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本の紹介「オオコウモリの にぎやかな よる」

「オオコウモリの にぎやかな よる」伊澤雅子文・おおたぐろまり絵、福音館書店かがくのとも2025年6月号、418円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。

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【森住奈穂 20250821】【公開用】
●「オオコウモリの にぎやかな よる」伊澤雅子文・おおたぐろまり絵、福音館書店かがくのとも2025年6月号

 沖縄の夜の公園。大好物の実を求めてガジュマルの木に集まるのはオオコウモリたち。キーキー、パンパン、近くにきたオオコウモリを追い払おうと、声を出したり翼を打ち合わせたり。ちょっと飛んで逃げたり、また戻ってきたり。とっても賑やかなガジュマルの木が描かれているよ。翼を広げると1メートル近くにもなるオオコウモリが、1本の木に19匹も描かれているから(こどもコウモリをお腹にくっつけたお母さんコウモリもいるから、それ以上かも!)、ミッシミッシ、鈴なり状態。何も知らないでそんな木を見つけたら、さぞかしびっくりするだろうなぁ。

 お薦め度:★★★  対象:沖縄旅行を計画するなら
【冨永則子 20250815】
●「オオコウモリの にぎやかな よる」伊澤雅子文・おおたぐろまり絵、福音館書店かがくのとも2025年6月号

 沖縄の夜の公園に現れるオオコウモリ。大阪の街中の公園にも日が暮れるとコウモリが飛び交っているが、それらはアブラコウモリなどの小型コウモリで、大きさはツバメぐらい。オオコウモリは、翼を広げると1メートル近くもある大型コウモリだ。こんなに大きなカラダなのに、主食は甘い実や蜜のある花。それも飲み込むのではなく、口の中でぎゅっとしぼってジュースだけ飲み、かすはペリットとして吐き出す。だから、植物にとっては種子散布者になるのかな? メスは子どもを連れて一緒に滑空する。その間、子どもは親にしっかりしがみついている。まるでサルのようだ。
 先日、オオコウモリが有刺鉄線や金網に引っかかって死んでいるニュース記事を見た。コウモリといえば超音波でモノを見るものと思っていたが、それは小型コウモリで、オオコウモリは私たち人間と同じように目でモノを見ているそうだ。そりゃあ、薄暗い中では見えにくいだろうなぁと思った。

 お薦め度:★★★  対象:沖縄旅行を計画している人に
【西村寿雄 20250816】
●「オオコウモリの にぎやかな よる」伊澤雅子文・おおたぐろまり絵、福音館書店かがくのとも2025年6月号

 伊澤雅子さんのシンプルな文とおおたぐろまりさんの大胆な絵がオオコウモリの棲む沖縄の情景によくマッチしている。小さな子どもに読んで聞かせるにはうってつけの本である。ページをくると木の上にぶら下がっている木の実らしいものは・・。一本の足で木の上にぶら下がって寝ているオオコウモリの姿が大きく描かれている。本州の子どもは「こんなコウモリいるの?」と興味深く読むに違いない。オオコウモリの生活の様子が大胆な絵で表現されている。

 お薦め度:★★★  対象:小学1年生から
【萩野哲 20250816】
●「オオコウモリの にぎやかな よる」伊澤雅子文・おおたぐろまり絵、福音館書店かがくのとも2025年6月号

 沖縄島の夜に活動するオリイオオコウモリ。昼間は高い木の上で枝を片足でつかんで寝ている。辺りが薄暗くなると目を覚まし、餌を探しに飛ぶ。翼を広げると1m近くある。木の実や花を食べる。ガジュマルの実が好きで、飲み込むのではなく、ジュースだけ絞って飲む。別のオオコウモリが来ると追い払う。実はたくさんあるので、仲良く食べたらよいのに。母コウモリは抱きついた子供といっしょに飛ぶ。子供が飛べるようになるまでそんなことが可能なのだろうか?おしっこをするときだけ頭が上になる。なぜコウモリ類は頭を下にする進化をしたのか大きな疑問がわいた。朝が近づくとお休みタイムが始まった。おしまい。

 お薦め度:★★★  対象:ざっとオオコウモリのことを知りたい人
【和田岳 20250821】
●「オオコウモリの にぎやかな よる」伊澤雅子文・おおたぐろまり絵、福音館書店かがくのとも2025年6月号

 舞台は沖縄島。木にぶら下がって寝ていたオオコウモリが、夕暮れ時に活動開始。ガジュマルの木で果実を食べる。仲間も集まり、ケンカをしたり、腹に子どもを付けて飛んで来たお母さんも混じり、とてもにぎやか。頭を上にして排尿、ガジュマル果実の食痕。オオバイヌビワ果実、フクギ果実、トックリキワタ花、ウジルカンダ花、 イジュ花。と他の好物も紹介。夜明けが近づき、再びねぐらの木にぶら下がって終了。
 朝、鳴き出すのはイソヒヨドリ。というのは、著者らしい。

 お薦め度:★★★  対象:オオコウモリに興味のある人
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