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本の紹介「温暖化で日本の山に何が起こっているのか」

「温暖化で日本の山に何が起こっているのか シカ、クマ、ライチョウが棲む山の生態系の危機」岡山泰史著、ヤマケイ新書、2026年3月、ISBN978-4-635-51093-6、1300円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。

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【萩野哲 20260619】【公開用】
●「温暖化で日本の山に何が起こっているのか」岡山泰史著、ヤマケイ新書

 温暖化は現在、実際に進行している。氷期から間氷期に移行した際、レフュージアとして機能した高山の生態系は今後どうなっていくのだろうか? 氷河や永久凍土の消失、乾燥化、地中水流の変化、捕食者の低地からの侵入と食害、生物間の関係性のズレ(フェノロジカル・ミスマッチ)、マイクロプラスチックの大気循環による拡散など、原因が結果となり、更に次の悪循環を誘導している状況であるが、まだこれらの関係が不明確な部分も多い。著者が淡々と書いている解決策はうまくいくのだろうか?不安は払拭しきれない。

  お薦め度:★★★  対象:温暖化が山に及ぼす複合影響を学びたい人
【里井敬 20260624】
●「温暖化で日本の山に何が起こっているのか」岡山泰史著、ヤマケイ新書

 南アルプスの塩見岳では1970年代にお花畑であった所が30年で消えている。鹿の食害なのだが、温暖化で鹿の生育域が拡大したためだ。温暖化はそれ以外にも氷河の縮小、マイクロプラスチック、ブナ林の衰退にも影響している。マイクロプラスチックは海洋だけでなく大気にも含まれている。雲を作る核になり気候変動に関与している可能性がある。また雨水に混ざり飲み水にも含まれる。温暖化は生物の生息域や花の咲く時期を変え、それが他の生物の生存にまで影響する。高尾山や伊吹山の現状にも触れています。
 熊の出没が急増しているが、気温の上昇と人間活動の影響が熊の冬眠に影響し冬眠期間が短くなり人との接触が増えているとも考えられる。山の自然とクマとの関係。まだまだ未解明な部分が多い。

  お薦め度:★★★★  対象:最近山の自然はどうなっているのか!心を痛める覚悟を持って読んでください。
【和田岳 20260625】
●「温暖化で日本の山に何が起こっているのか」岡山泰史著、ヤマケイ新書

 近年、日本各地の山で起きている自然の変化を、温暖化という視点で取材して紹介した一冊。
 そのはずだけど、はっきり温暖化の影響を受けている話は、氷河や富士山の永久凍土、高山のお花畑やライチョウ、そしてフェノロジカル・ミスマッチだけ。シカやクマが増えた話は必ずしも温暖化が影響しているとは言えない。マイクロプラスチック問題、湿原に通した登山道の影響は、さらに関係ない。
 どうしてタイトルに”温暖化で”を入れたのだろう?「日本の山に何が起こっているのか」で良かったのに。とはいえ、いろいろな日本の山の危機を知ることができる一冊ではある。

  お薦め度:★★★  対象:温暖化はさておき、近年の日本の山の自然の変化が気になる人
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