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本の紹介「キタキツネ 北辺の原野を駆ける」

「キタキツネ 北辺の原野を駆ける」竹田津実著、平凡社、1979年、ISBN4-582-51901-6、2000円+税


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【六車恭子 20050902】
●「キタキツネ 北辺の原野を駆ける」竹田津実著、平凡社

 知床岬を西へ、ボンヤンベツの河口、小清水に獣医師として赴任した著者が旅人としての視点から土着のそれを獲得する原体験はこの一冊からでしょうか。
 厳寒の二月はキタキツネの恋の季節、ブリザードや凍原はその舞台である。凍原に続くキタキツネの足跡追跡は彼のその後の生き方を決定した。この地方の野生動物に関する情報網を確立しようとしたのだ。キタキツネの棲み家は海岸段丘や廃屋や岩穴などいくつかのタイプがあり、人の暮らしの傍で子育てをしているのだ。聴覚による狩り、仔ギツネの遊びの終点が狩りへの出発点であり、成長して縄張りの境界が壊れる時にかれらの旅立ちが始まる。
 キタキツネ人気の火付けは竹田津のこれらの写真から始まったのかもしれません。

 お薦め度:★★  対象:野生のキタキツネの暮らしを知りたい人

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