友の会読書サークルBooks
本の紹介「ネコは(ほぼ)液体である」
「ネコは(ほぼ)液体である ネコ研究最前線」服部円著、KADOKAWA、2025年7月、ISBN978-4-04-116049-7、1600円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]
【萩野哲 20250920】【公開用】
●「ネコは(ほぼ)液体である」服部円著、KADOKAWA
ヒトの最も身近にいる動物の1種なのに、未だに謎の多いネコ。今どこまで解明されたのか、本書は最新の37+2研究論文をネコ研究者である著者が解説している。その中にはイグ・ノーベル賞を受賞した研究も2編含まれている(ネコ語および液体)。ネコも表情が読める。ゴロゴロ音のメカニズムは未だわかっていないが、要求と非要求の2パターンがあることが確認された。障害物をよける記憶力や、ネコの利き手のテストなんか、自分でもやってみたくなる。単独行動が目立つネコだが、飼い主はやはり特別だ(逆はもちろん!)。どうしたらネコが喜ぶか、本書の情報は参考になる。液体の定義を「体積は一定であるものの、形は容器に合わせて変化するもの」とするならば、やはりネコは液体だ!
いろんな切り口でネコの研究が進んでいる。だがまだしばらくはネコは謎の動物だろう。
お薦め度:★★★★ 対象:ネコとのよりよい付き合い方を考えたいネコを飼っている人
【西村寿雄 20251016】
●「ネコは(ほぼ)液体である」服部円著、KADOKAWA
猫に関する多彩な研究の成果がたくさん書かれている。結論が簡単に書かれているが どうしてそのように結論付けられたがあまり書かれていない。ネコに関する論文名紹介は多いが、論文内容の紹介はない。
お薦め度:★★ 対象:猫好きのあなた
【和田岳 20251024】
●「ネコは(ほぼ)液体である」服部円著、KADOKAWA
イエネコのおもにその行動を調べた論文(その多くは室内実験)を次々と37テーマ紹介した一冊。引用元の論文もちゃんと載っているので、元論文を参照することができる。各テーマごとに、前振りをした後、最初におおむね結論が述べられ、それを明らかにするためにどんな実験をしたか、そしてその結果を紹介していく。実験方法や結果はイラストでビジュアルに示していることが多く、数字は出さず、必要なら手書きのグラフが付いている(グラフの軸にだけ数字がある)。数字抜きで判りやすく伝える工夫が感じられる。
ネコを飼っていたら経験的に知ってることも多いし、うちのネコは少し違うなぁ、と思う部分もあるけど、いろいろ知らない事もある。猫アレルギーのアレルゲンが唾液中にあるとか、雌雄で利き手が違う傾向があるとか(オスは左、メスは右)。ネコの寿命の話も興味深かった。今度、うちのネコにゆっくり瞬きをしてみようと思う。
お薦め度:★★★ 対象:イエネコの行動や気持ちについていろいろ知りたい人
[トップページ][本の紹介][会合の記録]