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本の紹介「京もキノコ!一期一絵」

「京もキノコ!一期一絵」高山栄著、京都新聞出版センター、2009年7月、ISBN978-4-7638-0625-3、1500円+税


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【和田岳 20091216】【公開用】
●「京もキノコ!一期一絵」高山栄著、京都新聞出版センター

 著者は、年間百数十回も山にキノコを採りに行くらしい。著者は、最低でも1日1枚はキノコの絵を描くらしい。そして著者は、40年以上にわたってキノコの絵を描き続けてきているらしい。数多くのキノコの絵本や図鑑に絵を提供している著者は、ただの絵の好きなおじさんではなく、アマチュア研究者としての側面もあるらしい。でもこの本は、むしろ、きわめてストロングなキノコ狩りおじさんという側面が色濃く出ている。
 キノコを1種ずつ取り上げ、自身の絵に、キノコについての解説が付けられている。生物学の解説もまじえつつ、キノコ狩りのこぼれ話しや食べ方の話がたくさん混じる解説は、とても面白い。年間百数十回もキノコを採りに行くというのは伊達ではない。
 これを読んだら、トリュフなど地面の下に隠れているキノコを採りに行きたくなる。今度チチタケを採ったら、肉ジャガに入れてみようと思う。おじさんに負けじとササクレヒトヨタケを味見してみた。とても美味しかった。

 お薦め度:★★★  対象:キノコ好き、あるいはキノコ狩りに興味のある人

【加納康嗣 20091215】
●「京もキノコ!一期一絵」高山栄著、京都新聞出版センター

 在野のキノコ博士のエッセー集である。文句なくきれいな芸術的なキノコの絵、しかも生態がわかる俯瞰的なものが多く、キノコの門外漢も十分に楽しめる。それぞれのキノコの生態や採集のエピソードなど、図鑑では知ることが出来ない話も多い。識別の難しいキノコだが、キノコを知りたいと思っている初心者を導く最適の書物である。

 お薦め度:★★★★  対象:キノコを知りたい人

【六車恭子 20091218】
●「京もキノコ!一期一絵」高山栄著、京都新聞出版センター

いまそこに在るものは偶然ではない
-------------(中略)---------------------
いま そこになければならないものが
選ばれて そこに いま
在るのである    (高山栄)

 きのこに魅せられて半世紀、きのこ一筋に年間百回の山行脚、毎回10キロ近いきのこをリュックに持ち帰る。著者はきのこのささやきを寸分漏らさず聞き取る狩人である。この本はきのこと行き来した交友録のようなきのこ歴を、美しい絵を添えて語る珠玉の四方山話である。

 お薦め度:★★★★  対象:きのこ好き、絵好き、食べ物好きなだれでも


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