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本の紹介「生命は猛毒の海から生まれた」

「生命は猛毒の海から生まれた」濱田隆士・榎田政隆著、理論社


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【西村寿雄 20020428】
●「生命は猛毒の海から生まれた」濱田隆士・榎田政隆著、理論社

 ハードカバーの図鑑タイプではあるが読み物としても楽しく読める。全5巻シリーズ、少々高価なのが難点。博物館などには備えて欲しい本。
 第3巻では「有毒な硫化水素の海から生命が出現したのではないかと考えられている」とある。今も、硫化水素をエネルギーにして生きているバクテリアがいるのだそうだ。〈原始の海の部屋〉へタイムスリップすると…。なんでも、「硫化水素の海に〈猛毒の酸素〉が出現してきた」という。酸素もこのときは猛毒なのだ。しかし、長い年月の間に、その〈猛毒の酸素〉に応じるバクテリヤ(シアノバクテリア)が出現して、高エネルギーを獲得する多細胞生物の出現に道を開いたというダイナミックな話が展開されている。生命の不思議な存在が一段と意識づけられる。


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