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本の紹介「さかなのじかん」

「さかなのじかん」なかのひろみ・まつざわせいじ文・ともながたろ絵、アリス館、2005年4月、ISBN4-7520-0294-9、1400円+税


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【和田岳 20051026】【公開用】
●「さかなのじかん」なかのひろみ・まつざわせいじ文・ともながたろ絵、アリス館

 多少デフォルメされたかわいい魚が50種登場。昼と夜、性別、年齢で魚の模様がどう違うか、魚の一生、四季の暮らし、卵の産み方を、趣向をこらして楽しく紹介してくれる。
 とにかく趣向がおもしろい。同じ魚たちを登場させて、夜の様子を紹介した次の見開きに昼の様子を並べてみせる。魚の回遊などの一生の動きは、旅行会社の提案する旅行プランになぞらえて「うおナビ」として紹介。クロマグロ様ご一行向けの「泳ぎの達人をめざす旅」のコメントに曰く“鉄人なみの体が必要です。ふつうのお客様には、けっしておすすめしません。”
 ページの隅々、帯の返しにまで趣向が凝らしてあるので、じっくりとながめて、じっくり楽しめる。巻末の「ギョギョ魚タイムス」もお見逃しなく!

 お薦め度:★★★  対象:絵本好き、あるいは魚好きの大人

【西村寿雄 20050829】
●「さかなのじかん」なかのひろみ・まつざわせいじ文・ともながたろ絵、アリス館

 ちよっと風変わりな絵本である。かなりデフォルメされた絵に、小さな文字で短い文が添えられている。簡単な本だが、意外と知らなかった魚の世界を知ることができる。
 最初に夜と昼の海が登場する。昼になると体の色や模様がかわる魚もいるとはまず驚き。
 「にてない一座〈親子波間の対面〉」で、魚の親捜し子捜しが楽しめる。拡大して子どもたちに見せればクイズにもなりそう。次は「オスとメスどっちがきれい」。う〜ん、魚もなかなかおしゃれだ。最後の「うおナビ旅行社うお旅ガイド」では、魚たちの回遊の様子が描かれている。「日本の川にロングスティ」のウナギさん。旅先はどこ? ユーモアたっぷりの語り口調にすっかりのせられる。
 もう一回り大きな本で、文字も大きければ低学年の子どもでも十分に楽しめるのに。

 お薦め度:★★★  対象:小学中学年以上

【六車恭子 20051027】
●「さかなのじかん」なかのひろみ・まつざわせいじ文・ともながたろ絵、アリス館

 この本のガイド役はは有明海のムツゴロウ、絵本すいぞくかんと銘うってますが、
中味は自然界の営みを解説しているようです。さかなに親しむための工夫が各ページのタイトルに反映されており、ユーモラスなイラストで興味を繋げてくれそうだ。
 さて本物の自然界はこのように一瞬にさかなのじかんを見せてくれるだろうか?全3巻の「絵本・すいぞくかん」の巻末の宣伝文句は、「『絵本・すいぞくかん』を見たら ホンモノのすいぞくかんに行くべし そして海や川にでかけよう・・・」
 なるほどなるほど、さかなの好きな人たちで作ったさかなのじかんへの入り口がこの絵本だったようです。

 お薦め度:★★★  対象:さかな博士をめざす人

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