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本の紹介「ニュースなカラス、観察奮闘記」

「ニュースなカラス、観察奮闘記」樋口広芳著、文一総合出版、2021年11月、ISBN978-4-8299-7237-3、1600円+税


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【西村寿雄 20220221】【公開用】
●「ニュースなカラス、観察奮闘記」樋口広芳著、文一総合出版

 今まで新聞に取り上げられニュースになったカラスを追及して、観察した結果を明らかにした話を数々載せている。カラスの行状が次々とユーモラスに語られている。まず初めに、市街地の公園にある水道栓をカラスがゆるめ水を飲んでいる話。こんなこともするのかと驚かされる。くちばしで器用にカランの出っ張りをつついてゆるめるらしい。水道水で水浴びもするという。道路にクルミを置いて車のタイヤでクルミを割る話、こちらは命がけだ。次によく聞く石鹸の持ち去り〈事件〉。幼稚園や公園の石鹸が次々と無くなる。何のためカラスは石鹸を持ち去るのか。神社のろうそくも持ち去るとか。ハンガーや浮き球やゴルフボール持ち逃げ等々、興味ある話が続く。

 お薦め度:★★★  対象:カラスに興味ある人
【六車恭子 20220225】
●「ニュースなカラス、観察奮闘記」樋口広芳著、文一総合出版

 長年観察し続けられたカラスに関する興味深い知見を、まとめられた一冊。
 カラスは私たちの暮らしの中でも、身近な生き物。電信柱や樹木の幹で巣作りをし、子育てをする。町中でも山の中でも、海岸沿いでも目にしない日はない。そのカラスたちのニュ一スとして騒がせた事例の真相が語られて、読了する時点で、思わず、カラス愛が心にめばえてしまう、そんな一冊だ。
 公園の蛇口を捻って吸水し、時には水浴びをする。その水量の調整までしてしまう。車を利用したクルミ割り、不思議なところに生えるビワ園はカラスの置き土産!幼稚園の手洗い場から石鹸がぬすまれる!神社から消えるロウソク!洗濯物のハンガ一はちゃっかり子育てに・・・。人間のみじかにありて、知恵を働かせながら子孫を残す憎めないカラスには目がはなせない!

 お薦め度:★★★★  対象:カラスの知恵ぶくろを覗いて見たいかた
【和田岳 20220224】
●「ニュースなカラス、観察奮闘記」樋口広芳著、文一総合出版

 著者は、鳥類学の大先生。けっこうマスコミに登場するとは思ってたけど、ニュースになったカラスネタだけで、本を1冊書いてしまった。
 水道の蛇口をひねって水を飲むカラス。車にひかせてクルミを割るカラス。ビワのタネを広めるカラス。線路置き石事件、石鹸盗難事件、ロウソクで放火事件。ゴルフボールや針金ハンガー、神社の浮き玉を持っていくし、銭湯に通うし、銀座赤坂六本木をハシゴする。
 とにかくカラスはいろんなことをしてくれて面白い。どこかに蛇口から水を飲んでるカラスはいないかなぁ。探してみたくなった。

 お薦め度:★★★  対象:カラスなんてつまらない、って思ってる人
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