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本の紹介「小説みたいに楽しく読める生態学講義」

「小説みたいに楽しく読める生態学講義」中田兼介著、羊土社、2025年11月、ISBN978-4-7581-2137-8、2200円+税


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【萩野哲 20260223】
●「小説みたいに楽しく読める生態学講義」中田兼介著、羊土社

 生態学のレクチャーを小説みたいに楽しくするために、著者は第1章 生態学とは=地球環境と生物、生態系など、第2章 生物世界=種、進化、性など、第3章 仲間orライバル=rとK、バタフライ効果、社会、血縁など、第4章 複雑な世界=競争、捕食、寄生、栄養段階など、第5章 力と責任=多様性、外来種問題、人間の影響など、第6章 田んぼ=農業、天敵など、という構成にした。生態学の守備範囲は広いが、今重要なのは、ヒトが自然とほどよく関わり利用することなのだと言う、著者の言葉に賛同しよう。だけれどなぜか、各節のタイトルになっている故事成語や映画関係の単語などに眼が行ってしまった。外来生物を管理しているプレデターはともかく、サノスはもっと生態学を学ばねば。

 お薦め度:★★★  対象:故事成語や映画はどれだけ生態学を反映しているか知りたい人
【和田岳 20260306】
●「小説みたいに楽しく読める生態学講義」中田兼介著、羊土社

 小説みたいに楽しく読めるシリーズの1冊。ほんまに読みやすい。進化、個体群生態学、種間相互作用、物質循環、生物多様性、環境問題、生態学の一渡りを見渡してくれる。
 第1章のイントロの後。第2章は進化関連を、進化理論から共進化、性選択まで、ものすごい盛りだくさん。第3章は、個体群生態学、競争、社会性、利他行動など。やっぱり盛りだくさん。第4章は種間相互作用。種間競争、食う〜食われるの関係、相利的関係、間接効果、生態系エンジニア、はては物質循環まで。第5章は、多様性の危機とその保全の話。最後の第6章は、田んぼを使った環境教育のススメといったところ。
 初心者にはもちろん、詳しい人でも新しい研究がいろいろ引用されていて、勉強になる。さほど興味を持たない相手に興味を持たせるために頑張っている感が全体から漂ってくる。最初はそうでもないけど、後半ほど映画話題が増える。

 お薦め度:★★★  対象:生態学の一通りを気軽に学んでみたい人
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