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本の紹介「新版 鳥はなぜ集まる?」
「新版 鳥はなぜ集まる? 群れの行動生態学」上田恵介著、東京化学同人、2023年11月、ISBN978-4-8079-1506-4、1800円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
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【和田岳 20260625】【公開用】
●「新版 鳥はなぜ集まる?」上田恵介著、東京化学同人
1990年に同じ出版社から出された『鳥はなぜ集まる?』の改訂版。最初の出版から30年以上経ち。表紙が代わり、画像は大幅に増えたが、内容に大きな改訂はない。そして、今読んでも決して古くない。
第1章は、いろいろな群れを概観。第2章〜第5章は、情報センター仮説、塒前集合、群れ採食、集団防衛、目を増やし&薄め効果。群れの機能やメリットなどプラス面だけの話。第7章以降は群れのメリット・デメリットの両面の話になり、警戒声やモビングなど、利他的あるいは協調した行動に見えるが、実は"利己的”な行動であるという考え方が登場する。 第11章は群れの中での順位制、第12章〜第14章は混群、第15章は群れ内部での騙し合い。と、群れ内部での個体間の駆け引きの話。
鳥の警戒声に他種の鳥だけでなくトカゲまで反応。それを逆手にとって欺す鳥。いつどんな相手にモビングを仕掛けるか。混群が成立しやすい環境・場面は? 群れの研究には、まだまだ面白い展開が期待できそう。
お薦め度:★★★★ 対象:鳥に興味があるすべての人
【冨永則子 20260624】
●「新版 鳥はなぜ集まる?」上田恵介著、東京化学同人
『烏合の衆』という言葉があるぐらい、私たちの生活の中で鳥の群れは身近な存在だ。群れ生活は、ほとんどの鳥の生活史に組み込まれていて、群れを作らない鳥は殆どいないそうだ。本著では、主に前半が“ねぐら”、後半は“混群”について、なぜ鳥たちは群れをつくるのか?を読み解いていく。集まることが捕食者から身を守る“うすめ効果”になっていたり、警戒の強化になっていたり。鳥の群れには、それぞれ意味がある。30年も前の行動生態学の本著がパワーアップして復刊とあるが、以前を知らないので、どう変わったのかは分からない。日本では見たことのない、あまり馴染みのない鳥も多く取り上げられているし、外国の研究者の名前もたくさん出てくる。両方ともカタカナ表記なので、鳥の名前なのか人名なのか分かりにくかった。
お薦め度:★★★ 対象:鳥好きのすべての人に
【西村寿雄 20260614】
●「新版 鳥はなぜ集まる?」上田恵介著、東京化学同人
著者の上田さんは、「鳥を中心した進化生態学・行動生態学」(著者紹介欄)を研究している学者。それだけに、「鳥はなぜ集まる」に関する様々な論文を紹介している。鳥は群れている場合が多い。鳥はなぜ集まるか。「仮説」を立て「実験」している様子など、海外の論文も交えていろいろ語っている。文は読みやすいが中身は少々専門分野の話もある。
お薦め度:★★★ 対象:鳥の集団行動に興味のある人
【萩野哲 20260619】
●「新版 鳥はなぜ集まる?」上田恵介著、東京化学同人
鳥は、ねぐら、群れ採食、集団繁殖など、集まっていることをよく目にする動物である。なぜか?その答えは、エネルギーの節約、捕食者対策、情報センター、などの仮説が提案されているが、まだわかっていないことも多い。最も納得がいったのはハミルトンの「利己的な集団」仮説。経験豊富な古参個体は何も群れに入らなくても生きていけるが、劣位の若鳥を周辺に置いて盾にしているなら・・・。群れは結局、個体の利己的行動の延長ではあるが、進化的にこの行動が残ったのは、群れ全体としては有利だからなのだろう。本著の約1/4を占める混群の話も必読!
群れについて、“なぜか?”を解明するにとどまらず、ヒトもそれに学ぶことも多いのではないだろうか。
お薦め度:★★★★ 対象:鳥を知り、鳥に学びたい人
【森住奈穂 20260626】
●「新版 鳥はなぜ集まる?」上田恵介著、東京化学同人
鳥は群れていることが多い。なんでやろ?その疑問、本書を読めば解決できるかも。さまざまな鳥の行動生態学の知見が紹介されている。
馴染みの薄い外国の鳥でも、その社会性研究は面白い。ねぐらの「情報センター仮説」、ツバメの協同ハエ取り、カリフォルニアの砂漠でのフィンチ類計画経済行動、「うすめの効果」、群れの順位制、混群の効果などなど。個体にとってのメリットのみならず、弱者や若い個体が生き残れるシステムが群れなのだなぁ。
群れているのは仲良しだから?助け合えるから?いえいえ。本書を読めば「適応」という進化の不思議が見えてくる。
お薦め度:★★★ 対象:鳥の社会をのぞいてみたいひと
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