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本の紹介「川のホタル 森のホタル」

「川のホタル 森のホタル」宮武健仁著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年6月号、667円+税


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【森住奈穂 20150826】【公開用】
●「川のホタル 森のホタル」宮武健仁著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年6月号

 川に住むゲンジボタル、田んぼに住むヘイケボタル、森に住むヒメボタルが紹介されています。どの写真も美しく、説明がいらないくらいです。圧巻は宵闇の森に光るヒメボタル。金色にかがやくことから、「キンボタル」という名前がつけられているそうです。あたたかな金色の光が木立のなかに浮かびあがり、たいそう幻想的です。この世のものとは思えないほどです。ぜひ本物を見てみたい。ホタルは里山に暮らす生きものです。この風景がなくなりませんようにと、祈りたくなる一冊です。

 お薦め度:★★★  対象:夏の宵の風情にあらがえないひと

【西村寿雄 20150824】
●「川のホタル 森のホタル」宮武健仁著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年6月号

 著者が久しぶりに故郷に帰って見た光景は、子どもの頃棚田で見た〈ホタル舞う光景〉だった。そこから著者のホタル撮影が始まった。ふつうは、ホタルと言えば水辺の昆虫という印象が強い。しかし、ホタルの多くは陸上にいる。人には気づかれていないが日本にも陸生のホタルが多く棲息している。この本では陸生ホタルの飛翔風景もたくさん紹介されている。はじめは、徳島県吉野川の支流のゲンジボタル、四万十川上流のゲンジホタルなど、岸一面が光輝いている幻想的な風景が映し出される。続いて「山のホタル」の写真へと続く。広島県で〈キンボタル〉が飛ぶという話を耳にした著者は、〈キンボタル〉の撮影に出かけた。夜7時もすぎると暗い森の地面一杯に広がるチカチカキラキラの世界、点滅間隔が短いヒメボタルの発光である。すばらしいホタルの写真で読者を魅了していく。

 お薦め度:★★★  対象:ホタルの棲む風景を堪能したい人
【和田岳 20150827】
●「川のホタル 森のホタル」宮武健仁著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年6月号

 吉野川支流や四万十川のゲンジボタル、広島県の水田のヘイケボタル、広島県の山間部のヒメボタル。日本の光るホタル3種を紹介。光る様子が紹介されるのの合間に、ゲンジボタルの一生も紹介。
 カメラのシャッターを開放にして、点滅し動き回るホタルの光を、一つの画面にいっぱい捕らえている。林床を埋め尽くす無数のヒメボタルの黄色い光は圧巻。

 お薦め度:★★★  対象:光りもの好き
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