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本の紹介「闇の釣り師グローワーム」

「闇の釣り師グローワーム」小原嘉明文・石森愛彦絵、福音館書店たくさんのふしぎ2015年1月号、667円+税


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【和田岳 20150417】【公開用】
●「闇の釣り師グローワーム」小原嘉明文・石森愛彦絵、福音館書店たくさんのふしぎ2015年1月号

 グローワームは、ヒカリキノコバエの幼虫。オーストラリアとニュージーランドの洞穴にすむ光る虫。洞穴の天井から糸でぶら下がった先に巣をつくり、さらに20-40本の糸を垂らす。糸にはネバネバ玉がたくさんついていて、光につられて近づいてきて、これに引っ付いた虫を食べるらしい。
 この本では、著者がニュージーランドでグローワームを調べた結果を紹介。といっても、洞穴で調べたのではなく、実験室で飼育しての観察。巣をつくらせて、糸を垂らさせて、糸に引っ付いた虫をどのように食べるかをいろいろと実験して調べる。糸に小さい玉がついた絵が並ぶ。

 お薦め度:★★  対象:タイトルが気になったら

【六車恭子 20150417】
●「闇の釣り師グローワーム」小原嘉明文・石森愛彦絵、福音館書店たくさんのふしぎ2015年1月号

 オーストラリアとニュージーランドのみにすむというグロー(光る)ワーム(虫)を紹介する絵本。ワイトモ川の洞窟の天井には光り輝く満点の「星空」が広がっています。ホタルのようにこれはヒカリキノコバエの幼虫のお尻から出る発光物質が青く光っているからです。吊り巣は粘液で出来ているらしく、玉すだれにひっかかる虫を食するという。著者は天然記念物のグローワームを入手するのに苦労し、一匹ずつ飼う装置を考案し、玉すだれの強度を調べたり、えさを与えて、羽化する日数を調べたり…。成虫の寿命は♂も♀も1〜4日と短く、結局貧栄養でもしん坊強く待っている彼らの真の姿に出会います。

 お薦め度:★★★  対象:けなげな青の洞窟を探検したい人
【森住奈穂 20150416】
●「闇の釣り師グローワーム」小原嘉明文・石森愛彦絵、福音館書店たくさんのふしぎ2015年1月号

 ヒカリキノコバエの幼虫であるグローワームは、お尻を青白く光らせて餌となる昆虫をおびきよせる。変わっているのはその捕獲方法で、天井に作った吊り巣から、ねばねばの玉すだれのような糸をつりさげて、光に寄ってきた獲物をからめ捕るのだそうだ。玉すだれはどれだけの重さに耐えられるのか、罠にかかったものが食べられるものなのか幼虫は何で判断しているのか、など著者がニュージーランドの大学で行った観察や実験は、解説・イラストともとてもシンプルでわかりやすく、そして楽しそう! ただ、名前の由来である発光については触れられておらず残念。

 お薦め度:★★★  対象:グローワームの星空(洞窟だけでなく草原にも!)を見てみたいひと
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