抜け殻調査:室内講習のあと、抜け殻さがしして分類して数える。
・セミの抜け殻観察会:グループに分かれて、それぞれ違う場所で抜け殻を集めてきて、種を同定して、まとめて発表。場所ごとの違いを比べる。
・セミの羽化観察会:お泊まりで観察。
・セミの鳴き声と抜け殻観察会:見つけた場所を記録。
・セミの鳴き声と抜け殻観察会:声の聞き分け。
・セミや抜け殻の観察会:セミや抜け殻を捕る。
・セミのからだの観察:セミや抜け殻をとってきて観察、同定、分布図作成。授業プログラムっぽい。
・セミの抜け殻さがし:公園のエリアごとの抜け殻集め、同定、カウント、分布図作成。
・セミの抜け殻での作品作り:抜け殻を捕ってきて、調べて、アート作り。

セミの行事限定なのだけど、これだけの多様性が出てきたのは面白かった。ここの企画内容は、見逃している側面も散見されるが、全体的によく考えられていた。単なる観察会よりは、子どもワークショップ的なのとか、抜け殻調べ的なのが多め。野外行事の提案では、夏ということで、熱中症対策にコメントする人が多かった(設定が午前中、夕方〜夜、あるいは室内行事)。ただ、ほぼすべて小学生+保護者対象の行事。セミ=子ども、子どもといえば小学生、というステレオタイプを感じなくもない。
一方で、小学校で昆虫の生態を習う3年生にターゲットを絞って、虫への抵抗の少ない幼少期に虫に触れさせるという明確な問題意識をもった発表があって感心した。教職をとってるよね。
●2021年8月19日 リモート博物館実習3日目 植物標本実習

自分の担当は初日のオリエンテーションだけなんだけど、出欠の確認もあるし、リモートでそれぞれの学芸員がどんな内容でやってるかの確認もいるし、慣れないリモートでトラブったらサポートがいるかもなので、他の学芸員が担当の日も参加してる。昨日は、うるさいくらい発言してたけど、今日は静かにネコが見守るだけ。
対面での博物館実習は、大部分が標本実習なんだけど、リモート博物館実習になると、内容が展示よりになる。実物つかいたい標本実習はリモートではしにくいから。で、唯一がんばって標本実習してるのが今日の植物標本の実習。基本的には、植物標本のラベルの入力。手書き文字を読みとって、学名や地名を正確に入力するのは、意外と難しい。
午前中は、植物担当の目から見た標本とは何か?という講義が1時間。その後、データ入力のやり方や注意事項の説明に30分。あとは昼休みをはさんで、2時間半は各自で作業。午後2時なったら、Zoomに集合。
面白いのは、入力量のノルマがないこと。これは対面での博物館実習でも同じだなぁ。入力しながら、気になったことがあったら、そっちを勝手に調べてもいいよ、って感じ。そして、再集合した後は、入力作業していて気になったこと、調べても判らなかった事を発表する。って段取り。入力を単なる作業にせずに、なにか知識を得る機会にして欲しい、というメッセージが強く打ち出されている。

一人30枚ほどラベルのさく葉標本と画像を渡されて、その入力。30枚全部入力できた人はいなくて、20枚もいなくて、10枚できた人がようやく1/3ほどいた。気になる点を順次発表。その発表から入力ミスが発見されたり。追加の解説ポイントが明らかになったり。
追加の説明ポイントとしては、
・とれた果実などをポケットに入れる
・わざと少し中心からずらして貼ることがある
・はみ出る部分を切って落とすことがある
・1個体を3枚に分けて、標本にすることがある
・分類の変化にともなう、科名の変化
・学名の解説と、時代とともに変わる和名
・標本を使った発芽実験などをしていたら、その結果が書かれている場合がある
・日付の表記方法、とくに月の書き方

予想通り、入力ミスや、手書きの古い地名が読めないといった出来事も起きていたらしい。が、もっと地名読めない!といった内容で盛り上がるのかと思ったら、それ以外の部分に解説ポイントがいろいろ出てきて、意外にも聞いていて面白かった。
●2021年8月18日 リモート博物館実習2日目 特別展の企画

各実習生には、事前課題として、それぞれ自然史テーマの特別展を企画してくるように言われている。
最初に担当学芸員から特別展とは何かというトーク15分。昨日のオリエンテーションでも特別展にはふれたけど、そこでは話せてない内容なので、補完してくれてちょうどいい。
そして、各実習生が自分が考えてきた企画(タイトル、展示概要・代表的展示物、集客のための工夫)を発表。質疑応答。

・水害の防災展:基本はパネル展で、あとは動画とVR体験。展示物は地形模型、ボーリングコア。
 →展示物少なめ。子どもの興味をいかに引くか。

・外来生物展:外来生物の標本とパネル。クイズ。
 →うちでやった外来生物展ととても似ているが、めっちゃ金がかかってる! 定義や理屈を説明するのはそんなに簡単じゃないぞ〜。

・進化展:ポケモンの進化は生物学でいう進化じゃない!
 →テーマが一般的すぎて、なにを具体的に提示するかが悩ましそう。我々は断念した経緯が…。

・外敵から身を守る生き物展:いろんな身を守る動植物。
 →テーマが広すぎて、なにを展示するのかの絞り込みが難しそう。

・大阪の植物展:大阪各地域の植物の写真・標本を展示。化石植物も展示。
 →植物ファンはくいつきそう。希少種の生息地保護の配慮が重要。

・プランクトン展:写真・パネル展示中心。クラゲなどの生品展示。顕微鏡で観察体験。
 →生品と体験が中心なので運営コストが多い。一方、小さなプランクトン自体をどう展示するか。

・北海道の恐竜展:北海道で出た化石。
 →メイン展示一発な感じ。北海道の博物館ならそれでいいけど、北海道以外では必然性が必要。つまり何を伝えたいのかがポイント。海獣類がないのはどうしてかな。

・海の生き物展:海の生態系の展示。
 →海のどの部分をどう切り分けるか。生態系をどのように示すか。

・石展:化石、鉱物、岩石の展示。地層についても解説。
 →石のコレクションの楽しさを伝えるならありかも。

・絶滅危惧生物展:パネルと映像。あとは絶滅危惧種の展示。
 →割と実現可能なプラン。タイトルは通じにくいかもで、たくさんの人が来てくれるか微妙。

・ペットボトル展:ペットボトルのリサイクルについての理解を普及
 →イベントの1コーナーであれば成立する。ペットボトル以外のリサイクル、あるいは環境問題全体に広げないの?

・バイオミメティクス展:実例をいろいろ紹介。
 →生物の構造の工業技術的な利用の話以外には広げないのかな?

・民族楽器展:
 →畑違いだからかもしれないけど、普通に楽しい。楽器を鳴らせるといいけど、他の来場者からうるさいと言われそう。

発表の中では、面白いアイデアもちょこちょこ出てきた。
・無料で持ち帰れる絵はがきやクリアファイルは、後の集客や普及につながるのかな? 考えたことがなかった。
・子ども向けワークショップを、最初に研修して、なにかして持ち寄るというプランはありかと思う。

軸や焦点があいまいで幅広い展示プランに、伝えたいことは何かと何度も突っ込んでいたら、狭い範囲のプランを提案して、今度はワンイシューすぎる、もっと広げるようにと指摘される。確かにその加減は難しい。結局は、何を伝えたいか。展示の目的次第なんだろうな。
と、これは自分に返ってきそう。
●2021年8月17日 博物館実習 2021年夏期一般コース オリエンテーション
2回目のリモートの博物館実習。だから少し様子は分かってる。大学や実習生とやりとり多めで、事前の課題を出して、今日を迎えた。
オリエンテーションの内容も対面と少し違う。なにより初めてのリモートオリエンテーションと違って、実習生の自己紹介タイムを作った。自分も自己紹介するか少し悩み中。
午前中に座学1時間半、その後、短い館内ツアー。午後は館内ツアー2本。リモートでは、館内ツアーができないので、座学は2時間に。パワポは1月に作ったのを手直して済むから割と簡単。館の出版物の送付は面倒。
博物館に来ないので、館内の構造とかの説明はしなくて済む。館内ツアーでいつも説明する収蔵庫などの設備、スタッフ目線での展示、ミュージアムショップの意義などを盛り込むのを忘れた…。

午後は自己紹介タイム。前回1月のリモート博物館実習の時に、実習生同士の交流ができなかったので、自己紹介しあってもよかったのに。と複数の指摘があったので設定してみた。
なにを話してもいいけど、
・専門分野、あるいは興味のある分野
・大阪市立自然史博物館を選んだ理由
・大阪市立自然史博物館のアングラトークを視聴して、リクエストと改善点の指摘
を盛り込むようにとの指示。
専門分野の話は、けっこう畑違いがいて面白かった。大阪市立自然史博物館を選んだ理由は、大部分が実家が近くで、多くは遠足に来たことがあったから。数人は大学から近いから。一人は、なにわホネホネ団の知り合いから話を聞いて。

で、アングラトークの問題点の指摘は、
・もっと字幕を入れて!
・専門用語などの解説や、説明の補足を入れて!
・文字が見にくい、フリガナを増やして!
という三大指摘以外には、
・資料やパネルが見にくい。
がいくつか。

その他、
・複数の人が、収蔵庫自体や収蔵・管理方法を見たかったと言っていた。
・複数の人から、眼の前の学芸員向けの話になっていて、一般向けになってない。質問も一般人の質問と少し違う。
との指摘。前者は別シリーズのコンテンツだなぁ。後者は収録時に学芸員以外を混ぜるといいかも。

面白かったのは、
・30分は長いので、3つくらいに分けて、次々と見たくなるようにした方が良い。
という意見の一方で、
・こんなチャンネルを見に来る人は、そもそもニッチなので、長くても、多少難しくても良い。
という意見があったこと。どちらも一理ある。
●2021年8月16日 大阪のツバメの集団ねぐら調査2021は3勝4敗

昨日、最後に残っていた堺市美原区のツバメの集団ねぐらを確認できた。これでとりあえずここ数年存在が確認されている大阪府内のツバメの集団ねぐら3ヶ所を確認できた。赤坂下池は一発で確認できたけど、淀川鵜殿はリベンジ2回目でようやく数えられたし、堺市美原区のは、移動先が判らず、これまた3回見に行ってようやく見つけた。なんと効率の悪い。 11日にリベンジに失敗して以来、毎日雨模様。昨日の午後から、ようやく雨が止んだので、懸案の堺市美原区の集団ねぐらを探しにいった。河内松原駅からバスに乗るのも3回目。なんとなく時刻表を覚えてしまった。
今日狙うのは、大保の今池。今年は水が抜かれたままで広い草地になっているけど、ヨシ原があるのは南東部。東側から住宅地を抜けて、見やすい場所を探す。東側から見れず。南側から見れる場所は視界がせまい。仕方が無いので、少し西にある小さな児童公園に陣取った。ベンチがあるのは便利。でも、肝心のヨシ原は、少し住宅の陰気味。そして眼の前の金網が少し邪魔。ヨシ原は想定通りかなりしょぼいけど、まあ10000羽くらいならねぐら入り可能かなぁ。
で、ツバメが集まるのを待つ。時々飛んでくるツバメは、西に抜けて行く気がする。とても不吉。日没時刻になってもツバメは集まらない。コウモリはたくさん飛んでる。チョウゲンボウも登場した。今日のリベンジも失敗か?
と思ってたら、日没後10分頃から集まりはじめた! 日没後14分ほどから22分頃まで1000羽以上が乱舞し、日没後25分くらいにねぐら入り終了。ざっと6000羽程度。ちょうど中ノ池から引っ越してきたくらいの規模。

日没を10分も過ぎてから個体数が増えるのは、チョウゲンボウのような捕食者がウロウロしてるからだろうか?
後付けで考えると、かつて上青井池から中ノ池に移った群れを観察した時の距離は、約500-600m。8月10日に中ノ池から観察していた時は、中ノ池の北東角から、今池の南東角辺りの大群を見ていたことになるので、西北西に約600m。冷静に考えると似たようなもん。という訳で、そのくらいの距離までならギリギリ見えるってことらしい。ただし西方向なので、夕陽を背にシルエットで観察しやすいということもある。

ともかく、ようやくリベンジに成功できて良かった。地元のみなさんも気付いて無かったようなので、少し鼻が高い。
●2021年8月15日 リモート手羽先実習

昨年は新型コロナウイルスに負けて、リモート企画も断念した。そのリベンジで、今年はリモートで、手羽先のホネ標本を作る実習を実施。しようかと思ったけど、参加者の作業を見守って指導するのは、クライアント側のカメラの問題もあるし難しそう。ってことになって、リモート実習改め、リモート実演をすることにした。
昨日、萌蔵にカメラのセッティングをしてもらって、団長出演と、トリ先生カメラ担当、及び二人の掛け合いで進行。って形でリハーサル。なんとなくできそうな気がした。3分クッキング方式で、途中時間がかかる工程は、先に作っておいて、1時間つけたのがコレです。ってやるための途中段階のを作っておく。
当初は、作業の様子を引きで撮影するカメラと、手元の高画質カメラの2本立てでセットしてみたが、データ量の大きな高画質カメラは回線が細いと画像がカクカクするのが確認された。で、手羽先サイズなら、高画質でなくてもアップすれば見えそう。ってことで、高画質カメラは止めて、単なる手元カメラに。
そして、いよいよ今日の本番を迎えた。

本番は午後1時から2時間。接続に不安な方は、午前中に接続テストするのでお知らせ下さい。とアナウンスしたのに、誰も接続テストを希望しない。みんな接続できるのか、かえって不安になる。が、開始時刻には、申込み者全員がちゃんと接続していて驚いた。
参加者は12件15名なんだけど、家族も一緒に見ていて大丈夫と案内したので、小さい兄弟と一緒に参加してる家もいくつか。
ハイスピードで進めるので、一緒に作業は難しいけど、とくに出だしは一緒に作業しても大丈夫だよ。ってアナウンスしたら、4件5名(+1名)は一緒に剥いていた。割とスムーズに剥いていて、皮剥いておおまかな肉取りから、軽く茹でて、さらに肉取り。ってところまでは一緒にできた。一緒にやった方が、様子を見せてもらって、具合を確かめるというやり取りができて良い感じ。
パイプユニッシュに浸けて、さらに肉取り。オキシドールに浸けて、さらに肉取り。という部分は、さすがに一緒にはできない。仕上げの方法説明して、保存方法を説明して一段落。最後に質疑応答をして終了した。
プログラムは、5〜10分前倒しで進行し、最後のQ&Aは30分かけられた。というか、けっこういろいろ質問が出て、30分は充分かかった。作業しながらの団長の解説、それが漏れている部分を、トリ先生が質問したりしながら補足、っていう役割分担は聞きやすくちょうどよかった。

全体的に言えば、参加者の接続、プログラム進行、配信状況、いずれも想定以上にうまくいったように思う。
もし高画質でなくてもやり取りができるなら、参加者が作業しながらの設定で、対面のようなプログラムを行うことも無理ではないかもしれない。その際は、パイプユニッシュの間は、休憩時間。オキシドール漬けまでやる。その後の作業を解説して、いったん終了。翌日、希望者のみ対象に続きって感じだろうか。
なんて思っていたので、9月の大人向け鳥の頭実習でも、リモートでやるかも。と口走ったら、他のスタッフに怒られた。
●2021年8月14日 とある展示を見た子ども達からの質問に答えるという企画

それぞれの担当学芸員が、自分の担当分野の質問に答えないといけない。全部答えなくてもいいんだけど、一通りは見て考えなくっちゃ。なぜか陸上脊椎胴部津の質問は、ホネに偏る。ホネの展示してるからかな。

・クジラはどこでみつかったのかを教えて下さい。
→どのクジラの話か判りません。この夏に見つかった大きなクジラの話なら、最初は淡路島の津名沖で見つかり、いったん行方不明になって、翌日神戸沖で見つかった。神戸沖といっても実質的に大阪湾の真ん中辺り。

・動物はどうやって暮らしているのですか。ゾウ、ミミズ、キリン、ヒツジ
→暮らしのどの側面を知りたいのか判りません。大阪で言えば、ゾウとキリンは、動物園で餌もらって暮らしてるってのはどうだろう。いま大阪にゾウはいないけど。

・クジラってちんちんあるんですか?
→オスには、ちゃんとちんちんがあります。体の大きさ通り、大きいです。

・どうやってほねをとったん?
→煮たり、砂に埋めたり、砂場に放置したりしていますが、展示してるのはパパインというタンパク質分解酵素を使いました。

・日本や大阪にいてるハトは、何種類居てるのですか? 伝書鳩はなぜ手紙とかを届けれるのですか? 奈良のシカはなぜおじぎができるんですか?
→大阪にいる(繁殖する)ハトは、ドバト、キジバト、アオバトの3種。日本だと、カラスバト、ズアカアオバト、キンバトが加わって6種。昔はオガサワラカラスバトとリュウキュウカラスバトもいたけど絶滅しました。この他に迷鳥としてベニバトとヒメモリバトなどが記録されています。
伝書鳩は、放された場所から、自分の家(巣)に戻ります。それに通信を付けているだけです。
奈良のシカは確かにおじぎをします。どうしておじぎをするようになったのかは、よく判りません。

・展示されている頭骨とその歯の大きさは?
→自分で計って下さい。

・ライオンの頭蓋骨はどんな形?
→ネコの頭蓋骨を大きくして、えらを大きくはった形。

・どんなホネがあるんですか?
→どこに?全部あげるのは大変なんですけど…。

質問が不明確で答えにくい。対面なら、いろいろ聞き出して、少しは的確に答えられるだろうけど、質問を書いてもらって、それに答えるという企画は、子ども相手ではなかなか難しい。
●2021年8月13日 ウサギのホネの数はいくつ?

ホネについての質問の中でも、一番面倒なのの一つが、ホネの数はいくつ?というもの。誰かが表にまとめてくれてたらいいけど(もしかしたらまとめてる人がいるかも知れないけど、知らないのでないのと一緒)、何かをパッと見て答えるって訳にはいかない。たとえ数字があげられていても、どんな個体を、どういう風に数えたかで話は変わってくる。などと考えると、自分で考えるしかない。
ってゆうか、自由研究の質問なんだったら、標本を出してきて、本人に数えさせたらいいんだな。とは思うけど、小学1年生には難しい。そして、新型コロナウイルスの感染が急拡大している現在では、なかなか博物館に数えに来いとは言いがたい。なので、自分で数えてみる。

収蔵庫から出してきたのは飼育されていたカイウサギ。ホネが壊れてる可能性も低くていいだろう。部分毎の数は次の通りだった。
・頭部:頭骨、下顎骨、耳小骨3×2(確認はしてない)、舌骨(見当たらないけど、とりあえず5で) →小計13個
・椎骨:頸椎7、胸椎9、腰椎10、仙椎、寛骨2(左右分かれてる)、尾椎14 →小計43個
・胸郭:胸骨6、肋骨12×2 →小計30個
・前肢:鎖骨、肩甲骨、上腕骨、橈骨、尺骨、手根骨+指骨+種子骨36 →小計41個
・後肢:大腿骨、膝蓋骨、脛骨+腓骨(癒合)、足根骨+指骨+種子骨39 →小計42個
四肢は片方しか数えていないし、種子骨のとりこぼしがあるかもだけど。肋骨12椎なのに胸椎が9個っておかしいけど。まあ誤差は数個以内ではないかと。ということで、前肢と後肢の合計を×2して合計すると、252個だった。
●2021年8月12日 ツバメの集団ねぐらの行方は??

一昨日のリベンジを、昨日達成しているはずが、そうはならなかった。一昨日、中ノ池でツバメを待っていたけど、ツバメはやってきても西に抜けて行き、日没後、おおよそ北西の方向に5500羽ほどのツバメの大群が乱舞していた。
昔、上青井池から中ノ池に集団ねぐらが移った時、同じように上青井池で待っていて、やってきたツバメは、ことごとく西に抜けて行った時があった。その時も西のはるかかなたに、数1000羽のツバメの群れが飛び回っているのを見た。ちょうどそのくらいの距離感な気がする。上青井池と中ノ池の距離は、最短で約300m。ってことは、北西の300mかぁ。帰ってきてから地図を見ると北西300m辺りに、池が4つある。絶対ここやわ。 ってことで、昨日の夕方、美原区のツバメのねぐらリベンジに出かけた。4つの池の内、南東の1つにはまったく植生がない。北西の池はヒシ池で、縁にごくわずかヨシが生えてるだけ。南西の池もヒシ池で、東の岸沿いに幅は狭いけど、ヨシが生えている。しょぼいけど、ツバメ5000羽程度なら、入れるかな。でもまあ一番有力なのは、北東の池。半分弱がガマ原になっていて、その一部にヨシ原もある。5000羽程度なら余裕でねぐら入り可能。
という下見の元に、4つの池の真ん中でツバメが集まるのを待った。念のため、中ノ池に戻っていても気付くように南東方向の空も頻繁にチェック。
日没13分前、西の方に70羽ほどのツバメが飛んでる! 距離は150mほどだろうか。あれがこっちに来るんだな。日没時刻前後、100羽ほどの群れが北西の空を舞っている。やっぱり100mほど向こう。なんかおかしい。その後、1羽から数羽のツバメの姿を見かけるが、全部、西の方に抜けて行く。
真っ暗になるまで待ったけど、ツバメはまったく集まらず。リベンジ失敗。数1000羽の乱舞は見れなかったけど、100羽ほどが飛んでいたのは西〜北西に100-200m。だから、新たなねぐらは、さらに西なのだろう。
さらに西となると、毎月ため池の水鳥調査をしているエリアになる。ちょうど西に400mほどには、大保の今池がある。ここは南東部にちょぼいヨシ原がある。あとは、南西に900mほどに花田池。かつて2013年にだけ集団ねぐらができた。今もヨシ原がある。でも、ちょっと遠すぎるし、方向も少し違う感じ。
ってことで、再度リベンジする。次は大保の今池。
●2021年8月11日 はじめての胃カメラ

二回目のガン検診。昨年初めてのガン検診の時、人生二度目のバリウムを呑まされて、ゲップするなという無理難題。苦しくて、思わずゲップしてしまって怒られた。もうバリウムは飲みたくない! そういえば、バリウム飲んで検査するより、胃カメラの方がはっきり分かるはず。口から入れたら苦しいけど、鼻から入れたらさほど苦しくないとも聞く。胃カメラなら、小さな何かはその場で切除もできると言うし。ってことで、通常のガン検診に7000円追加して胃カメラを選択した。
血液抜いて、レントゲンとって、腹腔の超音波エコーを見て、最後に胃カメラになった。ちなみに超音波エコーでは、腎結石を見せてもらった。右には3mm以下の小さいのがいくつかあるかも。でも3mm以下は判別難しいんです。左には、直径4mmのが1つ、ハッキリありますね。とかを実況してもらえて楽しかった。この調子で、胃カメラでも、自分の食道や胃の中を見せてもらうとしよう。と少し楽しみ。
胃カメラの部屋に入ると、看護師さんに両鼻に管を通して、薬を入れられる。冷たい。飲んでも大丈夫と言われるけど、あまり飲みたくない。右の鼻の方が通りがいいからこっちを使うと言われる。麻酔で喉が変な感じになってきて息がしにくい。苦しい。となってると、鼻で吸って、口で吐いて下さいと言われる。一生懸命言われた通りにする。苦しい。なかなか医者が来ない。早く来い〜。苦しい。体感的には30分ほどして(たぶん実際は10分程度)、ようやく医者が登場。
早速、右鼻から胃カメラを入れられる。ツバを飲み込むとむせるので飲まないようにと言われる。唾液は垂れ流せと言われて、飲まないように気をつけるけど、反射的に飲みそうになる。苦しい。胃カメラが胃に入ったら、絶対にツバを飲むなと言われる。苦しい。ツバを飲みそうになる。息がしにくい。死ぬ。
でも、胃カメラの画像を見たいから、ときどき視線を上に向ける。苦しくて、ちゃんと見れない。食道は、なんか灰色がかってる気がする。あまり綺麗じゃない。胃の中はなんにもはいってなくて、ピンクでキレイ。
もう何でもいいから胃カメラを抜いてほしい、苦しい。苦しい。早く終わって。と思ってたらようやく終わった。体感的には1時間。実際は10分程度? 終わったら、医者からはキレイな胃でした。問題ありません。と言われたけど、嬉しいのはそっちではなくて、終わったこと。
ヨダレと、鼻からなんか判らん汁がいっぱい垂れる。とても情けない感じ。ティッシュをいっぱいもらった。終わってホッとしたのと同時に、なんか情けない。看護師さんの反応からすると、とても苦しんでた方らしい。もっと苦しむ人には麻酔をするんだそうな。でも、どうやら他の人はもっと平気なのが普通っぽい。
とにかく、とても苦しかった。もう二度とやりたくない! 来年はバリウムを飲む。
●2021年8月10日 今年の大阪のツバメの集団ねぐら調査は今日で終了、かと思ったら

大阪府でここんところ見つかってるツバメの集団ねぐらは3ヶ所。できるだけ毎年自分で見に行くようにしている。で、赤坂下池と淀川鵜殿は行ったので(淀川鵜殿は3回も行った!)、最後の堺市美原区の集団ねぐらをチェックにいった。今年のツバメのねぐら調査も今日で終了だなぁ、などと思いながら。
ところが、そうは問屋が卸さなかった。大阪府南部の集団ねぐらはずーっと不安定で、なかでも2015年からできてる堺市美原区のねぐらは毎年場所が変わる。過去2年は、上青井池と中ノ池を毎年行ったり来たりしている。それもシーズン途中で場所が変わるので面倒。今年は、中ノ池に集まってると聞いていたので、そちらに見に行った(少なくとも7月26日までは中ノ池に集まっていたらしい)。

日没頃になって、ツバメが戻ってきた。数羽、数十羽。でも、周辺を飛び回るというより、東の方から飛んで来て、西に抜けて行く。西の上空を飛んでたりするけど、すぐに姿が見えなくなる。その後も、パラパラ飛んでくるツバメは、みんな東からやってきて西に抜けて行くような。この段階でなんかイヤな予感。
日没後10分ちょっと、北西の空の遙か遠く、ギリギリ見える辺りをツバメの大群が飛んでるのを発見。1000羽を超えている。間に高速道路の高架があって一部隠れているが、遠目なので全体はかえって数えやすい。最大で5500羽程度だろうか。
もしかして、中ノ池に移動してきてねぐら入りするかもしれないので、陣取った中ノ池は動かず。日没後20分にはねぐらに下りたのか北西の空のツバメの群れは見えなくなった。その後もしばらく待っていたけど、中ノ池にはパラパラとツバメの小群がやってきては西に抜けて行く。中ノ池には1羽もねぐら入りしなかったと思う。

そう言えば、上青井池に陣取ってたのに、ツバメが中ノ池にねぐら入りした時があった。その時も西の空に乱舞するツバメの大群がギリギリ見えた。その距離約300m。今回も、同じくらいの距離っぽいので、北西に300mほどの距離の池にねぐら入りしたんじゃないかと思う。
という訳で、またもやリベンジ。さっさと明日にでもリベンジしてしまおう。
●2021年8月9日 5ヶ月ぶりのスタッフホネホネ 活動のリブートに向けて

今年に入って、なにわホネホネ団の活動は、3月にしかできていない。緊急事態宣言が出たらもちろん、まん延防止等重点措置はどうでもいいんだけど、大阪府新型コロナ警戒信号が赤色が点灯したら、活動は休止になる(博物館の対面行事が中止になるのと連動)。昨年は、1月〜2月、6月〜11月は活動できたので、今年の活動休止感は半端ない。
活動できなくて淋しい。のはさておき、冷凍室の死体の処理が進まない。集まる死体も少なめだけど、それでもそれなりに集まるのに対して、処理は全然進まない。そろそろ溢れそうでヤバイ感じになってきた。ちょうどなにわホネホネ団ができる直前の頃のようだ。
でも、一人で作業するのはなかなか気が進まず、アシカとかヒツジとか冷凍室に入らない大物が来た時だけ処理してきた。この5ヶ月は。
いやそれではダメだ!ってことで、5ヶ月ぶりに作業日を設定した。一人では淋しいので、なにわホネホネ団のスタッフと一緒に。3人だけで。ちょうどなにわホネホネ団ができたばかりの頃。まだなにわホネホネ団という名前が付いていなかった頃を思い出す。
なんか、なにわホネホネ団も一から出直し。って感じだなぁ。冗談抜きで、この2年のコロナ禍で中断していることは多い。もしこの冬か、来年の春か、なんかそのうちコロナ禍が終わったら、中断していることをいかにリブートするかを考えなくてはいけない。
そういえば、この秋のフェスの代替シンポのテーマは、ポストコロナ禍の活動のリブート、ってのにしようと思っていたのであった。なにわホネホネ団のことも話せばいいのかなぁ。とりあえず中断してる活動のリストアップからかな。
●2021年8月8日 過去31年の間に大阪湾で見つかって回収された大型クジラの死体

中高生に自己紹介をすることになって、なんとなく最近の話題も盛り込もうと、先月回収したクジラの解体の様子を紹介することにした。グロ画像満載だけど、インパクトあるだろう。ついでに過去31年の間に大阪湾で死体で見つかった大型クジラの情報を整理した。時間が経つと意外と忘れてる。
表示は、“発見月:種名(全長) at解体場所(解体者) →「愛称」(所在地)”。

■1990年4月:ナガスクジラ(19m) at堺泉北港(太地町+大阪市立自然史博物館学芸員?) →「ナガスケ」(自然史博物館ポーチ)
■1996年7月:ミンククジラ(7.7m) at舞洲(大阪市立自然史博物館学芸員) →「大ミンク」(自然史博物館収蔵庫)
■1999年8月:ミンククジラ(5.4m) at田尻町マーブルビーチ(大阪市立自然史博物館学芸員+石田<当時福井市自然史博物館学芸員>) →「小ミンク」(自然史博物館収蔵庫)
■2001年5月:ナガスクジラ(9.6m) at津名町塩田漁港(日本鯨類研究所+兵庫県立人と自然の博物館) →兵庫県立人と自然の博物館展示室
■2010年5月:マッコウクジラ(9.1m) at堺7-3区埋立地(大阪市立自然史博物館学芸員+なにわホネホネ団) →「マッコ」(自然史博物館ポーチ)
■2015年9月:ザトウクジラ(7.0m) at岬町淡輪(大阪市立自然史博物館学芸員+なにわホネホネ団) →「ザットン」(自然史博物館ポーチ)
■2021年7月:ナガスクジラ属(11.2m)at堺7-3区埋立地(大阪市立自然史博物館学芸員+なにわホネホネ団) →堺の埋立地と自然史博物館ホネ砂場

日付を書こうとすると、発見日なのか、回収日なのか、解体日なのか悩ましい。いったん漂着したけど、また流されて…、なんてこともある。回収されたはいいけど、解体場所や処理方法がなかなか決まらないので、解体日が遅くなるというのも日常茶飯事。ってことで、日付はやめて月までにした。基本は発見日。だいたい解体日と月は一緒だけど(マッコは解体日は翌月になったなぁ)。
2001年5月のナガスクジラは淡路島に回収されてしまい、それでも引き取るつもりでいたけど、持って行かれた。まあ地元優先だから仕方が無い。いままで、クジラ類に興味示したことなかったのになぁ。という訳で手元にないので、詳細は知らない。
https://www.hitohaku.jp/exhibition/permanent/muse-ex4-2.html
https://www.hitohaku.jp/publication/newspaper/43/hm39-4.html
ここを参照した。
ひとはくのナガスクジラと、当館のナガスケ、マッコ、ザットンは常設展示されている。簡単に見れないのは、今回のを除けば、ミンククジラ2体だけ。大きくて収蔵庫に入れておくと場所をとって邪魔、というのは少なからずある。ちなみに大昔に大阪湾に入ってきたシャチは、須磨の水族館に展示されている。はず、今は知らんけど。

ところで、1990年より前も大阪湾にクジラは来たはずなんだけど、そのホネはどうなったんだろう? 少なくとも当館にはない。まだ兵庫県にも滋賀県にも自然史博物館はない。和歌山県が動くとは思えないなぁ。ってことは近畿にはなさそうな。もしかして、太地?
●2021年8月7日 平城宮跡もどうした?!

平城宮跡にできるツバメの集団ねぐらは、関西で一二の規模を誇り、さらにこの20年以上の間、毎年安定して成立しているのも特筆される。奈良盆地北部では唯一の集団ねぐら。たぶん奈良盆地南部にも毎年数カ所出来ているんだろうけど、規模は小さく、場所は頻繁に変わっているっぽい。
この平城宮跡のツバメの集団ねぐらは、この10年以上にわたって、季節になれば、ほとんど毎日の観察している地元の方々がおられ、それも個体数を数えておられるので、日本一個体数の動態がわかってる集団ねぐらでもある。
そんな平城宮跡なのだが、7月に入った頃から、今年は集まりが悪いという話を耳にする。7月半ばには数千羽は集まっていたらしいから、普通の集団ねぐらなら充分なのだけど、平城宮跡としては少ない。なんかおかしいという話。これが他のねぐらなら、聞き流してもいいんだけど、何年も毎日のように観察してこられたみなさんコメントは重い。なにか起きてるんだろうか?
当初は、観察会ができるかを心配してたのだけど、数千羽集まってるなら観察会的にはなんとかなる。と思ってたら、新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、観察会は中止になった。あと気になるのは例年と様子がどう違うのかってこと。来年以降も観察会はあるわけだし。
ってこともあって、今日平城宮跡に行ってみた。鳥のサークルの観察会として企画したけど、この情勢の中で観察会は中止。でも、観察には行ってみたってところ。ツバメの集団ねぐらを見に行くのは3日連続になるなぁ。

今日の平城宮跡のツバメは、日没後10分ほどして、ようやく増えだした。日没後20分に飛んでる個体数がピーク。さらに10分で終了。飛んでる個体数の最大は、5000羽ちょっとレベル。この場所にしてはとても少ない。
他の場所に分かれて入ることもあるらしい。またいつもの場所に全然入らない日もあるらしい。いつになく不安定。なにがあったんだろう? こういう大きくて安定した集団ねぐらは、ずっと継続して欲しいんだけど。来年以降がちょっと心配。
●2021年8月6日 鵜殿どうした!と思ったけども

高槻市鵜殿辺りの淀川右岸にツバメの集団ねぐらを見に行った。鵜殿のツバメの集団ねぐらは、1995年からずーっと継続している。大阪府の他の集団ねぐらがすべて、もっと短い間に場所が変わってるのに、鵜殿だけは継続している希有な場所。ただ、鵜殿のヨシ原はとても広いので、継続していると言いつつ、実際にツバメがねぐら入りするヨシ原の位置は、数kmの範囲で移動する。他の場所なら、他の場所に移動しているのと同じ事ではあるんだけど…。
そんな訳なので、今年はどこに集団ねぐらができているかを知らずに見に行ってもしばしばふられる。なんせツバメは小さい。数千羽が乱舞していても、500mも離れたら、さっぱり見えない。
この10年ほどの間、切り下げられた場所にほぼずーっと集団ねぐらができていて、事前情報を収集しなくても、適当に見に行けた。が、昨年はそこから1kmほど上流に移動してしまい、最初に見に行った時にはふられて、上流に向かうのを確認したから、リベンジ時に上流よりを見に行ってみつけた。

って経験をしてるんだから、事前の情報収集をしていれば良かったのだけど、無精して適当に見に行った。それが昨日8月5日。昨年の場所の前に陣取った。右岸堤防の河口から31.4kmの地点。ツバメは集まってきてたように思うのだけど、見えたのは最大150羽程度。どっちかと言えば、上流の方に飛んで行く感じ。そう言えば、上流の方で地元の人が見ているようだぞ。と思って、上流に向かったけど遅かった。
会話を盗み聞きすると、いや違う、なんとなく聞こえてくる会話から、けっこうたくさん飛んでいたらしい。ほんの500mほど場所を間違っただけなのに、見損なった〜。地元っぽい人に最初から訊ねて、ついていけば良かった〜。絶対リベンジせねば!

という訳で、悔しいので、今日リベンジにきた。今日は、右岸堤防の河口から32.0kmの地点に陣取った。場所は正しいと思うのだけど、なかなかツバメが増えない。と思って少し下流の河口から31.8kmの地点に移動。日没時刻を過ぎた頃からツバメが増えてきた。今日はちゃんと見れそうだぞ。が、日没後10分頃がピークだったのだけど、その個体数は800羽程度どまり。鵜殿どうした?!
と思っていたら、近くでツバメの集団ねぐらを観察していた方から声をかけられた。なんと地元の知り合いであった。薄暗くて気付かなかった。その方のお話によると、今年はこの場所にツバメは集まるので合ってるんだそうな。どうして今日は少ないんだろう? となったけど判らない。地元の詳しい方は、昨日、数万羽のツバメが集まってるのを見てるんだそう。あの人達だ! 昨日ついてけば良かった〜。
どうして今日は、少なかったんだろう? 場所が変わった? それとも遠目を飛んでいたので見えなかった? そういえば、今日は南よりの風が強かった。もやもやするので絶対に再度リベンジするぞ!

【追記】
8月8日、再度リベンジした。場所はあってるらしいので、同じ場所へ。ただ、遠目を飛んでいた可能性を考えて、堤防の上からではなく、高水敷に下りて、ツバメが集まるのを待った。
結論から言えば、遠目を飛んでいたという仮設が正しかった。とくに最初の頃は、左岸よりを飛んでいて、個体数が増えてからも、右岸の堤防に近いエリアはさほど飛ばない。だから一昨日はあまり見えなかったんだろう。
今日、集まっていたツバメはざっと約2万羽。地元の方に言わせればもっと多いんだろうけど、それはさておき。伝統の鵜殿の集団ねぐらがちゃんと維持されていて一安心。
●2021年8月5日 河川の環境目標

とある河川の保全と管理の両立を考える、って感じの会議に出席。熱い先輩方がいっぱいしゃべるので、あまり出番がない。そもそも陸上動物担当への影響の話よりも、水生生物への影響の方が大きく深刻。ってことで、結局ぜんぜんしゃべらんかった。楽でいいわ。
で、話を聞きながらも、暇なのでいろいろ考える。今日一番気になったのは、物理環境と生物環境の違い。資料に盛んに“生物環境から見た〜”てなフレーズが並ぶけど、どこか生物環境なのかさっぱり判らん。出てきてるのはすべて物理的環境に思える。ここで言ってる生物環境とはなんだろう?
T先輩は、毎回同じ事を主張していてえらい。
・河川全体での土砂の動きや収支を考えて、深くした場所の土砂を、きちんと河川内の埋め立てに使うようにはかれ。
・粘土層の分布に合わせて、河床と高水敷と2分ではなく、柔軟に複数の段差を設定して、水深や冠水頻度の多様性をあげよ。
主張はどちらももっとも。でも、毎回スルーされてるよう。やりたくないのか、よほど難しいのか。

ここんところの大きな話題は、中長期的な河川環境の目標設定。その作業はとても大変そうだし、真面目に考えるととても難しい。
上からのお達しで考えることになったらしい。河川の環境をいくつかの類型に分けて、区間ごとにその目標となる環境とその割合を決めるらしい。区間ごとの目標の環境は、過去の環境が“良かった”時代を参考に決めるっぽい。前回は、その目標を希少種や注目種の生息という軸で決めようとして本末転倒と指摘された。今回は、物理環境から過去のデータをベースに決めるプランが出てきた。過去の環境から考える姿勢はいいけど、そっから先は難問山積み。
どんな環境を、流程全体でどのような割合に設定し、どのように配置するか。過去を参考にといっても、ダイナミックに変化する河川環境のこと、いつを目標にしたらいいのか、かりに目標を設定したとして、今後もそのまんまでいいのか。人の関与の有無をどう考えるのか。
こうしてみると、特定の種の生息の持続性だけを目標にする方が、よほど簡単。もちろんそれも真面目に取り組むなら、とても難しい場合が多いけど。一つのため池といった狭い範囲ならともかく、数10kmにわたり河川環境の維持管理の難しさを改めて考えさせられる。
●2021年8月4日 オンライン教員研修

小中学校や幼稚園・保育所・こども園向けの教員研修が実施された。ここ数年この時期に、例年なら対面で実施してきた。昨年は、新型コロナウイルス感染拡大で実施を断念。今年は昨年以上に状況が悪いが、リモートでやりとりするスキルを身につけたのでオンライン実施。
今日は、そのサポート係。接続がうまくいかない教員から電話を受けて、一緒に解決策を模索するのと、グループに分かれて作業する際の質問対応係。
午前と午後のダブルヘッダーで、それぞれ20数名の参加。対面だと100人規模だったので、それに比べると少ないけど、双方向でリモート実施となると、このくらいの人数が適正かと。例年より人数は少ないけど、対応するスタッフ数も少ないけど、教員1人当たりの手間はある意味例年よりかかる。こちらはリモート企画にそれなりに慣れてきたけど、教員側はそんなに慣れていないという現実があるので。

接続サポートは午前と午後にそれぞれ1件。
午前。前日の接続テストでは上手く行ったのに。同じようにやってるのに接続できない〜。と言われる。電話ごしなので、どうなってるのか判りにくい。手順は間違っていないようなのだけど、すでに接続済み的なアナウンスが出るらしい。
とにかく電話口でテンバりまくっていて、どうしようどうしようと繰り返すので、とにかく落ち着いて、もう一度やってみましょう。とか。慌てなくてもまだつまらない挨拶してるだけですよ。とか。言ってもパニクってるので、あまり聞いてないような。接続環境を確認しても問題なさそう。送ったURLではなく、Zoomのサイトから接続してみてもらおうと思ったら、それは難し過ぎるっぽい。
前日のテストと同じことをしてるのに、と繰り返してる。それを聞いてて判った気がした。昨日と今日でURLは別ですよ? 今日のURLが送られるはずだから、ともう一度接続を試してもらったら、接続できた。そういう事だったらしい。
ちなみに、URLのややこしい文字列を、コピペするのではなく、手打ちしていて驚いた。相手が一杯一杯たったので、コピペのやり方を教えるのがためらわれた。
午後。返事が来てないので接続先が判らない。ミーティングIDとパスコードを教えたら、解決。

グループワークの質問対応係は、ぼんやり見てるだけ。午前は、早々と課題をこなした先生が試しに発表してくださったので、コメントしただけ。
●2021年8月3日 大阪のイワツバメの繁殖分布の拡大

少なくとも1970年代や1980年代前半には、大阪府でイワツバメは繁殖していなかった。『大阪府鳥類目録』(日本野鳥の会大阪支部1987)には、こう書いてある。
「府下では主に春と秋、北摂山系や金剛山系で小さい群れが記録される。おそらくショウドウツバメ同様、春と秋の渡りの時期に出現する鳥だと思われるが、春の渡りの確実な記録はない。<中略>金剛山では繁殖期に生息しているので、繁殖の可能性がある。」
今と全然状況が違うので、とても面白い。繁殖していなかったのみならず、渡りの時の記録もあまり多くなかったらしい。
そんなイワツバメが大阪府で初めて(少なくとも近年では、めっちゃ古い時代のことはよく判らない)繁殖が確認されたのは、1988年。金剛山云々の上にはあるが、不思議なことに今に至るも金剛山周辺では繁殖していない。繁殖が確認されたのは、枚方市の天野川・淀川合流点付近。
その後、高槻市。河内長野市の滝畑ダムなどで点々と繁殖地が見つかった。そして北摂の山間部や南河内の山手のあちこちで繁殖するようになっていった。2010年代以降、石川沿いに繁殖地がどんどん下流側、つまり平地の方に拡がってきていた。それでも、大阪府のイワツバメの繁殖分布は、山間部や山手が中心で、せいぜい丘陵地。って感じだった。
ところが今年、堺市のけっこう平野部で繁殖が確認され、驚いた。さらに驚いたのが今日。守口市から繁殖地が報告された。場所は淀川沿いの高架下。7月に見つかったので、出入りが見られた巣は、数巣だけだったらしいが、巣自体は約80巣もあるという。ってことは数年前から繁殖していたに違いない。
守口市のイワツバメ繁殖地は、完全に平野部。というか、低地。となると、もはや大阪府のどこで繁殖してもおかしくないってことになる。この35年ほどで随分変わったもんだなぁ。
●2021年8月1日 リモート企画目白押しの1ヶ月が始まる

明日から8月31日までは、大阪府的には4度目の緊急事態宣言が出るって話。1度目と3度目の緊急事態宣言の時は、博物館は臨時閉館してた。一方、2度目は臨時閉館しろとは言われず。4度目の緊急事態宣言はどうなることかと思ったら、とりあえずは開館していていいらしい。ただ、この調子でデルタなコロナが頑張ると、そのうち収集がつかなくなって臨時閉館しろって話になるんだろうなぁ。デルタは頑張り屋らしいし、オリンピックが終わるまでは放置してもらえそうだけど、その時にどうなってるかがポイントかと。
まあ、デルタはあれなので、人が増えるお盆はさすがに臨時閉館してた方が安全だろうなぁ、とは思う。とくに誘致展の会場が心配。お盆は稼ぎ時なので、痛し痒しではある。
ってことはさておき、8月31日までの対面行事の中止は確定。どっちみち8月の対面行事は中止だろうってことで、早くからリモート実施の可能性が探られていた。どっかの政府とは違って、用意がいいのである。で、リモート行事も1年の経験があるから、いろいろやり方が判ってきてる。おかげで、8月はやたらとリモート企画に関わることに。リモート行事は準備が手間なので、意外と忙しい。とりあえずリストアップすると、
・8月4日 教員のための博物館の日 →基本はZoomで講演会とミーティング
・8月8日 ジュニア自然史クラブのミーティング →Zoomミーティング
・8月15日 室内実習「ホネの標本の作り方」 →リモート実演
・8月17〜21日 博物館実習 →Zoomミーティングとしてリモート実施。事前課題を発表してもらう感じ。かなり忙しい。当初の対面行事の設定より忙しい。
この他に、直接は関わらないけど、オープンセミナーもリモート実施で、YouTube配信。子どもワークショップもリモート実施を予定していたけど、大人の事情で断念。資料配付形式に。
●2021年7月31日 2021年7月のまとめ クジラがやってきた

今月はもちろん大阪湾にやってきた、というか漂ってきたクジラの死体が一番の話題。7月9日に話を聞いて、20日に解体作業。その後始末も含めると、今月の半分はクジラをやってた気がする。その分、他のことに手が付いてない…。
そんな7月を振り返ってみよう。

ルーティンのため池調査、大和川調査は無事終了。
奈良県1コースと京都府2コースのハッカチョウセンサスも実施。今月はさほど遠慮せずに他県に調査に行けてよかった。京都府の2コースは1日で一気に実施した。

ホネホネ団の活動は緊急事態宣言のため、すべて中止。冷凍室がほんとにほんとにやばい。箱詰めしたホネの冷凍だけをおこなった。
そしてもちろん、大阪湾を浮いていたクジラの解体作業。頸椎〜腰椎は現地に埋めるというので置いてきて、頭骨と下顎骨、尾椎、左肋骨など細かいのは回収してきて、ホネ砂場と旧トラックヤード裏に設置。
そのクジラのために、トラックヤード裏に放置していたアカウミガメのホネなどを回収。ホネ砂場のホネもいくつか回収。クジラ絡みがあったおかげで、ジュニア自然史クラブのミーティングも博物館実習もないけど、ホネ砂場の維持はできてる。ただ、クジラのせいで、ホネ砂場が8割方うまってしまった。

担当の普及行事は、対面はすべて中止。鳥の調査の勉強会だけリモートで実施。
大阪鳥類研究グループの活動は、緊急事態宣言が出る前にこっそり出かけた。

大阪アンダーグラウンド展は、ちょうど最終日までが臨時閉館。主担当があまりに悔しがるので、会期を1週間延長して、初日と合わせて8日間だけオープンした。そして月末にはおおむね片付けも完了。

講演は、なし。
委員会関係は、大阪府北部某所のRDB絡みで、予想外に頭を痛めることに。先方は、とても優秀な方で、話がスムーズなのに。なのに。今月は他にも人事絡みで頭を痛める案件が。
査読は1本抱えてるけど、まだやってない。先月から始めた瀬戸内海沿岸のデータ整理は、播磨灘岸まで完了。残りは大阪湾だなぁ、というところでクジラがやってきてストップ。
とまあいろいろあった中、今月読んだ本は、自然史系0冊と、SF9冊。
完全休養日は2日。
●2021年7月29日 オオバナミズキンバイの広がり具合

ため池60ヶ所を自転車でめぐって、水鳥調査。猛暑日に自転車で6時間以上走り回るのは暑い。2.5Lも茶を飲んでしまった。凍ったムギ茶がありがたい。というのはさておき、調査するため池の中に今のところ2ヶ所、オオバナミズキンバイが入り込んでいる。
菅池は2017年に見つかって、2018年には池の周囲にけっこう拡がっていた。2018年には水面の1%程度を覆っていただけだったのが、2019年には3〜5%、2020年には10〜15%を覆うまでになった。今年も今日時点で15%ほど覆っている。今年中にさらに増えるかもしれない。この調子では数年後には、池の大半を黄色い花が埋め尽くすことになるのかもしれない。
一方、大津池では2018年に見つかった。でも、2018年には気付かず。2019年になって、ようやく自分で確認できた。気付かなかった理由は、生えてる場所が水辺ではあるけど、水中ではなく陸だったこと。もう一つはとても狭い範囲だったこと。2020年時点で、覆っている面積は3×5mほど。今日時点でも4×3mほどなのであまり変わっていない。相変わらず陸上だけだし。
水面をどんどん覆って行ってる菅池。陸の狭い範囲に留まる大津池。この違いは何なのがとても気になるけど、いまだ判らず。植物担当も答えてくれない…。
●2021年7月28日 大阪のレンカク

少し前から、堺市のとある池にレンカクが出ていて、これがとても綺麗な個体で、大勢のカメラマンが集まって、みんなで同じ写真を撮りまくっているらしい。というのは知っていたけど、それが毎月調査に出かけている池の一つだとは気付いていなかった。
気付いたのは4日前。わが調査エリアでレンカクが出たのは、2004年に続いて2回目だなぁ。あの池に数百人が殺到したら、そのうち近所の寿司屋やパチンコ屋からクレームが出るに違いない。それより、大勢のカメラマンが陣取っていたら、調査しにくいなぁ。早くどこかに行って欲しい。
と思っていたら、マスコミから問い合わせの電話があった。仕方がないから大阪のレンカクについて調べる。

といっても『むくどり通信』を見返すのは時間がかかるし面倒(レンカクにそこまで興味はない、とも言う)。なので、『大阪府鳥類目録2016』を開いてみる。この本は、2001年以降を中心に、観察記録をまとめてくれているので(情報が多い種は、“重要”な記録だけだけど)とても便利。迷鳥なら2001〜2015年のほぼすべての観察記録が判る。それによると、
・1994年9月 松原市樋野が池
・2004年10月 堺市北池
・2004年11月、2012年10月 堺市大泉緑地
・2011年10月、2014年10月 岸和田市久米田池
近年けっこうレンカクが記録されている。堺市周辺と岸和田市ばかり。9〜11月ばかり。

これに基づいて今回のレンカクを語るなら、
・珍しい鳥だけど、少なくとも近年は数年に1度は出てる。
・堺市に出るのは、まあありがち。
・普通は秋に出るので、7月に出るのは珍しい。
ってところか。

と思ったら、岸和田市の識者から、昨年も7月に泉南ででてますよ〜。と教えてもらった。ちゃんと『むくどり通信』をチェックしておけば良かった。それも今年と同じ7月で綺麗な個体らしい。
もしかしたら、昨年と今年は同じ個体が、同じように間違ってやってきてるのかもしれない。だとしたら、来年も7月頃に大阪にきれいなレンカクが現れるかもしれない。とりあえず、そう予言しておこう。
●2021年7月27日 クジラ解体から1週間 その名残と宿題

先週の今日、朝早く集合して、クジラを解体に出かけた。いろいろ想定通りにはいかなかったけど、なんとか大きな山場を越えることはできた。でも、まだ宿題は残っているし、名残も残っている。

なによりの宿題は、いまだに種名が分からないこと。たぶん頭骨が完成したら、それをきちんと調べれば種名は確定できるはず。でも、それは1年から先のことになる。ということで期待は遺伝子分析。こちらは、むしろ鯨研の宿題で、聞くところでは、今週分析に回すらしい。いつ結果がでるか分からないけど、結果がでたら、計測値とともに報告してくれるとのこと。
あと宿題といえば、いまだ回収していないホネ。頚椎・胸椎・腰椎と、右肋骨の大部分は、解体場所に置いてきた。解体の翌日に土をかぶされているはず。そこでホネにするという設定で、最大2年間設置できるらしい。当初は、この秋にでも回収しにいこうと思っていたが、持って帰ってきたホネでホネ砂場がいっぱいになったので、最低1年は設置しておいてもらおう。暑い時期に回収に行くのはイヤなので、来年の秋、涼しくなった頃に回収かなぁと思っている。
もう一つは、解体時点で失われていた左下顎骨の根元以外。てっきり係留されていた岸壁で落ちたと思っていたが、下見の画像を見る限り、その時点ですでになくなってたかもしれない。でもまあ、岸壁の下に沈んでる可能性も否定できない。無駄骨に終わるかもしれないが、ダイバーに潜ってもらう手配をしてみることになった。見積もりとか、管理者に相談とか、申請とか、こなしとか色々あるけど、頭周りのホネが完ピンになるなら、挑戦してみたい。ただ、ニタリクジラとナガスクジラでは意欲に差がでるかも。いずれにしても涼しくなってからの作業だから、じわじわ準備。

名残といえば、ホネを持ち帰ってきた時は、博物館の裏がクジラの臭いに満ちていたのだけど。ホネを砂場や某所に設置して、カバーをしてしまうと、まったく臭わない。かと思いきや、1週間経ってもなんとなく臭う。臭いのついたブルーシートが残ってるからなだ。これ、ちゃんと洗わないと。あるいは雨が降って欲しいところ。
個人的に一番の名残は、右手のキズ。他のメンバーに熱中症と怪我に気を付けるように、と偉そうに言ったのに、言った当人が真っ先に怪我して格好悪い。右手人差し指の付け根腹側を、長さ約3cm、最大の深さ約5mmほど切り裂いた。現場では水洗いしては、布を当てて、包帯をきつく巻く。というのを何度か繰り返して、作業を続けた。切り口にツブツブしたものが見えるのは、砂がついたのか自分の一部か判らず。帰ってきてからは、水洗いしては、大きめバンドエイド的なのを付けた。2日目には湿度を保つというバンドエイド的なのに変更。毎日水洗いしては貼り替えてた。6日目にバンドエイド的なのを外して乾かして現在に至る。塗ってないし消毒もしていないけど、幸い化膿はせず、熱も出ず、キズはふさがってきた。最初からずっとさほど痛くない。痛くないからうっかり触ってイタタとなる感じ。1週間経ってもキズは開いているが、長さ約2cm、深さ2mm程度になった。全治2週間程度かな。

【クジラ解体から10日後の追記】
右人差し指の着ずはかなり回復した。長さ2cmほど開いてるのは一緒だけど、中の肉が盛り上がり、瘡蓋もできて、もう凹んでない。昨日まで、強く押さえたら痛かったので、おはしが使いづらかったけど、もう普通に力を入れて使える(ちなみにペンはキズに当たらないので問題なかった)。風呂に入ったり、手を洗う時にも、濡らさないように気を遣わなくても大丈夫っぽくなった。ただ、キズの指先側がまだ少し腫れてる。キズは固くなっていて、強く押さえるとさすがに少し痛い。
あと、名残と言えば、まだブルーシートを洗ってない。

【11日目の追記】
トリ先生に、前肢の上側の皮をめくって、指骨の地図を描いてもらった。久しぶりにブルーシートをめくると、虫がいっぱい。臭かった。

【14日目の追記】
右手人差し指の傷は、ほぼ完治した。最初のカサブタがとれて、傷口はキレイになった。残るカサブタは、長さ1cm程度だけ。もう普通に右手を使える。ただ、人差し指で強い力を出しにくく、一番苦手なのはチャッカマン。双眼鏡のピント合わせにも少し気合いがいる。
●2021年7月26日 ウミネコの幼鳥率

大阪湾で見られるウミネコの個体数が一番多いのは夏。冬になると、夏よりむしろ少なくなる。その傾向は湾奥部で一番顕著で、真冬には湾奥部からウミネコの姿がほとんどなくなる。ウミネコの繁殖期は5月〜6月頃だろうか。大阪湾岸にいまのところウミネコの繁殖地はないので、繁殖期には一番個体数が少なくなる。そして、繁殖期がそろそろ終わる6月終わり頃から再び個体数が増加する。その際には、繁殖を終えた成鳥(Ad)、まだ若くてたぶん繁殖に参加してないんだろうなぁといった感じの第1回夏羽の個体(1S)、そして当年生まれの茶色い個体(Juv)が混じる。
今日は、大和川沿いを自転車で走って、水鳥をカウントした。ウミネコの個体数が随分増えてきた。そして、けっこう茶色い個体が混じっている。茶色い個体の割合は、いわば今年の繁殖成功率の指標いたいなもん(いろんな前提はあるにせよ)。それを今年と昨年で比べて見たら面白いんじゃなかろうか? と思ったので試してみる。

今年(2021年7月26日):Ad2387羽、1S23羽、Juv147、不明69羽(遠すぎたり飛んでいて判断できなかった個体)

昨年(2020年7月22日):Ad231羽、1S7羽、Juv2

そもそも昨年は7月終わりに240羽しかいなかったのに、今年は合計2626羽と10倍超え・この違いがまず謎。その内のJuvの割合は、2020年が0.83%、2021年は5.75%。随分違うけど、総数が違い過ぎてて、比較していいものかどうかが判らない…。
●2021年7月25日 実施か?中止か?大阪自然史フェスティバル2021 7月終わり時点での判断

11月第3週に予定していたのだけど。結論からいえば、状況が読めなくて、判断できない。困った。

大阪自然史フェスティバルは、1日数千人が密集して楽しむイベント。広い会場なので密閉度は低いのだけど、密集と密接は避けにくい。
人数コントロールするにも、入口での人数制限が可能か? 申込み制でやるとして、時間帯毎の総入れ替え制は可能か? と考えると、なかなか難しい。
そして、資金的には、お金をかけて準備したけど、中止に追い込まれると、主催団体が破綻しかねない。つまり中止のリスクのある中では、初期投資があまりできない。

そんな条件で、この新型コロナウイルス感染症が収まらない中、数ヶ月先の大きなイベントを企画するのは難しい。
6月時点では、
・ワクチン接種が、このペースを維持して、
・オリンピックが中止になれば
11月にはもしかしたら、対面で、多少密集してのイベントが実施できる可能性があるかもと思っていた。多くの人がワクチン接種を終えてて、新規陽性者数が低く抑えられていたら。ちょうど昨年の秋のように。
とはいえ、できるだけギリギリまで判断を遅らせたい。遅れれば遅れるほど、大規模なイベントは難しくなるので、かつてのような1日数千人を集めるフルスペックのイベントは既に諦めてはいた。が、7月後半になって、事態はさらに悪化してる。

・ワクチン接種のペースは、案の定というか、失速した。都合のいいこと言ってる奴らはいるけど、9月に希望者全員がワクチンを接種するような展開は期待しない方がよさそう。
 →つまり、密集は避けないといけない。入場者制限か、申込み制で、時間帯ごとの総入れ替え制。できるのか?

・まさかのオリンピックが決行された。関係者や日本で陽性者数が激増して、途中で中止に追い込まれるパターンも残っているけど、最後まで決行されるとしよう。その場合、日本の新規陽性者数が増加していっても、オリンピックが終わるまで大々的な対策が打たれる見込みは少ない。たとえ緊急事態宣言が出ても、一方で祭りをしてる中では、その効果は今まで以上に低そう。ということは、オリンピックが終わって、2週間ほど経つまでは、新規陽性者数は増加すると考えた方が良さそう。それまでに死ぬほど増えたら、別だけど。
オリンピック後約2週間で、新規陽性者数が減少に転じるとして、その後、緊急事態宣言が解除できるまでに収まるまでの時間は、ピークの高さ次第。直近のピークでは、2ヶ月かかって、ようやく落ち着いた。つまり早くて10月末。もしかしたら、11月に食い込む。
緊急事態宣言が出ていたらもちろん、アカマンボウでも対面行事は中止。なので、対面でのフェスティバルも実施できない。ちなみに当初予定でも8月22日まではアカマンボウなのが決まってる。緊急事態宣言解除まで2ヶ月、アカマンボウ解除まで2ヶ月。
 →つまり、対面でのフェスティバル実施を見越して、初期投資を始める訳にはいかない。対面での実施は決断できない。

という訳で、今年のフェスティバルの選択肢は、すでに
・規模小さく、申込み制で、対面実施
・リモート企画
の2択しかない。どっちにするかは、できれば9月に決断したい。でなけりゃリモート企画にシフトするしかない。
●2021年7月24日 神戸のツバメの電線ねぐら

神戸市には、いつの頃からは知らないけれど、ツバメの集団ねぐらが電線に形成される場所が何ヶ所かあるらしい。そのうちの1ヶ所を、数年ぶりに見に行った。サークルでの少人数の観察会なので、ツバメが集まらないと困る。という訳で、早めに行って、軽く下見。
スズメやムクドリと比べると、ツバメはあまりねぐらの下に糞を落とさない。乱舞してる下にいても、ほとんど糞は落ちてこない。それでも、少しはねぐらで糞をするので、下を見て電線の下に糞が並んでいれば、そこをねぐらとして利用してることが判る。明るい内に、下見をしておけば、ツバメが集まりそうか、どこに並びそうかを、だいたい予想ができる。もちろん糞が長く残ってるだけの可能性もあるから、100%信頼は出来ないけれど。
とりあえず、ツバメの糞は並んでいたので一安心。と思ったが、観察会的には大きなミスが2つ。駅の改札口が2つあった…。そして、集合時刻が早すぎた。普通、ツバメの集団ねぐらを観察に行く時は、日没時刻の1時間前には着くようにしてる。現地の様子を確認して、ツバメの解説をしながら、塒入りする他の鳥を見ながら、徐々に集まってくるツバメを見る段取り。でも、ここは他の鳥がいない。周辺で飛んでいても建物で見えない。だから、日没時刻集合でもいいくらいだった…。
とまあ、観察会的には反省が多いけど、ツバメはちゃんと集まってくれた。集まった。日没少し前から周辺をチラホラ飛び始め。少し向こうのアーケードの上の電線にとまりはじめた。日没時刻から数が増え始め、結局電線に並んだツバメは約370羽。電線に並んだのを数えるだけだけど、動くし、変な場所にとまってるのもいたりして、意外と数えにくい。空が暗くなると、高い電線にとまったツバメが見にくい。まあ、400羽弱ってのは確かだろう。
最初にとまっていたアーケードの上の電線のは、最終的にはいなくなった。電線にとまりだしてからは、上を見ながらウロウロして、何度も何度も電線にとまってるツバメを数えた。気を付けていても、通行の人の邪魔になり、車にひかれそうになる。地元のみなさん済みませんでした。
ずーっと上を見てる人たちは、たとえたった4人でも目立つらしく、何をしてるのかと最初のうちは訊ねられた。ツバメが増えてくると、何を見てるのかは判るので、質問はなくなった。あとはそれに気付いた人の発言が面白い。地元の人には、ツバメが集まるのを知ってる人も多いらしく、毎年この季節はよくいっぱい集まってる。という声が聞こえてくる。あれ何?ツバメ?ツバメって集まるの?という声もあったりする。コウモリだ!と言ってた人もいたらしい。
●2021年7月23日 大阪湾岸のウ類の分布

大阪湾岸のウ類と言っても、大部分、いやほぼすべてカワウなんだけど。少しだけウミウやヒメウの記録もある。以前は記録もある、って程度のとても稀な鳥だったはずなのだけど。数年前から、夢洲のカワウの集団ねぐらでは、時々記録される。岬町の深日漁港ではけっこう記録されるようになっている。昔と比べると増えてるんだろうなぁ、と思ってた。
2020年度の冬、大阪湾岸をほぼすべてチェックして、カモメ類の生息状況調査をしたのだけど、ついでに他の水鳥も記録した。カワウはもちろんのこと大阪湾岸全域に生息してるんだけど、淡路島にはあまりいなかった(かつて漁港に集まっていた群れがいなくなっていたのが大きい)。ので、大阪湾岸でのカワウの分布は東半分に多いという結果になった。ウミウとヒメウはというと、思ってた以上にあちこちで記録された。もう稀ではなく、分布してると言っていいレベル。
ウミウとヒメウの記録された場所は淡路島南部と泉南地域に分かれた。そのデータを南から並べると、

【淡路島南部】
・成ヶ島南東の今川口:ウミウ3羽
・成ヶ島北西の新川口:ウミウ12羽、ヒメウ1羽
 →そういえば、10年ほど前にも今川口の沖合には、よくヒメウが浮いてた。

【泉南地域】
・とっとパーク小島:ウミウ1羽
・深日漁港:ウミウ31羽、ヒメウ1羽
・長崎海岸:ウミウ2羽
・淡輪港:ウミウ16羽
・尾崎海岸:ヒメウ4羽
・岸和田貯木場:ウミウ2羽
 →そういえば、10年ほど前にも深日漁港ではよくウミウが出ていた。

面白いことに和歌山県側ではウミウは記録していない。ただし、友ヶ島は調査できていないので、あの場所にいっぱいいた可能性はある。10年ほど前にも湾口周辺ではウミウやヒメウが記録されていたが、今回の結果は、個体数が増えてるし、分布も北に拡がっている。
●2021年7月22日 クジラのホネの大きさ

一昨日持って帰ってきたクジラのホネを砂場に並べた。臭い物を触ったので、また体が臭くなった。
並べるにあたって、大物くんの大きさをざっと計測した。頭骨は長さ約3.3m、最大幅(というのは一番根元)は約1.7m。一つながりの尾椎はやや曲がりつつも、長さ約3.6m。下顎骨は長さ約3.0m。肩胛骨の最大幅は約1.1m。橈尺骨から先の前肢の長さは約1.2mだった。
このクジラのために用意したスペースは、およそ4m×4m。なので割と余裕で並ぶ。このクジラの全長は11.2mなので、残してきた頚椎〜腰椎の長さは、4.3m。一つながりでも、持って帰ってきたら並べることはできた。ただ、今は雑に頭骨と尾椎を設置したので、残りを並べる隙間はない。レッカー車がいないと、頭骨も尾椎も動かせないから。尾椎は仮置きのつもりで入口近くに置いたので、ちゃんと置き直そう。と思ったけど、これも重くて、一人では引きずるのも挫折した。仮置きのまま放置…。
という訳で、並べたと言っても、並べたのは、肋骨、左前肢、肩胛骨だけ。肋骨が長いくせにボキボキなので、平たく並べざるを得ず。想定外に場所をとった。頚椎〜腰椎を連れて帰ってこなくて正解だった。持って帰ってきたものは、すべて砂場に並びそうだったけど、砂場のスペースに余裕がないと困るので、寛骨や舌骨は、別の場所で、タンクの中に入れてホネにする。咽頭の軟骨を回収してきたはずなのに、見つけられなかった。どうしてだろう? 咽頭というのが勘違いだったのかな?

【追記】
翌23日、謎の咽頭問題が解決した。切り開かれていたので気付かなかった。そして、舌骨に紛れていた。
これで、とりあえず一夏は放置でどうにかなるはず。ただ、どこかのタイミングで、V字骨の様子を確認するのと、トリ先生に前肢の上側を一皮剥いて、ホネの配置を記録して頂く必要がある。
●2021年7月21日 クジラ解体後始末

昨日、解体作業で疲れた。から、参加者は今日はお休みかな。と思ったら、参加した学芸員の大部分は出勤してる。みんな元気だなぁ。
そういえば、昨日、解体作業を終えて帰ってきたら、すぐに帰って風呂入って寝たい。と思ったのに、みんな、せっせと道具類を洗って、長靴を洗って、テントやレンタカーの後始末をして、となかなか帰らず、作業をしている人多数。仕方なく、一緒に作業した。みんな元気だなぁ。と昨日も思った。
それでも、まだ後始末は残ってる。

朝、解体作業の時に着ていた。Tシャツ、ジーパン、靴下をお風呂で洗った。昨晩からの浸け置き洗い。夕方確認したら、Tシャツはさほど臭いもなく綺麗になってたけど、ジーパンと靴下はまだまだ臭かったので、再度浸け置き洗いへ。
博物館に行ってみると、博物館の裏がかなりクジラ臭い。博物館の裏は、トラックヤードを介して、すぐに本館展示室なので、展示室にまで臭いが漂う恐れがある。やばい。と思ってたら、こんな日に限って、トラックヤードのシャッターを開けて、悠然と廃品回収のおっちゃんが作業。慌てて、早く作業を終えてシャッターを閉めるように圧力を。
でも、時はすでに薄く遅く。判る人には判るクジラ臭が、本館のホールにただよってる。クジラを展示してる博物館の展示室にクジラ臭が漂うのは、いっそ臭いの展示と開き直ってもいいような気がする。でも、一部の人しか理解してもらえないだろうから、博物館の裏の臭いものにフタをする。
とりあえず、小物の肉付きのホネをタンクに隠して、厳重にカバー。臭いブルーシートは早く乾くように、広げて日に当てる。

これで一段落。と思ったが、まだ自分の周りからクジラ臭が漂ってくる。帰ってきてからの作業で、綺麗なはずのズボンも臭ってる気が…。手の指からももちろんクジラ臭。たぶん私が触るものすべて、うっすらとクジラ臭スタンプが押されていることだろう。そして、博物館全体にうっすらとクジラ臭。
そして後始末と言えば。この10日ちょっとの間は、ずっと頭の中の大きな部分はクジラが占めていて、あちこちに電話したり、書類作ったり、状況説明したり、準備考えたり。その間、いろんな仕事を放置していた…。一仕事終わったし連休だから休みたいのだけど、まだ休めない。
●2021年7月20日 大物解体本番

想定した困難もあり、想定していなかった困難もあったけど、とりあえずはそれなりに解体して、ホネを確保することができた、あるいはできそう。反省点はいっぱいあったけど、多くの人にサポートしてもらえたので、そして偶然の助けもあってなんとかなったような気がする。でも、今後に向けて反省はしておいた方がよさそう。

朝の心配は、全員が朝早い集合時刻に間に合うか。とくに車が来ないと困る。そして出発したらしたで、飲み物の買い出しにトイレと寄り道して、少し到着が遅れて心を痛める。幸い、先方はもっと遅刻してきた。
現地に到着したら、道具を下ろす前に、テントを設営して、他の者はブルーシートを片付けて。トラックとレッカー車が後から来るから、テントは手前がいいのかな。とまた心配してたけど、割とスムーズに進行。午前9時半には解体作業を開始できた。
測定はすでに出来ていたから、さっそく解体作業。要領の判ってる経験者、団長、萌蔵、おいらの3人が刃物を持って、それぞれに引っ張り棒を持った者1〜2名についてもらう。団長は、前肢、胸骨、寛骨を回収。萌蔵は、腹側から皮剥いて内臓だして。おいらは、背中側から皮剥いて、椎骨上側の肉を取り外す。
と、作業を始めて割とすぐに、新鮮な刃物で、右手人差し指付け根を切り裂いてしまう。前日に全員にケガしないようにと偉そうに言ったのに格好悪い。長さ3cmも切り裂いて、血がダラダラ出て、断面の繊維質のツブツブまで見えて、ちょっと引いたけど、リタイヤするわけにはいかないので、平気な顔で、とりあえず水で洗って、切り裂いたタオルでグルグル巻きにして、作業続行。
午前中の最初は風がなくて、とにかく熱かった。ケガしたのもあってか、今年はあまりフィールドに出れてないからか、暑さにバテ気味。ちょっと悔しい。

前肢、胸骨、寛骨はスムーズに回収されたけど、その他の作業には手間取る。皮剥いて肋骨を外してと思ったら、肋骨がボキボキに折れている。内臓が胸郭からはみ出してる。右肋骨が変な場所に顔を出し、腰椎の横突起も折れてる。という訳で、左肋骨の回収にやたら手間取る。
もう一つ想定外は、11.2mはやはり大きかった。肋骨回収のためにも内臓を取り出したいのだけど、難しい。全然動かせないので椎骨を外すのも難しい。午前中の作業2時間半は、大きめのホネは、左肋骨の2/3を回収しただけで終わった。

午後からは、風が出てきてかなり楽になった。テントがあったのも助かった。そして凍った飲み物や、水を大量に持ち込んだのも良かった。すべて萌蔵の手柄である。主担者は、最初にケガして、暑さにへばってるだけであまり役に立たない。
大人の事情で、この場所にホネを多少なりとも残しておいて欲しい、と言われていたので、それに甘えることにした。小さい骨以外に、頭骨、下顎骨、尾椎はなんとか持って帰るが、頸椎〜腰椎と右肋骨はここに残置することに。
と決断すると、少し気が楽になって、午後からの作業を頑張る。車で引っ張ってなんとか尾椎を切り離し。下顎も外した。頭骨は外しきれないので、レッカー車待ち。ということで、午後の作業は午後0時30分〜午後3時の2時間半。

午後3時にトラックとレッカー車が到着。まず頭骨を吊り上げ、皮と肉を切り離し、トラックに積み込み。次いで尾椎を吊り上げて積み込み。そこに下顎骨1本と、左肋骨達、その他小物を並べたら、トラックはいっぱいになった。頸椎〜腰椎を残置する決断はその意味でも正解かも。
でも、詰めれば全部載せるのも無理ではなかった。もう少し時間があれば、レッカー車で吊り上げて、切り離して全部持って帰れたかもなのに。でも右肋骨が残るから無理かぁ。といろいろ思ったけど、タイムリミットがあるのでやむを得ない。
午後5時には絶対にゲートから出ることと言われていた。積み込み30分ちょっと、撤収30分ちょっと。すべての車は午後4時半にはゲートから出ることができた。約束通り。

午後6時頃、臭いクジラとともに博物館に帰着。すぐにホネ砂場に下ろす。4m×3mほどのスペースをあけてあったけど、頭骨と尾椎を並べると割といっぱいいっぱい。やっぱり頸椎〜腰椎を持って帰ってこなくて正解。
ってことは、この大物を回収しないと、残る頸椎〜腰椎も持って帰ってこられない。今年の秋に続きを持ち帰ろうかと思ったけど、来年の秋かなぁ。
ともかく、残置できる設定になっていて、結果オーライ。よくいえば臨機応変に対応できたけど、実のところは偶然なんとかなっただけ。いつもだけど見込みが甘かった…。毎回反省してる。
●2021年7月19日 祭りの前日

主担当の時の特別展オープン直前は、プレッシャーが半端ない。でもまあ、ギリギリまで準備作業があるので、オープン前日でも落ち着かないけど気は紛れる。むしろ間に合わない〜、というプレッシャーは強いけど。そしてオープンしてしまえば、それなりにトラブルシューティングがあっても、なるようになるさ、って感じで割と気楽。
主担当の合宿直前は、準備がいろいろ忙しいけど、本番前日にはできることは終わってるから落ち着かない。でもまあ、合宿が始まってしまえば、トラブルシューティングはいろいろあるけど、それなりにプログラムは進んでいくので、なるようにはなる。
フェスティバルの主担当もプレッシャーが大きい。前日も準備で忙しい。というか、前日こそが準備で忙しい。でも、始まってしまえば、これまたトラブルシューティングに走り回ることになるけど、なるようになって、時間がきたら終わる。
クジラの解体も主担当になると、かなりプレッシャーがかかる。段取りが判ってるようで、毎回違うのが大きな要因。クジラの大きさも毎回違うし、交渉相手も違うし、解体場所も違うし、天候も毎回違う。まあ、だいたい暑い時に作業する羽目になるけど。そして、前日ともなると、おおむね手配は終わってはいるんだけど、なんか段取りや準備を忘れてないかと、落ち着かない。その点でちょっと合宿に似てる。でも、本番になってからこそ、体力的に頑張らないといけないという点が、他のどれとも違ってる。無事に終わるか心配で、これまた落ち着かない。

明日が、クジラ解体の本番。今回は、解体自体と同時に、熱中症という心配事が増えた。今まで体験した中では一番大きいのも心配なところ。
一方明るい話題は、今度の作業の場所は足場はしっかりしてる。肉や内臓を切り分ける作業はしなくていい。そしてマッコウクジラのように皮は固くない。そして、刃物を使える人が、3人以上いる。
なんとかなるかなぁ。ちなみに近年の経験からすると、全長3.6mのマゴンドウの解体は3時間(刃物を持ってたのは2人)かかった。全長8.6mザトウクジラの解体には4時間(これも切ってたのは実質2人)。大きさは変わっても、作業工程は変わらないので、それほど時間は変わらない。全長11mちょっとなら、5時間あればできるかなぁ。ただ握力の限界が4時間ほど…。

祭り前日の今日は、現場で対応してくださる港管理の部署の方、そして運送会社の担当者さんと、何度も電話のやりとり。内容は、おもに立ち入り禁止エリアへの入り方の確認。
あと、テントを借りられたので、立ててみた。とても簡単で広い。とても良い感じ。また別の機会にも借りたいなぁ。
●2021年7月18日 夏の夢洲へ カワウの集団ねぐら調査だけど、コアジサシもチェック

今日は、夢洲のカワウの集団ねぐら調査へ。本当は明日の予定だったんだけど、明日は大物処理の前日で、いろいろ用事があるので、無理を行って日程を変更していただいた。
近頃、なにかとマスコミをにぎわす夢洲。気になるコアジサシの営巣とか、大阪府唯一のカワツルモとか、淀川では減ってしまったウラギクとか。いろいろ気になるものがいる。いろんな方面からその様子はうかがっているけど、それを自分の目で見られる機会でもある。
このカワウの集団ねぐら調査は、もう10年くらいメンバーに入れていただいていて、年に3回夢洲に通ってる。いろんな計画が持ち上がる前から夢洲を知ってることになる。今になってそうした経験が、ここ数年に持ち上がった出来事を考える上で役に立っている。あと、2013年の大阪湾の特別展のために大阪湾岸の鳥を調べまくったこと。2017年の瀬戸内海展のために瀬戸内海のあちこちを回ったことも、広めの視点で話をする上でも役に立っている。
言ってみると、約束通りコアジサシが今年営巣したエリアの工事をせずに維持されていて一安心。それどころか、「コアジサシ保護エリア」という大きな看板が2ヶ所に立っていて、“私たちは絶滅危惧種コアジサシを見守っています”てなフレーズが書いてある。どうせ保全考えないといけないんだから、むしろ宣伝に使おうというのは正しい考えだと思う。この看板を誰が見るのか?という点は気になるけど。
肝心のコアジサシはといえば、時々1羽くらい飛んでるだけ。カワウ調査の定点の担当がちょうど「コアジサシ保護エリア」の看板の前だったんで、2時間半定点観察したことになるんだけど、おりてるコアジサシは1羽も見なかった。時々コアジサシが1羽上空を通過する。1度だけ9羽の群れが通過した。今年の営巣は終わったんじゃないかなぁ。8月になったら工事を開始すると言ってたと思うけど、問題なさそう。
ちなみにカワウの集団ねぐらも集まりが悪くて、調査は暇だった。北側の水域が埋め立てられて、落ち着いて寝られなくなったのかな?
●2021年7月17日 二度目の下見

大物くんが、ようやく陸揚げされるというので、二度目の下見。
朝、係留されていた某所で吊り上げて船に乗せ、堺で大きなトレーラーに丸ごと乗せて、解体作業をする場所に運ばれた。20tのトレーラーから下ろされたのが、午後1時過ぎ。その後、東の国から来たプロの指導のもと、計測チームが計測するのを、下見にきた解体チームは野次馬的に見学。今日の所は、ブルーシートをかけて帰ってきた。ちなみに現地では、すっごい大きなブルーシートが用意されていて、11m超えの死体が、1枚で余裕を持って包めた。こんなでっかいブルーシートを3枚も用意してるとは。

でっかい死体が吊り上げられて下ろされるのを見て、盛り上がって帰ってくるだけなら、楽しいのだけど。今日は、解体作業本番のための下見なので、ぼやぼやしてられない。
日陰、水、トイレなどの手配をどうしたらいいかをメンバーと相談し。立ち入り制限エリアに入る段取りや、朝の作業開始時刻を、担当の方と打合せ。解体時の肉や内臓の処理などについて、指示を受ける。

地面に横たわった大物くんは、水に浮いてる時より大きく見える。10m超えるのの解体は初めてなので、ちょっと不安。とても暑そうだし。
東の国のプロは、係留場所での積み込みから付き添って指示をしてくれてた。パーツなどが落ちないように、全体を丁寧にすくい上げてくれたという。下ろす時も、頭を壊さないように配慮してくれた。みなさん好意的でとても助かる。

係留されていたのは6日間。係留直後に見たときですでに、頭骨と下顎骨は肉がとけて露出していた。6日間の間に、頭が落ちないかが一番心配だった。が、頭は無事に運ばれてきていた。ただ、下顎骨の1本が落ちたらしい。他はそろってそうなのに残念(右の前肢は舌になってて判らないけど)。
解体が終わったら、今度は下顎骨の回収を考えたくなるだろうなぁ。
●2021年7月16日 裏にあったアカウミガメのホネ回収

昨年9月5日に姫路港にもらいにいったアカウミガメ。家島であがった奴。内臓を取り除いて、萌蔵にカメフジツボを回収してもらった後、パーツに分けてカゴに入れて、タンクに入れて、博物館の裏に放置した。ブルーシートをかぶせてあったので、ぜんぜん臭くない(当社調べ)。で、気持ちよく忘れてた。時々目に入って、ちょっと邪魔だなぁと思ったり。裏で作業する時、邪魔なので少し動かしたり。
春になって暖かくなって、そろそろ回収しなくちゃ。とは思ってたけど、面倒なので放置。まだ1年も経ってないし、が放置の言い訳。でも、大物くんが漂着して、大きなブルーシートが欲しくなってきた。ウミガメにかぶせてる場合じゃない。ってことで、重い腰を上げて、アカウミガメの骨を回収した。
ブルーシートの下と言えば? そう。ゴキブリ天国。例によって、成虫が5匹くらい走り回る。脱出を計るのを次々と踏みつぶすが、1匹だけ飛んで逃げた。飛べない幼虫はもう少し鈍くさい。これも順番に倒していく。手足ごとに寒冷紗に載せられて、カゴに入ってるのは、いったん水に付ける。するとクロゴキブリ、アカアシホシカムシ、ハラジロカツオブシムシ、クモ類などが出てくる。ゴキブリは倒し、他は逃がす。やたらとたくさんいる大きめの幼虫の正体がよく判らない。少なくともゴキブリやカツオブシムシじゃない。とにかくそいつが多くて、鬱陶しい。此奴は、ホネにも潜り込むらしい。
という訳で、なんとか回収。ホネの中に潜り込んだ虫を殺すためにも、しばらく水漬け。虫がホネに入ってしまっているのから判るように、回収が少し遅かった。背甲はもちろん、頭骨もバラけてしまった。展示用ではなく研究用なので別にいいのだけど、できれば頭はバラけないで欲しかった…。ウミガメは少し油断すると(あるいは面倒がると)バラけてしまうので、苦手。苦手だから、一層放置しがちなんだけど…。
とりあえず冬をはさんでも10ヶ月半は、アカウミガメの放置期間としては長すぎ。と覚えておこう。
●2021年7月15日 セキレイ類3種の繁殖における雌雄の分担

マスコミから、問い合わせがあった。神奈川県の山手の住居で、約2週間ぶりに窓のカーテンを開けたら、窓ガラスと雨戸の間に鳥の巣があって、小さなヒナが数羽。で、その取材をしてるんだけどってことで、セキレイ類の繁殖についていろいろ訊ねられた。いきなり訊ねられても答えられないことも多いので、『原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>』を引っ張り出してきて回答した。
種が判らずセキレイ類ってことだったので、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイの3種を調べた。調べたのは主に繁殖段階ごとの雌雄の参加の仕方。意外な点が2つもあった。

ヒナへの給餌は雌雄ともにおこなう。ってことは、一夫一妻の多くの鳥に共通する。一夫多妻でも、オスが給餌にどの程度貢献するかが重要ってポイント。多くは一夫一妻のセキレイ類は当然雌雄ともに参加するはず。と思った通り、3種とも雌雄協働で給餌を行う。

抱卵は、ハト類など一夫一妻の非スズメ目鳥類では、雌雄が分担することも多いと思う。でも、スズメ目は一夫一妻でもメスだけが抱卵というのが多い。むしろメスだけ抱卵が基本だと思っていた。しかし、セキレイ類3種は、いずれも夜間はメスだけが抱卵するけど、日中は雌雄ともに抱卵するとのこと。これが最初の意外。

造巣のパターンは、スズメ目の中でもいろいろ。カラスのように雌雄ともに巣材を運んできて、それぞれが勝手につくってる感じなのがいれば。ヒヨドリはメスだけが巣材を運んで巣をつくり、オスはメスの後をついてまわるだけってのもある。ちなみに非スズメ目だけど、カワウやキジバトは、オスが巣材を運んで、巣場所で待っているメスに渡し、メスが巣を組み立てる。
セキレイ類3種は、キセキレイとハクセキレイは雌雄ともに巣材を運ぶとあるのだけど、セグロセキレイはメスだけが巣材を運んで巣をつくり、オスはメスの後をついて回るだけのヒヨドリパターン。これはとても意外だった。なにより同属の3種でパターンが違うってところに驚いた。
近縁3種で変異があるなら、根拠はないけど、それぞれの種内でも変異があったりしないんだろうか? 誰か調べてるのかなぁ。セキレイ類の繁殖行動はさほど熱心には調べられていないので、まだまだ研究の余地があるのかも。
●2021年7月13日 調整待ちの2日間

昨日、大物を連れて行かれた岸壁に下見にいった。陸揚げして、あとは解体処理の段取りを考えるつもりだった。でも、大人の事情で、そこに陸揚げできなくなった。あとは担当の方が苦労するのを見守る時間。どこに陸揚げするのか、どこで解体するのか、そのための船や道具はどこで調達するのか。問題山積み。
でも、こちらはこちらでショックなことが2つ。大物は聞いていたより大物だった。岸壁の上からざっと計っただけでも、聞いていたのの約1.75倍。作業がとたんに大変なことに。
もう一つは、すでにかなりとろけていること。頭はすでにホネがおおむね露出。下顎も同様。はやく引き上げないと逃げてしまうそう〜。
とりあえず、陸揚げする場所は決まった。が、運ぶ手段と解体する場所は手配中。最短で14日に陸揚げ。という段階で、昨日は解散。だとしたら作業は16日か?

今日、担当の方から運ぶ段取りがまだ未定との連絡。運ぶ日は、14日かと思いきや、直近で19日にずれ込むとの連絡。担当の方は、あちこちとの調整がとても大変そう。というのはさておき、状況が二転三転して、話がどんどん後ろにずれ込んでいく。頭と下顎が外れて沈まないかが心配。
とにかく運ぶ手段と日程が決まるのを待つしか無い。こちらの人手と運送屋さんの手配は始めているけど、日付が確定しないと動かせない。トリ先生は道具を準備しはじめ、萌蔵は道具を作り始める。こちとらは、妙なプレッシャーがずーっとかかってる感じで、仕事が手に付かないし、なんか気持ち悪い。

【14日の追記】
ついに運ぶ手段が確保されて、日程も17日と決まった。しかし、これまでの展開からすると、まだどんでん返しがあるのか? そして解体作業はいつになるのか? 相変わらずプレッシャーがかかったまま。胃が痛い、と書いてみたいけど、あいにく胃は痛くない。
●2021年7月11日 大物くん、ついに接岸

クジラの死体は、誰も引っ張ってきて陸に上げる気はないようだから、まだ、しばらく浮いてウロウロしているんだろうなぁ。回収できるとしても1週間以上先かなぁ。あまり時間が経つとドロドロになってホネが逃げてしまうなぁ。と思っていたら、昼過ぎに電話があって、事態は急展開。
電話してきてくださったのは、一昨日電話をくれた神戸方面の方。今日の午後に、大阪の港湾を管理する部署が回収するらしいとのこと。放置すると廃棄処分されるんじゃないかと聞いて慌てた。急いで、WTC辺りのそれっぽい場所に電話してみる。うちじゃないと言われたけど、こっちじゃないかと電話番号を教えてくれた。すぐにそっちに掛けてみると、うちじゃないけど担当者はわかるので、連絡するよう伝えてくれるとのこと。思えばここから、ひたすら連絡を待つ日々が始まった。
夕方になって担当の方から電話があった。まさにこの案件の責任者であちこちに連絡して調整しまくっている方だった。で、ホネを標本として引取たい旨を伝える。対応してくれそうな手応え。というより初めての事案なので、処理方法を知ってる人を求めていたっぽい。そして、2009年にマッコウクジラの処理のことは何となく聞いていたらしい。という訳で、ホネは標本として引き取れば、あとは肉の処理だけの問題になる。解体もこちらで担当できると説明。

とりあえず今日中に漂流してるのを確保して、運ぶという。運び先で苦労していたようだけど、なんとか決めて、夕方無事に確保したとの連絡。夜、確認の電話を入れたら無事に予定の場所に運べたという。ただしまだ海中にあって、陸揚げは明日になるだろうとのこと。
という訳で、作業場所とクジラを明日12日に下見に行く事にした。
●2021年7月10日 クジラの気配

昨日の夕方、神戸方面の海上の安全を守るお役所の方から電話があった。現在、神戸沖にクジラの死体が浮いていると。神戸沖ってどの辺りかと訊ねたら、神戸空港の南約10kmとのこと。地図で見たら、神戸沖というより、大阪湾の真ん中。
大阪湾の海流は、時計回りだけど、真ん中辺りはどう動くんだろう? 隣で萌蔵が海流の図をながめている。南北に動くのかなぁ、とか言ってる。
電話をかけてくださった方は、なにわホネホネ団に電話してこられたらしい。そして、以前マッコウクジラやザトウクジラの処理に関わったことを聞いてかけてきた様子。で、どうも浮いてるクジラを回収して、解体処理してくれる団体と思ってるふしが…。船は持ってないから、どこかにあげてくれたら解体してホネを持って帰る団体だと説明。どこにあげるのか?と訊ねたら、とりあえず流れ着くの待ちらしい。

今日、クジラの死体が報堂に出てる。8日に淡路島の津名港沖で見つかり、その後見失われたんだそうな。
クジラの死体がフラフラしているので、関空ー神戸空港のベイシャトルが欠航になったそうな。
そのクジラの死体は、今日は関空のすぐ北東辺りに浮いてるという。こうした大きな物が浮いてると危険なので、海上保安庁の海の安全情報(https://www6.kaiho.mlit.go.jp/)ってサイトの緊急情報のところに詳しい位置がアップされるので、日々位置を追跡できて便利。ってことを、今回学習した。現在、死んだクジラが浮いてるのは、大阪湾だけらしいけど。
●2021年7月9日 リモートの手羽先実習の可能性

アカマンボウが8月22日まで延長になった。したがって、8月22日までの対面行事は中止。今年も子ども向けの手羽先実習が対面では、できなくなった。で、どうするかを昨日から検討してきた。選択肢は、あっさり中止、候補はリモートでの通常実習の実施、別の形でリモート実施の3つ。
あっさり中止は、とても簡単な解決法なのだけど、コロナ禍に負けた感が悔しい。そして、リモートに移行できる行事はリモートの可能性をさぐろう!と言って来たのに反する気がする。ナイトミュージアムにはセミの羽化のライブ配信したらええやん、って気安く言ったしなぁ。そして、この5月には子どもワークショップも工夫してリモートで実施してる。少なくともリモート実施の可能性を探らないわけにはいかないだろう。
手羽先実習を、リモートで、対面と同じようにやってみる。ってことは、昨年企画した。結果的にはスタッフが自宅待機になって断念した。昨年は、リモート経験値が低く、とにかくなんでも試してみようって感じだった。しかし、一年の経験があるといろいろ判ってしまう。リモートで通常通り手羽先標本を作ってもらうのは、参加者側が材料、道具、薬品、場所を準備しないといけないので、ハードルが高い。だからだろう。昨年も申込み18名中リモートを希望したのは3名だけ。ニーズが低め。3名に対応するのに、こちらは5名は必要で、参加者がそんなレベルでは、ちょっと物足りない。さらに大きな問題は参加者側のカメラ。全体だけでなく、手元をアップで写せるカメラがないと、細かい指導はできない。また、その解像度も問題になる。解像度の問題があるので、リモート標本同定会を断念してきたという経緯がある。
という訳で、昨日は中止に傾いてたのだけど、昨日の夜、ふと思いついたのがライブ実演。資料を塒前配布しておき、解説しながら、手羽先の骨格標本作りを見せもらう。そして質疑応答。これなら、こちらのカメラをきちんとセッティングすればできる。講演会と同じだし。参加者側の準備はいらないし、カメラの問題もない。時間も2時間程度にまとめられる。
という訳で、リモートでのライブ実演という方向で進めることに。まずは申込者に希望者がいるかを確認。今年の申込者は30名越えだけど、希望者が多くても別になんとかなるのもメリット。録画しておけば、恒久的なコンテンツにもなるかな?
●2021年7月8日 博物館実習 リモート実施への準備

アカマンボウが延長されるらしい。と耳にしたのが昨日。でも、まあ7月末までかな。と思ってたのに、一夜明けると(というか昨晩には)来月22日までと、いつになく大盤振る舞いという話に。行事が〜、博物館実習が〜、冷凍室が〜。という訳で、まだ未確定だけど、その対応に動き始める昼下がり。
博物館実習は、リモートで実施するしかないだろう。今年の1月も緊急事態宣言の中、リモートで実施した。それなりになんとかなったので、今回もなんとかできそうではある。ただ、1月は12名だったのに対して、今回は22名も学生がいる。こんなに大勢を相手できるのか?というのが一番気になるポイント。
とりあえず1月に担当した学芸員に、22名でも同じプログラムができるかを確認してみた。オリエンテーションを除き4名の学芸員の内、2名は大丈夫、もう1名もなんとかはなりそう。残る1名も、準備が大変になるけど、できることは出来る。という回答。とりあえず一安心。
でも、人数は10数名程度の方がやりやすいに決まってる。1月の実習生からも、リモートよりは対面でやりたかったという声が上がっていた。1月では日程調整は無理だけど、8月ならまだ日程調整も可能。秋や冬日程に変われば、対面でできる可能性も高まる。
という訳で、大学に、学生の意向確認を依頼した。秋や冬に日程変更するか、夏のリモート実習を受けるか。あと学生のメールアドレス、Zoom利用の可否などもついでに確認。この辺りは、1月の時にも意思確認をしているので、手慣れてきた。
●2021年7月8日 ケース移動に材木運びに草刈り 肉体労働の日

今日は、午前も午後も肉体労働の日。
午前は、特別展のケースの撤収。すぐに次の誘致展の設営がはじまる。誘致展では、時前のケース類を使うので、こちらのケースを片付ける必要がある。特別展示室のすぐ横にケースを片付ける場所があればいいのに、管理棟をはさんで反対側にある。だもんで、廊下をがらがらと移動させないといけない。さらに管理棟と特別展示室の間には段差があるので、一台ずつリフトに乗せて下ろさないといけない。面倒。だもんで、日を決めて、学芸員総出で作業。みんなでてきぱき作業すれば午前中で作業完了。
午後は、外にある材木や板を運び込む作業。本来、半分屋外のようなエリアに置いてあったのだけど、3月に工事が入ったので、外に放り出した。そのままでは木が腐ってしまうので、この肉体労働の日に元に戻そうという訳。重いケースを運んで、材木や竹や板をケースに戻す。わずか4ヶ月ほど屋外にあっただけなのに、シロアリが巣を作っていて驚いた。シロアリが定着するのは5月のことなんだそう。1ヶ月半でここまで増えるとは! 家がシロアリにやられるのも頷ける。せっかくなので女王シロアリが見たいな、ということでハチ・アリ担当が作業から離脱して探していたが、見つけられず。なかなか手強い。
午後は、さらに勢いで博物館の裏の草刈。草刈機2台が投入され、その他の者はカマをもって草刈。上だけ刈ってもすぐに生えるので、とくにセンダングサ類は抜いて回った。さらに勝手に生えて困ってるニレは、ノコギリでできるだけ根元から切った。
他のみなさんが、まだ草刈をしている間、水に浸けてあったマゴンドウの頭骨を回収し、水漬けの鳥や中型哺乳類のホネを整理した。草刈ともども博物館の裏がすっきりした。

午前は室内だけど、午後はもっぱら屋外。小雨がぱらつく中、水を扱う作業も混ぜたりしたので、汗と雨とホネが浸かってた水やらで、びしょびしょになった。
●2021年7月6日 能勢町の生物目録を作ろう!

っていう集まりに出席することに。とりあえず鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類のことを考えないといけないみたい。

たとえば堺市なんかは、すでに3回目の生物目録というかレッドリストの作成をしている。堺市と能勢町の違いは、生物相自体違うのはさておき、大きく違うのは既存データの量。それは自然観察をする人の厚みの違いでもある。
堺市なら既存データを集めてきて、アウトラインは把握できて、欠けている部分について、情報の少ないエリアについて、重要なエリアについて、現地調査を計劃すれば済む。が、能勢町の場合、既存データ自体があまり多くない。ってゆうか公表されてデータはほとんどないといっていいくらい。なので、調査をしないと始まらないんだけど、すべては調査できないので、優先順位をつけざるをえない。どう優先順位をつけるかが悩ましい。

で、とりあえず自分の担当分野に関して言えば、
・鳥類:大阪府鳥類目録の能勢町のデータを引っ張り出してみる(これは一応やってくれてる。でも、観察日が付いてないとあまり意味がない)。あとは、日本野鳥の会大阪支部の会報に載ってるデータを引っ張り出す必要がある(押しつけよう)。その他に、全国鳥類繁殖分布調査のデータとかあるかな? 広く一番歩き回っているのは、たぶん私。自分のフィールドノートのデータを引っ張り出すのが先決かもしれない。幸い2007〜2010年に河川沿いと田んぼ周りはかなり調査してる。2016年にはソウシチョウ調査のために山手はすべて歩いた。2019年にはサギの繁殖地調査にいったし。
・哺乳類・爬虫類・両生類:断片的なデータはある(ある程度まとめてくれている)。過去の文献データとしては、全国なんちゃら調査のがあったと思うので、要チェックかと(もちろん押しつける)。あとは、これまた自分のフィールドノートのデータを引っ張り出すしかない。あとは、標本データのチェックがいる。これも自分でやるしかないかなぁ。これまた2007〜2010年に河川沿いと田んぼ周りはかなり調査してる。2016年のソウシチョウ調査の時も哺乳類のフィールドサインは記録してた。

ということで、とりあえず自分のフィールドノートと、標本台帳を引っ繰り返すのが、先決。そしたら、概ね分布図めいたのも作れるかも。哺乳類は情報の濃淡がありそうだけど。
●2021年7月4日 岸和田のヌートリアの顛末

ヌートリアを見ました!というメールを頂いたのが発端。ネットでヌートリア情報を募集してるんだけど、ヌートリアはけっこう目につくし気になる動物なので、見た人がネットを検索して名前を調べるらしい。で、その際に比較的上位に来る我がサイトに割とやってきてくれて、情報募集って文言を目にして、情報をくださる。ってルートがけっこう定着してきて、近頃は毎日のように数件の情報が届く。大阪城公園や大川、中之島といったメジャーな場所の情報も多いけど、近頃は大和川水系の情報もけっこう届くようになっている。メジャーな場所の情報もその量で、ヌートリアの動向で読めそうで面白い。

ヌートリアを見ました!というメールも何気なく開いた。で、驚いた。場所が岸和田市の海よりの市街地。大阪府では、大和川水系より南にはまだほぼ定着していない。定着してるとしても、堺市の埋立地や旧堺港程度。岸和田のヌートリアはとても珍しい。そして、河川やため池から離れた市街地というのも珍しい。近頃、ヌートリアが市街地を歩いているという話もちょこちょこあるが、いずれも比較的河川などに近い場所。今回のはちょっと離れすぎてるような…。ヌートリアだとしたら、とても重要な情報。それだけに本当かどうか確認しなくてはならない。あいにく画像がないので、念のためどんな動物だったかを問い合わせてみた。
いただいたお返事によると、路地裏から出てきて、道を渡って溝に入って行ったのを目撃したんだそう。かなり近くを人を気にせず歩いて行ったらしい。体型はずんぐりと脚が短い。そして尻尾は短い。…。尻尾が短いならヌートリアじゃない! じゃあ正体はなにかと言えば、一番当てはまりそうなのはアナグマ。色が茶色っぽかったという部分だけ、あまりアナグマっぽくないけど、あとは行動も体型も尻尾もとてもアナグマっぽい。
アナグマは、大阪府ではかつては記録の少ない動物だったが、近年は、市街地周辺での目撃例をちょくちょく聞くようになっている。あまりに山から離れているけど、アナグマの可能性はあるんじゃないかぁ。と思いつつ、確信が持てなかったので、岸和田市の某資料館の識者の方に問い合わせてみた。岸和田市の海より市街地でアナグマ情報なんてないですよねぇ? すぐに返事が来た。偶然にも最近複数のアナグマらしき動物の情報があるという。場所も今回の目撃情報の場所から数100m程度しか離れてない。
いずれも画像はなく、観察者も哺乳類に詳しくないけれど、未確認とは言え複数の情報があることを考えると、アナグマがあの辺りの市街地に生息してると考えていいんじゃないかなぁ。
という訳で、目撃者の方にはアナグマの可能性が高いことと、今度見かけたら是非撮影を!とお願いしてみた。ヌートリアは誤認だったようだけど、瓢箪から駒。面白い展開だったし、とても興味深い情報が得られてよかった。
●2021年7月3日 リモート室内実習2回目

4月に続いて、鳥の調査の室内実習をリモートで2回目。緊急事態宣言は解除されたものの、アカマンボウが継続していて、対面行事は中止せざるを得ないのでやむを得ない。4月もリモートでそれなりにできたので、なんとかなるだろう。
ただ、4月は、新規の参加者はリモート実習に参加してくれたが、継続のみなさんは、打ち合わせた訳でもないだろうけど、そろって参加を断念。どうもZoomが苦手でためらったらしい。
今回は、新規の参加者が2組4名に加えて、継続の参加者が2組3名いたので、だいたいみんななんとかなりそう、って感じではある。ただ、1人だけ、いったん接続はしたものの、音声がうまくつながらず、途中で参加を断念されたのが残念。まだまだ、リモートにはそれなりの壁がある様子。
あと気付いたのは、Zoomのマナーはすでに当たり前になってきていて、いちいち注意しなかったけど、発言する時以外は、ミュートにする、ってのは注意喚起すべきだった。時々ブーと変な音を出してる人がいた。そして、対面以上にみなさん発言をためらう。自分のデータの説明の時は喋るけど、その他の時はリアクションがない。他の人の発表に、質問やコメントを、と言ってもぜんぜん発言がなくて、ずーっと一人で場をつなぐ羽目になった。対面なら、もう少しは発言もあるんだけどなぁ。
反応がないので、自分のデータを説明したり、論文紹介してる間が一番不安な感じ。あと、みなさん共有が苦手らしく、全員が事前に発表資料を送ってきていて、こちらから共有することに。いっそうみんなの反応が確認しにくい〜。
次は11月なんだけど、もう少しはこなれているだろうか? そもそも11月は対面でできるだろうか? リモートだとプログラムの組み方自体かえたほうがいいんだろうか? 一応リモートでも実習は成立するけど、課題はまだまだある感じ。
●2021年7月2日 大阪湾岸と播磨灘岸のカモメ類の個体数の季節変化を比べて考えてみる

播磨灘岸の水鳥調査のデータ確認ができてきたので(といっても最初の1年分だけだけど)、カモメ類についてのみ、月ごとの総数をだしてみた。で、大阪湾岸の水鳥データと並べて見る(といっても最初の1年分しか集計できてないけど)。
一つの注目ポイントは、秋に増えるタイミング。とくにユリカモメは、北海道から関東を経て関西に渡ってくることが、標識個体から判っているが。少なくとも九州のユリカモメは朝鮮半島経由で渡って来てるらしい。ということが標識調査から明らかになりつつある。となると関西と九州の間のどこかに、東から来るユリカモメと西からユリカモメの境界、あるいは混ざるエリアがあるはず。まだ関西にユリカモメのまとまった群れが入っていない8月下旬に、岡山県西部で100羽規模のユリカモメの群れを見たことがあり、西からやってくるユリカモメの到着は、東からより早いんじゃないかと考えている。
だとしたら、もし播磨灘に西から来るユリカモメが混じっているなら、秋に個体数増えるタイミングが大阪湾より早いんじゃないだろうか?

で、比べてみると、月1回の調査なので、細かいことは判らないけど、播磨灘でユリカモメが増えるタイミングは、大阪湾より少し早い感じ。西から来てるんじゃないか?!と盛り上がる。合計ではなく、8月〜10月に播磨灘岸でユリカモメが早く入る詳しい場所を検討する必要がありそう。2年間調査しているので、2年目での検討も必要。
ただ、気になるのは、セグロカモメとオオセグロカモメも、播磨灘の方が、大阪湾より早いタイミングで増える。カモメの増加のタイミングはあまり変わらないのに。これはどう考えればいいのかなぁ。
一方、播磨灘と大阪湾で傾向が似ている点もある。カモメが12月に増え始め、一番多いのが4月というのは同じ。ウミネコが年中記録され、一番少ないのは繁殖木の5月頃で、6月から増えて、夏〜秋がピーク、冬にはむしろ少なくなるのも同じ。ウミネコの動きは、大阪湾では湾口部と湾奥部で違うので、同様のエリア内での違いが播磨灘でも見られるかの検討も今後の課題。
大阪湾岸のデータを比較する対象が欲しくて、播磨灘岸の調査をやってみた。その意味はあったというのは確か。
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