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本の紹介「世界の四大花園を行く」

「世界の四大花園を行く」野村哲也著、中公新書、2012年9月、ISBN978-4-12-102182-3、1000円+税


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【釋智恵子 20130221】【公開用】
●「世界の四大花園を行く」野村哲也著、中公新書

 乾燥した砂漠に、何年かに一度のたっぷりの雨が降ると、一斉に大地に眠った種が芽を伸ばし、花を咲かせる。その様子は、夢に描くような花畑で、その広さは何百キロにも及ぶものもあり、あまりの様子に花酔いするほどらしい。この幻のような砂漠の花園に魅せられたカメラマンが著者で、文章は写真を撮るまでの旅行記のようなもの。あまり内容には深みがないけれど、ぼんやりぽややんと夢見心地に眺める本としてはおすすめ。出てくる花には、ちょっと見覚えがあって、園芸種がこういうところから持って来られているんだなということも感じられる。花の写真を楽しむなら、もう少し大判にしてほしい気もする。

 お薦め度:★★★  対象:花が好きな人に

【冨永則子 20130220】
●「世界の四大花園を行く」野村哲也著、中公新書

 死の世界と思われている砂漠に、時として恵みの雨が降り注ぐ。その水分が、ある閾値を越えたとき、信じられないような奇跡を起こす。
 南米ペルー、チリ、南アフリカ、オーストラリア。南半球が春を迎える9月、大陸西岸に広がる砂漠地帯に極楽浄土のような絶景が生まれる。
 本書は新書版ではあるが、多数のカラー写真で“奇跡”を紹介している。著者は写真家として、世界85ヶ国の自然や風景を撮影してきたとか… 紀行文としても簡潔な文章で読みやすい。是非、もっと大きな版形で写真を見てみたいものだ。

 お薦め度:★★★★  対象:花の好きな人に。旅の好きな人に

【萩野哲 20130214】
●「世界の四大花園を行く」野村哲也著、中公新書

 通常は何の緑もない砂漠なのに、稀に雨が降ると一面の花園になる場所がある。本書はこのような奇跡とも言える機会に遭遇した著者が、感動に突き動かされ、ペルー、南アフリカ、オーストラリア、チリと、そのような奇跡を追い求めた写真記録である。なるほど、同じ位置から砂漠の時と花園化した時との対比写真のギャップには驚かされる。しかし、花園化した時の鮮明さが通常の花園より一段と輝いて見えるのは、元の砂漠との対比があまりにも大きいためばかりではなく、絶対的に鮮烈だからなのであろう。

 お薦め度:★★★  対象:世界中の自然の驚異に触れたい人

【和田岳 20130212】
●「世界の四大花園を行く」野村哲也著、中公新書

 不毛の地に見える砂漠が、雨季の短い期間だけ、一面の花園になる。ペルー、南アフリカ、西オーストラリア、チリ。世界4ケ所の広大なお花畑が、美しい写真で紹介される。
 とにかく花の写真が美しい。ペルーを青く染めるノラナ・ガイアナ、南アフリカの一面のオレンジ色ナマクワランドデイジー、西オーストラリアの名前の通りの地面の輪っかリースフラワー、チリの砂漠はパタ・デ・グアナコやマルビーヤで見渡す限りピンク色。新書判なので写真が小さいのが、とても残念。大きな写真で見たい。できれば見に行きたい。というニーズを予想してか、現地の地図や行き方をけっこう丁寧に説明してくれている。ものすごく行ってみたい。

 お薦め度:★★★★  対象:美しいものが好きなら

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