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本の紹介「恐竜と歩こう!」

「恐竜と歩こう! 足跡化石の発掘と研究」石垣忍著、童心社、2008年6月、ISBN978-4-494-01160-5、1800円+税


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【西村寿雄 20080811】
●「恐竜と歩こう!」石垣忍著、童心社

 著者の石垣さんが海外青年協力隊員としてモロッコに行かれたのが1982年,モロッコの博物館で友人進められて始められたのが恐竜の足跡研究の初めだった。現地でたくさんの恐竜の足跡に出合い本格的な研究を始められる。石垣さんの研究が日本のゾウなどの足跡研究のきっかけにもなった。石垣さんは日本に帰っても恐竜研究の夢を捨てきれず,高校教員を辞して林原自然科学博物館の研究員として勤められる。そこでモンゴルを舞台に恐竜研究を続けられ多大な研究成果を上げられていった。
 この本は,そうした石垣さんの体験を元に,子どもたちに恐竜の足跡研究の楽しさを伝えようと企画されたものである。体裁も,石垣さんが写された写真を中心に足跡化石の研究の様子が語られていく。たかが足跡,されど足跡である。足跡から,恐竜のさまざまな姿が描き出される。どれくらいの大きさの恐竜か,どんなふうに歩いていたのか,集団でいたのか,2足歩行なのか4足歩行なのか等々。
 後半に,最先端の恐竜研究の実際が紹介されていく。写真以外に,細かなスケッチも重要になる。化石を含む地層の綿密な調査も必要になってくる。なにしろ,目の前の事象から類推していく学問であるだけに細かな情報の収集が基礎になる。ロマンに満ちた研究である。写真絵本タイプなので子どもたちも楽しんで読んでくれるだろう。

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