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本の紹介「世界の砂図鑑」

「世界の砂図鑑 写真でわかる特徴と分類」須藤定久著、誠文堂新光社、2014年2月、ISBN978-4-416-11436-0、2600円+税


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【西村寿雄 20140615】【公開用】
●「世界の砂図鑑」須藤定久著、誠文堂新光社

 日本国中、さらに世界の主たる海岸の砂を、美しい写真で紹介している。著者が勤めていた通産省調査所(当時名)に集められていた世界の砂や各地の寄贈の砂を画像化して図鑑風にまとめられたものである。各写真には地形や粒子の解説などが簡単につけられている。北海道や関東はだいたい黒い砂、関西は白っぽく、四国佐多岬は青い砂と各地によって色合いが違う。西表島の〈星の砂〉も仲間入り。サウスアラビアは赤い砂、ハワイには黒い砂と緑の砂がある。世界の砂は多種多様だ。背景にある各地の地質がしのばれる。

 お薦め度:★★★  対象:海の砂に関心のある人

【中条武司 20140626】
●「世界の砂図鑑」須藤定久著、誠文堂新光社

 砂を集めている自分としては、どこに行けばどんな砂が手に入るかの情報がぜひ欲しいんだけど、鉱物や岩石と違って、砂はほとんど情報がない。この本は全国の様々な場所(一部海外)から集められた砂の拡大写真を延々と見せていくというだけものなのだけど、コレクターとしてはとても「次はどこに行こうかな」という好奇心がくすぐられる。ほとんど同じように見える砂の写真に、ちょっと違うのが混じっているだけで「おっ!」と思ってしまうのが、砂コレクターの悲しい性かな。
 ただし本文中にいくつか間違いが見られ、「火成岩」の説明に砂岩が書かれていたり、金剛砂の産地が金剛山のふもとと書かれていたり(採れるのは二上山の麓です)、ちょっと調べたり校正で気をつけていれば直るようなものが多い。
 ちなみにこの本の中で、個人的に行って集めたいのは秋田県八森椿海岸、伊豆諸島の砂、小笠原父島のウグイス砂、佐渡市小木緑砂、山口県柳井市阿月海岸の砂。とりあえず来月に鹿児島に行くので指宿でオリビンサンド集めるぞ!

 お薦め度:★★★  対象:コレクター心を持っている人

【村山涼二 20140626】
●「世界の砂図鑑」須藤定久著、誠文堂新光社

 砂とは「礫とシルトの中間の大きさ(粒度、2〜1/16mm)の粒子(岩石や鉱物の破片」と定義している。高く大きな山をつくる岩盤も風化作用を受け、川を下り砂となり、海に達し、地層として固定、造山運動で山となり、を繰り返す。川の砂、海岸の砂、砂漠の砂、比重の違い、磁性の違いなど、それぞれの特徴が見られる。砂の採取、標本の作り方、写真の撮り方、後背地の地質の推定など、観察の方法を述べている。役立つ砂として、コンクリート、ガラス、鋳物砂、等を紹介。鳴き砂は日本全国で140カ所もあるとのこと。図鑑としては日本61、海外102カ所の砂の写真(5倍)と解説、地図が見られ、日本の地質図と共の見ることが出来る。石ころの採集は重くて大変だが、一つまみの砂をポリ袋に入れ持ち帰り、拡大鏡で眺めて楽しみたい。その時に参考書となる。

 お薦め度:★★★  対象:海の砂に関心のある人

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