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本の紹介「かがやく昆虫のひみつ」

「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太著、ポプラ社、2017年3月、ISBN978-4-591-15322-2、1500円+税


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【けんたろう 20171014】【公開用】
●「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太著、ポプラ社

 こん虫のなかにも、ほう石や金ぞくのようなピカピカしたかがやきを持ったものがいます。コガネムシ、タマムシ、ハチ、チョウなどのなかまです。
 こん虫が、きれいな色を出すしくみには、しきそだけでなく、こうぞう色が大きくかんけいしています。それがいがいと、ぼくたちのみじかなところにも生かされています。
 それぞれのこん虫のかがやくひみつを、わかりやすく絵と文でせつめいしているので読みやすかったです。
 タマムシの色を美しいとかんじる心は、むかしも今もかわらないんですね。

 お薦め度:★★★★  対象:こん虫のふしぎが知りたい人に…


【冨永則子 20171020】
●「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太著、ポプラ社

 ピカピカ、キラキラ光り輝く虫たちに「あら!虫ってスゴ〜イ!きれいやん!」と、虫に興味のなかった人たちも興味・関心を向けるようになったのか、『きらめく甲虫』やら『美しすぎる昆虫』やら、この手合いの本が立て続けに出版されているような気がする。本著も柳の下の一冊かと思ったが、タイトルに“ひみつ”とあるように、輝く秘密=構造色について解説されている。子ども向けの体裁で、読者対象は小学校中学年以上かと思われるが、専門用語が特に解説されることもなく使われている。ただし、総ルビなので小学生でも読むことはできる。きっと、虫好きの子なら意味は分からなくても、添えられている絵や写真から理解しようとするだろう。著者の研究対象は“ネジレバネ”という地味な色合いの虫とのこと。ぜひ、地味でもスゴ〜イ!で、ネジレバネの本を出してほしい。

 お薦め度:★★★  対象:輝く秘密が知りたい人に


【西村寿雄 20171016】
●「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太著、ポプラ社

 まずは表紙のコガネムシの色合いにうっとりさせられる。ほんとにこんなに光輝く昆虫がいるのだろうかと目を疑う。ぱらぱら本をめくると、なんと「輝く昆虫」のオンパレード。中南米や東南アジアの熱帯(亜熱帯)に棲む昆虫が多い。コガネムシは白銀色に輝く種もいればモスグリーンに輝く種、赤と黄金色に輝く種もいるさまざまな色を出す虹色クワガタ、全身金色のうろこを持つ金色コガネ、羽根の場所によって微妙に白が変化する日本産センチコガネもいる。カミキリムシの仲間も輝くグリーンから赤銅色、ブルーと輝いている。日本いるヤマトタマムシがブルーの生地にオレンジラインで輝いている。昆虫たちの羽根などの微妙な色変化の秘密は羽根の層状構造にあるという。一口に構造色と言ってもさまざま。
 本を眺めているだけで美しい昆虫の世界に浸ることができる。

 お薦め度:★★★  対象:虫好きの小学生から


【萩野哲 20171010】
●「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太著、ポプラ社

 甲虫や蝶にはなんでこんなにピカピカなのかと不思議に思う種がたいへんたくさんいる。オスがメスにアピールするために必要とのそれなりの説明がつくものだけでなく、糞を食べて穴倉の中に棲んでいるくせになぜ?と理解しがたいものもたくさんいる。本書は様々な輝く昆虫の写真を中心に、どうしてそのように見えるのかを、フォトニック構造、モスアイ構造など、その原理について簡単な解説をつけた本である。なので、先ほどの疑問にはほとんど答えられていない不満は大いに残る内容である。ひょっとして、ピカピカということは摩擦抵抗が少なく穴倉でもスムーズに移動できる?ではなぜデコボコの種もいるのか?と妄想は続く。それにしても輝く昆虫は本当にきれい。読了後、ピカピカの大を生産する人類が見つかったとのニュースを見たとの内容の変な夢を見てしまった。

 お薦め度:★★★  対象:とりあえずきれいな虫を見たい人。


【森住奈穂 20171020】
●「かがやく昆虫のひみつ」中瀬悠太著、ポプラ社

 世界中のかがやく昆虫たちが、美しい写真でズラッと並んでいる。金属のような光沢を放つそれらは、一言では言いあらわすことのできない複雑な色をしていて、夢のように美しい。拡大写真では、ウロコやシワ、凹凸が観察でき、細かな形によって光を反射させてつくられる構造色のしくみが観察できる。読み物のページでは、逆に光の反射を抑える「モスアイ構造」や、人工的につくるのはまだ難しいとされる「フォトニック結晶」などが紹介され、小さな体につまった自然の不思議に感心する。昆虫たちは個体によって色あいが様々とのことだから、それがまたマニア心をくすぐるんだろうなぁ。

 お薦め度:★★★  対象:ヒカリモノ好き


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