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本の紹介「きょうは たびびより」

「きょうは たびびより」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2017年10月号、389円+税


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 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
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【和田岳 20171219】【公開用】
●「きょうは たびびより」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2017年10月号

 秋、ヒヨドリたちは、群れになって南へ西へ渡っていきます。そんなヒヨドリの群れが海を渡るとき、群れは海に出ては戻るを繰り返しなかなか渡りません。数十羽、数百羽のヒヨドリが、行ったり来たりする光景は、とても印象的。
 ヒヨドリの渡りの群れが、海を越えようとするけど、ハヤブサが出現して、戻り、もう一度飛び出しては戻り、ようやく海を渡る。その様子が、消しゴム判子で描かれます。ヒヨドリたちは消しゴム判子とは思えないほど生き生きしていて、嘴の形をはじめヒヨドリの表情や、翼や尾の形やプロポーションもとても良くできてる。もう一方の主役のハヤブサもとても格好いい。

 お薦め度:★★★  対象:鳥好き、絵本好き


【ケンタロウ 20171202】
●「きょうは たびびより」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2017年10月号

 この絵本にでてくるヒヨドリたちは、よく晴れた秋に、海をわたろうとしています。
 その間に、なんどもハヤブサにつかまりそうになりました。だから、ハヤブサに見つからないように、みんなでかたまって海にのみこまれないように、海面すれすれにとんでいきます。ヒヨドリたちは、なんとかぶじに海をこえることができました。
 さし絵のヒヨドリたちのようすが、一羽ずつよくあらわれています。

 お薦め度:★★★★  対象:ヒヨドリのわたりを読み聞かせてあげたい人に


【冨永則子 20171221】
●「きょうは たびびより」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2017年10月号

 街中でも一年中見かけるヒヨドリだが、実は日本列島を南北に渡る個体もある。ハヤブサに狙われながらも海を越え、餌場を求めて集団で渡るヒヨドリの姿を消しゴムハンコで描いてある。なぜ、渡りをするヒヨドリと一年中同じ場所で暮らすヒヨドリが居るのか不思議に思っていたが、その違いは分かっていないらしい。もしかしたら、一年中同じ場所に居ると思っているヒヨドリも渡りをしてるのかな? 身近な野鳥の暮らしに目を向ける切っ掛けになるといいな。

 お薦め度:★★★  対象:街中でも身近に野鳥が暮らしていることを知ってほしい


【西本由佳 20171219】
●「きょうは たびびより」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2017年10月号

 ヒヨドリは渡りをする。そのために海を越えることもある。周りに隠れる場所のない海の上は、猛禽に襲われる危険がある。それでも機を見て、何度も行きかけては戻ったりしながら、必死で越える。読んだ人が、群れて懸命に海を越えようとするけなげな姿を記憶にとどめて、家の近くで元気に鳴くヒヨドリの声に意識を向けてくれたらいいなと思った。

 お薦め度:★★★  対象:ヒヨドリを知らない人、もしくは軽んじている人に


【六車恭子 20171222】
●「きょうは たびびより」とうごう なりさ著、福音館書店ちいさなかがくのとも2017年10月号

 鳥好きなら誰でも知っていますが、ヒヨドリの秋の渡りはそれほどを知られていないかもしれません。ワシタカ類ならまだしも小鳥に類するヒヨドリたちの命がけの渡りの情景が詩情豊かに綴られた絵本。
 ロングで綴られていく一枚一枚の色調もまたヒヨドリ色にこだわり優美!子どもたちより大人たちがつい手にしてしまうだろう!小鳥たちの集団の姿が大自然を生き抜く結集した力に思えてしまう。

 お薦め度:★★★★  対象:今少し、困難を抱えているあなた


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