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本の紹介「西のゴリラは樹上で眠る」

「西のゴリラは樹上で眠る パパ・ジャンティとその家」安藤智恵子著、京都大学学術出版会、2026年3月、ISBN978-4-8140-0636-6、2200円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。

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【森住奈穂 20260828】【公開用】
●「西のゴリラは樹上で眠る」安藤智恵子著、京都大学学術出版会

 20才の時に観た映画「愛は霧のかなたに」でゴリラの虜になった著者。以来、ゴリラ、そしてアフリカと関わり続けている。京都大学の教務補佐員として、5年かけて世界で初めてニシローランドゴリラの人付けに成功するのだが、その際に役立ったのは山極さんの教え、�@困ったことがあったら必ず現地の人の意見を聞く、�Aゴリラに襲われたらすぐに立ち上がる、だ。個性豊かなゴリラたちは本当に魅力的だが、何より現地の人との協働なしではこうした研究は成り立たないことが本書からよく分かる。人付けに成功したパパ・ジャンティ率いるグループ・ジャンティの暮らしぶりや社会関係が、追跡し続けた著者ならではのリアルな描写で伝わってくる。私もいつかガボンを訪れて、野生のゴリラたちに会ってみたい。

 お薦め度:★★★  対象:ゴリラの人付けってどんなんかな〜と思ったら
【冨永則子 20260827】
●「西のゴリラは樹上で眠る」安藤智恵子著、京都大学学術出版会

 ゴリラ。霊長目ヒト科ゴリラ属に分類される草食性の大型類人猿。ニシローランドゴリラは樹の上に寝床を作り、樹を使って移動する樹上性。そんなニシローランドゴリラの観察を容易にするため“餌付け”ならぬ“人付け”に世界で初めて成功する。著者はゴリラが好き過ぎて、青年海外協力隊でアフリカへ渡った後、「アフリカでゴリラを学びたい!」という一念で、ゴリラ研究の第一人者である山極壽一氏に直談判し、京大の職員としてアフリカの地でゴリラ研究に関わり、人付けに成功する。現地語どころかフランス語も儘ならぬまま現地の人を雇いチームを作り、現地の人々の雇用とゴリラや環境の保全の支援にも挑んでいく。それにしても“人付け”という言葉は生々しく感じる。(“人慣れ”でいいやん) 夢を諦めない強さと努力と運? 願いは口にしないといけないなぁとつくづく思う。

 お薦め度:★★★★  対象:やりたいことがあってもなくても…みんなオトナになるんだよ
【萩野哲 20260814】
●「西のゴリラは樹上で眠る」安藤智恵子著、京都大学学術出版会

 20歳の時、映画「愛は霧のかなたに」を観た著者はゴリラの虜になり、15年間の紆余曲折を経てゴリラの人付けを目的としてガボンに赴いた。従来行われていた「餌付け」と異なり、「人付け」はゴリラに観察者が安全な存在だということを認識させ、人為的影響を避け自然状態で行動することが期待でき、それができてはじめてゴリラの直接観察が可能になり、グループ内の血縁関係等の高精度のデータが得られるようになる。しかし、それにはかなりの根気強さが必要だ。当初、ゴリラの姿さえ見ることができなかった著者たちは、5年間の苦労の末に世界で初めてニシローランドゴリラの人付けに成功した。それがシルバーバックのパパ・ジャンティを中心とする群れであった。その後の研究は軌道に乗り、学術的には大きな成果が得られた。しかし、著者は村の将来が心配になってきた。予算不足で事業が終わり、更にコロナパンデミックなどが追い打ちをかける。今、著者はエコツーリズムの開発事業で新たな展開に奮闘している。その成功を願わずにはおられない。

 お薦め度:★★★  対象:ゴリラ研究の楽しさと大変さについて知りたい人
【和田岳 20260828】
●「西のゴリラは樹上で眠る」安藤智恵子著、京都大学学術出版会

 どうしてもゴリラ研究がしたくて相談したら、調査プロジェクトの先遣隊として、単身ガボンに行って、ニシローランドゴリラを人付けすることになる。そしてガボンに到着! フィールド近くのドゥサラ村に住みつき、暑さと食事と言語と病気とかゆい虫に悩まされつつも、村の男達を森の案内人とし雇って、ゴリラ調査を開始する。例によって、地元での人間関係にも悩まされつつも、現地で出産し、子育てしながらも人付けを進め、ニシローランドゴリラの生態を明らかにしていく。  ゴリラの食性を明らかにし、群れの個体間の関係、食物の分配行動やハンディキャップのある個体に配慮する行動。ゴリラについていろいろ知ることができる。ドゥサラ村の生活の様子も描かれる。ゴリラのエコツアーで村おこしをする試みまで始まる。
 内容は盛り沢山。でも少し物足りない。文化・価値観・道徳観の違いによる齟齬、食べ物への不平不満など、現地滞在のライブ感が少なめだからだろうか。

 お薦め度:★★★  対象:ゴリラに興味のある人
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