友の会読書サークルBooks

本の紹介「世界の納豆をめぐる探検」

「世界の納豆をめぐる探検」高野秀行文・写真・スケラッコ絵、福音館書店たくさんのふしぎ2022年2月号、700円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@mus-nh.city.osaka.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]

【森住奈穂 20220505】【公開用有】
●「世界の納豆をめぐる探検」高野秀行文・写真・スケラッコ絵、福音館書店たくさんのふしぎ2022年2月号

 納豆は和食だと思っている人、手をあげて!ハイッ。だけど、そうではなかったらしい。この本にはアジア、アフリカの納豆が紹介されている。豆は大豆とは限らない。バオバブ納豆、食べてみたい〜。食べ方もさまざま。アジアはトウガラシと合わせることが多いよう。調味料として使うのは大徳寺納豆に似ていて、なんとなしに味の想像ができる。納豆特有の匂いやねばねばは、苦手な人と好きな人とに分かれるけれど、世界中に納豆が存在するということは、それはきっと人類共通の嗜好であって、なんとなしに親近感をおぼえるなぁ。

 お薦め度:★★★★  対象:納豆うんちくを語りたいひと、知りたい人
【犬伏エルリッヒ麻美子 20220506】
●「世界の納豆をめぐる探検」高野秀行文・写真・スケラッコ絵、福音館書店たくさんのふしぎ2022年2月号

 日本の納豆は、いつ、どこで作られたか?はまだ謎のままであるが、納豆は、たんぱく質が豊富で体にいいし、美味しいし、値段も安いから食べ方も色々ある。筆者の納豆の食べ方やアジアやアフリカの国々での食べ方をイラスト入りでわかりやすく紹介されている。納豆をせんべいみたいにしたり、スープにして食べる国もある。日本の昔の納豆は、納豆菌が住みついている稲ワラで大豆を包んで温かい場所で発酵させて作っていた。ミャンマーのシャン州では、稲ワラではなく、クワやイチジクの葉やシダで大豆を包んで作っていて、ネパールの農村地帯では、パパイヤやバナナの葉で大豆を包んで作っている。ナイジェリアの北部の村では、大豆からではなく「パルキア」というマメ科の大きな木の実を使って、稲ワラや葉に包まず、ひょうたんで作った容器に入れて作っている。ブルキナファソ共和国では、「バオバブ」という巨木の実を使って作っている。納豆菌は、どこにでもいるが納豆菌自体もいつも同じように働くわけではないので、納豆作りは難しいらしい。

 お薦め度:★★★  対象:納豆が好きな人はもちろん、納豆が苦手で食べたくない人にもおすすめ 知りたい人
【冨永則子 20220424】
●「世界の納豆をめぐる探検」高野秀行文・写真・スケラッコ絵、福音館書店たくさんのふしぎ2022年2月号

 納豆は好き嫌いはあると思うが、体にいいし、美味しいし、値段も安い。なんとなく日本食のイメージがあるが、実は納豆を食べる国は日本だけではない。私もアジアの国々で食べられているのは知っていたが、アフリカにも納豆があるとは驚いた。納豆は大豆から作られていると思っていたが、そもそも大豆自体がツルマメを育てているうちに大きくなって大豆になったそうだ。だから、大豆以外の豆でも納豆になり得るし、アフリカでも納豆ができる訳だ。納豆をわざわざお客様に出したりしないし、決してご馳走ではないが、その家庭の味、親しい人と食べる家族の味だ。食べ方は違っても納豆を食べる人が地球上に沢山いることが知れて、世界を近くに感じられる。

 お薦め度:★★★  対象:納豆が好きな人も嫌いな人も 知りたい人
【西村寿雄 20220428】
●「世界の納豆をめぐる探検」高野秀行文・写真・スケラッコ絵、福音館書店たくさんのふしぎ2022年2月号

 ほぼ30年、世界の辺境地を訪ね回っていた著者がふと納豆に出くわした。納豆は安く食べられ作りやすいので、その地の伝統食品となっている。それなのに、納豆はあたりまえ過ぎて今まで人々に語り継がれることもなかった。著者が7年もの歳月をかけてアジア、アフリカ各地の納豆を追跡したようすが語られている。
 日本と同じく発酵には稲わらを使うことは多いが、アジア各地、ナイゼェリアやアフリカ各地の納豆の作り方は異なる。多様な食べ方の紹介もある。所変われば作り方、食べ方も様々だ。最後に納豆の起源の話がある。稲が日本に伝わった弥生時代から日本には納豆はあったのか・・大豆はいつごろからあったのか・・などなど研究の一端が記されている 。

 お薦め度:★★★  対象:世界の食文化に興味ある人 知りたい人
【和田岳 20220506】
●「世界の納豆をめぐる探検」高野秀行文・写真・スケラッコ絵、福音館書店たくさんのふしぎ2022年2月号

 納豆好きのおじさんが、納豆を調べてまわる。まずは日本の納豆の作り方。そして話はアジアに拡がる。ミャンマーのシャン族のトナオ、ネパールのキネマ、中国ミャオ族のガオヨウ、韓国のチョングッチャン。さまざまなアジアの納豆が紹介される。アジアには広く納豆があって、調味料やダシの素として使われていることが多い印象。乾燥させた保存食も一般的。稲わら以外の葉っぱでも納豆ができるとは知らなかった。続いて西アフリカの納豆。アジアはみんな大豆で作っていたけど、アフリカではバルキアの豆やバオバブの実など、いろんな豆で納豆を作る。でもできた納豆の臭いは似てるらしい。
 最後に納豆の起源を実験的に調べるべく、煮てつぶしたツルマメを、トチの葉っぱでくるんで納豆をつくるくだりが面白い。大豆も稲作もなくても納豆はできる。納豆の起源はとても古そう。とりあえず納豆汁作ろう。

 お薦め度:★★★★  対象:納豆食べられる人 知りたい人
[トップページ][本の紹介][会合の記録]