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本の紹介「石は元素の案内人」

「石は元素の案内人」田中陵二著、福音館書店たくさんのふしぎ2022年8月号、700円+税


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【西本由佳 20221015】【公開用】
●「石は元素の案内人」田中陵二著、福音館書店たくさんのふしぎ2022年8月号

 とにかく写真がきれい。いろいろな鉱物の結晶の写真と一緒に、その特徴や由来などが紹介される。孔雀石から銅を作ったり、昆布からヨウ素を取り出したり、岩塩をひたすら割って結晶がその形のままどんどん小さくなるのを確かめたり、実験のやり方も示してくれる。付録の元素周期表もきれいで、図書館で借りるだけでなく、本を買いたくなる。塩の結晶だけでもきれいで、岩塩のコレクションとかしたら楽しそう。

 お薦め度:★★★  対象:きれいなものを見たいときに
【里井敬 20221015】
●「石は元素の案内人」田中陵二著、福音館書店たくさんのふしぎ2022年8月号

 世界の全ての物が、たった90種類の元素でできている。元素の組み合わせで鉱物ができていて、結晶の形をしている。塩など結晶の写真がきれい。 鉱物からはいろいろな方法で元素を取り出すことができる。その元素の結晶を、周期表に写真を載せたものが折り込みのポスターで付属している。★4つのうちの一つはその周期表。

 お薦め度:★★★★  対象:元素の結晶について知りたい人
【冨永則子 20220821】
●「石は元素の案内人」田中陵二著、福音館書店たくさんのふしぎ2022年8月号

 空や地面、あなたや私。今、目にうつるこの世界のすべてが、たった90種類の“元素”の組み合わせでできています。“元素”とは、それ以上分けることのできない目には見えない小さな粒のこと。この世界のあらゆるものが、本当にそんな限られた元素からできているのでしょうか? そのヒントを握っているのが“石”なのです。岩塩や水晶、鉄などの鉱物を紹介しながら、化学という学問の扉を開かせ、元素、原子の存在に迫っていく。付録の周期表は一家に一枚は欲しい。

 お薦め度:★★★  対象:周期表に興味がでてきた人に
【西村寿雄 20221011】
●「石は元素の案内人」田中陵二著、福音館書店たくさんのふしぎ2022年8月号

 石も原子のつながりと話しているので興味を持った。初めにでんと水晶の写真があり「この世界はかぎられた元素からできている」と説く。最初に岩塩が出る。どこまで割っても同じ形が出る結晶の話が身近。さらに、さまざまな鉱物が結晶であることの説明がある。水晶の話のほか二酸化ケイ素の分子構造の絵が出る。他の文献ではケイ素原子より酸素原子が大きく表現されているが? 次からは、磁鉄鉱の話までは読めるが、あとは奇をてらってか次々と鉱物が雑多に出てきて読みにくい。

 お薦め度:★★★  対象:鉱物マニア
【森住奈穂 20221019】
●「石は元素の案内人」田中陵二著、福音館書店たくさんのふしぎ2022年8月号

 この世界のすべてが、たった90種類の元素の組み合わせでできているなんて。にわかには信じがたい話。それを教えてくれるのは石だという。本書は2部構成になっていて、前半は基礎知識。元素とは、鉱物と岩石の違い、結晶とは。美しい結晶写真に魅せられる。後半は実験。鉄、銅、ヨウ素を自然のなかから取り出す。昔の人たちの苦労が偲ばれる。さらに岩塩を原子になるまで割ってみる実験では、最終形であるナトリウム原子と塩素原子の組が電子顕微鏡写真で見られる! この世界のモトである「つぶつぶ」を目の当たりにすることができるなんて。それは地球や宇宙とも共通で、とてつもなく壮大な世界が、この小さな本に入っている。

 お薦め度:★★★★  対象:鉱物の結晶を見て不思議に感じたことのあるひと
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