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本の紹介「食中毒のリスクと人間社会」

「食中毒のリスクと人間社会」清水潮著、幸書房、2008年3月、ISBN978-4-7821-0314-2、1800円+税


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【村山涼二 20081223】【公開用】
●「食中毒のリスクと人間社会」清水潮著、幸書房

 食中毒の被害コストを病原菌の種類で比較している。雪印牛乳の「ぶどう球菌食中毒」の被害は、患者数13,420人・被害金額2000億円以上という。予防に必要なコストは被害の2〜8%であるという。病原菌種毎に事例を挙げて説明している。最近の食中毒の患者数ではノロウイルスが最大である。エルニーニョとコレラ流行と関係があるという。地球温暖化による熱帯域の病原菌の中・高緯度への拡大が懸念される。血液型と病原菌罹患率に関係があり、抵抗性の強い血液型がその地域に生き残る。地球の歴史の中で微生物は環境に適応しながら住み着いている。新参者の人間は、彼らを理解し共存して行かねばならぬ。易しい解説が微生物への理解を助けてくれる。食の安全の第一は、被害の大きさから食中毒対策であることを教えてくれる。

 お薦め度:★★★  対象:本当の食の安全を学びたい人

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