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本の紹介「カヤネズミの本」

「カヤネズミの本 カヤネズミ博士のフィールドワーク報告」畠佐代子著、世界思想社、2014年2月、ISBN978-4-7907-1613-6、2200円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
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【冨永則子 20141005】【公開用】
●「カヤネズミの本」畠佐代子著、世界思想社

 カヤネズミは草むらに棲む小さなネズミ。16年間のフィールドワークで出会ったカヤネズミの暮らしや、各地の調査で見聞きした出来事を写真とともにまとめた一冊。カヤネズミの生態そのものも興味深いが、調査と保護活動が同時進行でなされていく経緯がイマドキの事情を説明してくれている。一人の力は小さいが一人でも行動を始めないと生物多様性も共生もないんだなと思った。専門用語は意識的に少なくなっているので読み物として楽しめる。
 やや高価なので、ぜひ図書館で借りて下さい。

 お薦め度:★★★  対象:小さな生き物が好きな人に、ネズミは全て害獣だと決めつけている人に

【西村寿雄 20141005】
●「カヤネズミの本」畠佐代子著、世界思想社

 著者によるカヤネズミ研究と保護活動15年の集大成の本である。カヤネズミは頭胴長6cmほどの日本一小さいネズミで河川敷や田んぼの畦などに棲んでいる。ヨシ、カヤなどイネ科植物の茎を編んで球状の巣を作る特異なネズミである。非常に警戒心の強い動物で姿にはなかなかお目にかかれない。この本では、長年の調査研究成果がコンパクトにまとめられている。「全国カヤネズミ・ネットワーク」などを立ち上げ、カヤネズミの保護活動も行っている様子も書かれている。文章も読みやすく写真も豊富で中学生以上なら興味深く読める。

 お薦め度:★★★  対象:里山哺乳動物に関心のある人、中学生以上

【和田岳 20141024】
●「カヤネズミの本」畠佐代子著、世界思想社

 カヤネズミ研究家によるカヤネズミの本。カヤネズミの基本知識から始まり、みずからのフィールドワークでのエピソードを交えつてのカヤネズミの生態の紹介、火入れや稲作との関わりから、カヤネズミの生息環境の保全まで。カヤネズミについて色んなことが分かる。
 テキスト量があまり多くない割に、値段が高い。ハードカバーと厚い紙、ゆったりした段組でヴォリュームを増やしてる感が満載。もっとお手頃価格にしてくれたらいいのに。

 お薦め度:★★  対象:カヤネズミを知りたい人

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