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本の紹介「鳥のくらし図鑑」

「鳥のくらし図鑑 身近な野鳥の春夏秋冬」おおたぐろまり著、偕成社、2016年11月、ISBN978-4-03-437460-3、2000円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
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【冨永則子 20170611】【公開用】
●「鳥のくらし図鑑」おおたぐろまり著、偕成社

 子ども向きの本と思って侮るなかれ… なんとも情報量が多い! 日本の代表的な野鳥39種の暮らしが季節を追って紹介されている。その種のオス・メスはもちろんのこと、成鳥・幼鳥・ヒナと成長段階の違いや、巣作り・子育て・餌の取り方など、あらゆる情報が1ページにコンパクトにまとまっている。関わりのある鳥は上下二段の見開きで紹介したり、ページレイアウトにも工夫がされている。専門用語も適切に使われ、もちろん解説も添えられている。総ルビなので鳥好きなら小学校低学年でも読める。 個人的には、鳥類フィールドセミナーで教えていただいた用語が出てきて復習になった。マガモのオスは“アタマみどり”と覚えていたが、繁殖地ではメスと同じ地味な色のエクリプス羽になると初めて知った。この本で鳥の暮らしに興味を持った方は友の会の会員になって鳥類フィールドセミナーに参加しませんか?

 お薦め度:★★★★  対象:鳥を見るだけではなく、その鳥の暮らしに興味が出てきた人に


【西本由佳 20170609】
●「鳥のくらし図鑑」おおたぐろまり著、偕成社

 本書はこどもに向けた鳥の本。種類を識別するためというより(しっかりした絵だからそれもできるけど)、鳥のくらしを紹介することに焦点をあてている。40種ほどの、よく名前を聞く野鳥の1年のくらしを、1種につき1ページを使って描いている。児童書だけど、大人が見ても楽しめると思う。やさしいタッチの絵は、眺めているだけでも。

 お薦め度:★★★  対象:野鳥に興味をもちはじめた人


【西村寿雄 20170609】
●「鳥のくらし図鑑」おおたぐろまり著、偕成社

 カバー表紙内側に「あなたが野鳥をみかけたとき、鳥たちは、なにをしていましたか?/鳴いたり、食べたり、飛んだり……とあって「鳥のくらしを、のぞいてみませんか」と呼びかけている。各所のイラストも表情豊かで分かりよい。鳥たちの1年では「春・鳥たちが、いちばん活発な時期。冬鳥たちが北国へ帰っていきます。夏鳥が日本へ、繁殖のために渡ってきます。あちらこちらから、鳥たちの歌声がきこえます。求愛の歌、なわばり宣言の歌。……」等というように、鳥たちの一年間の生活の様子を紹介している。その後、それぞれの野鳥個々についての1年間をうまく1ページに収めている。ページの真ん中にはその野鳥の特徴や食べ物の様子を簡単書き周辺に各月のその鳥の生活の様子をちりばめている。この本の監修者上田恵介さんは「この本には、ふだん出会うことの多い身近な鳥たちについて、日本にいるときもいないときもふくめ、その1年の生活が生き生きと描かれています」と紹介している。

 お薦め度:★★★★  対象:野鳥に関心のある子どもと大人


【和田岳 20170430】
●「鳥のくらし図鑑」おおたぐろまり著、偕成社

 スズメ、ヒヨドリ、ムクドリと身近な3種から始まり、39種の鳥の一年の暮らしを、絵を多用して紹介。繁殖、採食、群れといったそれぞれの鳥の暮らしぶりを紹介しつつ、おすすめ観察トピックも教えてくれる。絵本というより、バードウォッチングの入門書であり、身近な鳥のくらしの入門書としても利用できる。ヒヨドリの渡り、ムクドリのねぐらの変化、メジロの舌、ハトの巣場所。自分も観察会でしゃべりそうなネタが、しっかり盛り込まれている。絵が上手なので、それをながめるだけでも楽しい。

 お薦め度:★★★★  対象:鳥に興味がある人なら誰でも


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