友の会読書サークルBooks

本の紹介「黄砂の科学」

「黄砂の科学」甲斐憲次著、成山堂書店、2007年6月、ISBN978-4-425-55171-2、1600円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【村山涼二 20080423】【公開用】
●「黄砂の科学」甲斐憲次著、成山堂書店

 黄砂は中国・韓国では交通・農業・健康の被害が発生し社会問題となっている。黄砂の発生メカニズム、物質移動、元素組成、色、大きさ、数密度など黄砂の科学について述べている。工業地帯を通り環境汚染物質と結合、海塩を含む雲と遭遇すると海塩と結合した黄砂となる。乾燥地域での潅漑が地上面での塩類集積を招き、土地の荒廃、耕作放棄、砂漠化を招いている。人工衛星による黄砂の観測・予測もされている。モンゴルなど乾燥地域における、過放牧、過耕作、過揚水など、人間活動による地表面の改変の影響が10年以上のタイムスケールで見ると明らかである。砂漠化、黄砂を通じ、地球環境の保全に人間活動の影響の重要性を痛感する。

 お薦め度:★★★  対象:地球環境に関心のある方

[トップページ][本の紹介][会合の記録]