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本の紹介「イヌワシの四季」

「イヌワシの四季 空の王者ニホンイヌワシの生態をさぐる」関山房兵著、文一総合出版、2007年9月、ISBN978-4-8299-0159-5、2400円+税


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【高田みちよ 20071205】
●「イヌワシの四季」関山房兵著、文一総合出版

 一言でいうならば、観察記録である。イヌワシの調査をしつづけてン十年という著者が、イヌワシの生息状況や生態を説明しながら、「こんな動きを見た」というエピソードがつづられている。イヌワシを知らなくても読みやすく、知っていても「へぇ」と思うことが書かれている。たとえば、死にたてのタヌキが手に入ったので、寝ているように置いておくと、オス、メスが交互に来て持って行こうとしたが、6kgはさすがに持ち上がらず、4つに分割してやると、4往復して巣へ持って帰ったとか。イヌワシが死肉を拾って食べるとは知らなかった。兄弟殺しについても触れられ、巣が広くて逃げ場があったり、親の滞留時間が長ければ、弟は殺されずにすむらしい、ということも述べられている。綺麗な写真が随所に挿入されていて、写真集としても楽しい。

 お薦め度:★★★   対象:タカ好きの人はもちろん、鳥に興味のある人なら誰でも

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