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本の紹介「マングース・ヒストリー」

「マングース・ヒストリー ひとつの島を守るということ」亘悠哉著、東京大学出版会、2026年2月、ISBN978-4-13-063969-9、3000円+税


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【萩野哲 20260814】
●「マングース・ヒストリー」亘悠哉著、東京大学出版会

 2024年、奄美大島で外来のマングース根絶が宣言された。本書は、マングース導入の経緯と在来動物への影響、マングース防除の実際と課題の克服、がこの事業の最も深刻な時期に奄美の動物の研究を始めた著者によって丁寧に説明されている。外来生物問題の複雑さを改めて考えさせられた。マングースによる在来生物の増減も、直接影響のみならず、経時的な段階や他の生物との関係も考慮する必要が学べ、侵略的外来種の脅威がよくわかった。「マングースが昼行性でハブが夜行性なのでマングースの効果がなかった」は全くの誤り。行政や事業仕分けの悪意さえ感じる対応も乗り越え、捕獲事業開始から32年をかけ、奄美大島のような広大な島でマングース根絶という世界的な業績を達成した。しかし著者は、この事業は成功だったのか、失敗だったのかと冷静に振り返る。「もしかするとマングースはまだ奄美大島のどこかに残っているのではないか」との著者の懸念は杞憂であればよいと思う。

 お薦め度:★★★★  対象:人為的な外来生物導入がいかに大変な影響を及ぼすか真剣に考えたい人
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