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本の紹介「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」

「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」長沼毅著、朝日出版社、2011年7月、ISBN978-4-255-00594-2、1600円+税


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【萩野哲 20111027】
●「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」長沼毅著、朝日出版社

 この本は、自称「歪んでいる自分」が高校生たちと討論しながら生命について考えた記録である。地球外生命は存在するのか? 生命の形はどのように決まっているのか? そもそも生命の条件とな何なのか? タイトルからは、本書の一面を表してはいるものの、ちょっと内容がわかりにくいし、著者が同時期に出版した「形態の生命誌」との重複も多いが、生命をいろいろな面から考え直すことができる読み物となっている。

 お薦め度:★★★  対象:生命について考えを巡らしたい人

【和田岳 20111223】
●「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」長沼毅著、朝日出版社

 大学の教官が高校生に向かってした生命についての授業を、対談っぽく採録した本。よく言えばライブアルバムみたいなの。生命の形の可能性、数式で表す生命のデザイン、熱力学的に(エントロピーとか散逸構造とか)生命を考える。といったテーマで、結局は生命とは何かを語りまくる。場合によっては高校生はかなり置いてきぼりかと。
 著者は生命とはなにかを長年問いかけてきただけあって、その周辺分野に詳しい。興味深い話題もいっぱい。高校生に限らず、授業に参加したら勉強になったろうし、いい刺激にもなったろう。でも、会話で進められるセッションと、文字として表される本は違う。会話が面白くても本が面白いとは限らない(というか大抵面白くない)。この本を読むよりは、同じ著者の他の本を読んだ方がいいんじゃないかなぁ。

 お薦め度:★★  対象:さまざまな角度から生命とは何かを考えたい人

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