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本の紹介「恐竜ホネホネ学」

「恐竜ホネホネ学」犬塚則久著、NHKブックス、2006年6月、ISBN4-14-091061-5、1020円+税


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【西澤真樹子 20070817】【公開用】
●「恐竜ホネホネ学」犬塚則久著、NHKブックス

 骨のことをわかってから見れば、博物館の復元骨格はこんなにみどころ満載だ!という内容。でも、一言で表現すると不親切な本です。文章一行の中に専門用語が説明なしに満載で、接続詞しかわからない時も。骨とは何かの基本的な知識や恐竜への知識がないと、著者が「基礎なのでがまんしてお付き合いいただきたい」という2章「恐竜の骨学入門」ですら読めません。入門と言いつつ、延々と恐竜の骨格を解説するこの章、いちいちどんな部位のどこの骨かを考えながら読まないといけず、さらにその想像が会ってるかどうか確認する絵もなく、脳が疲労骨折を起こしそうになります。第3章「骨のたどってきた道」をまず読んで、それから他の章をパラパラ読む方が、まだいいです。NHKブックスという取っ付きやすそうな外見と気になるタイトルにだまされて手にとると5分で眠りの世界へ…。普及書を書くつもりがないならもっと難しそうな装丁で、難しそうなシリーズから出して欲しい。

 お薦め度:★  対象:骨の名前がまあまあわかる人、不眠でお悩みの方の催眠導入剤として

【和田岳 20061020】
●「恐竜ホネホネ学」犬塚則久著、NHKブックス

 恐竜などを化石から復元する大家が、そのノウハウの一端を一般向けに語った本。とはいえ、内容はかなりマニアック。ほとんど説明なしに、骨や骨の部位の名前、筋肉の名前など、解剖学的用語が次々と繰り出される。すべてを理解して読み進めるには、かなりの予備知識が必要。
 という重大な難点はさておき、恐竜の骨や復元に関する蘊蓄がてんこ盛りの本。この内容を頭にたたき込んで、恐竜の展示を見に行ったら、きっと楽しい。恐竜の復元画にもダメだしをしまくれる。ただ、デートの時には、恐竜オタクと思われるのがオチなので、控えめにした方がいいだろう。
 それにしても、これだけ色々ダメだしできるということは、今までの恐竜の復元がいかに未完成なものかを示しているとも言えそう。復元画の恐竜の色を信じないのはもちろん、博物館の恐竜の骨格の組み立ても無邪気に信じない方がよさそう。

 お薦め度:★★  対象:骨学や解剖学に相当詳しい恐竜マニア

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