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本の紹介「生き物屋図鑑」

「生き物屋図鑑」盛口満著、木魂社、2006年12月、ISBN4-87746-100-0、1700円+税


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【高田みちよ 20070127】【公開用】
●「生き物屋図鑑」盛口満著、木魂社

 生き物を追いかける情熱的な人達は面白い、をコンセプトに生き物屋たちを紹介する本。ゲッチョ先生の友人、教え子などが大活躍。生き物屋の端くれである自分のことを親戚に説明するのにとっても便利な本。「あ、私はここまで変人じゃないから」と言えるので。ちょっともったいないのは、生き物屋って本当はもっと変人のはずなのに、彼らに遠慮してか、常識の範囲内に抑えられていること。大阪自然史博物館関係者が登場するため、客観的な書評を書ける人はbooksにはいないんじゃ・・・。われらがゲッチョ先生の新刊。マキコのイラストが楽しい。

 お薦め度:★★★★  対象:「私って変わってるかしら」と不安な人に

【瀧端真理子 20070223】
●「生き物屋図鑑」盛口満著、木魂社

 類は友を呼ぶ。教え子たちを中心に繰り広げられる生き物好きのネットワーク。好きな生き物を中心に既成の価値観に捉われることなく、国境も越える。どうやって生計を立てているのか不思議な人たちも登場。東南アジアの水辺をうろつくノリト君。「どこに行くにも一人で行くようにしている。そうすると、どんなとこでも安全なんだ。二人以上で行動すると、日本人だとすぐわかるから、かえってアブナい」と、これはなるほどと思う。「標本箱にいっぱい虫を並べるのが好き」で種類の多いハネカクシを専門にしたキシモト君などなど。 
 一人に裂くページ数が少ないので、物足りなさは否めないが、自由な世界を垣間見ることができる。

 お薦め度:★★  対象:15歳からの生き方ガイドの一冊に

【田中久美子 20070223】
●「生き物屋図鑑」盛口満著、木魂社

 骨屋に直翅屋、鳥屋にひっつきむし屋にコケ屋に…。博物館でもおなじみの方々が数多く登場するのがなんとなくうれしい。「こういう時代だからこそ生き物の世界を見てみたら…。」「自分で生き物を追えなくても生き物屋さん達を見て楽しめればいい。」ゲッチョさんの正直なメッセージだろう。交友の広さもさることながら、世の中には本当にいろんなものを追っかけている不思議な人達がいっぱいいるんだなということが、実感できます。

 お薦め度:★★★  対象:生き物も好き、人も好きという人。

【萩野哲 20070219】
●「生き物屋図鑑」盛口満著、木魂社

 自称“何でも屋”(もちろん“生き物屋”の1種)である著者の交流を通じて32種の“生き物屋”の生態が記載されている。残念なことに280ページほどの紙数にこれだけの種が詰め込んであるので、各々の“生き物屋”のこだわりや特殊技能の一端が垣間見える程度で、詳細は窺い知ることはできない。“図鑑”の性格上、仕方ないか。また、西澤さんのカットは解説が楽しい。トウガラシスプレーって高いのね。

 お薦め度:★★★  対象:“隣は何をする人ぞ”と考えている“生き物屋”および“生き物屋”予備軍

【和田岳 20070220】
●「生き物屋図鑑」盛口満著、木魂社

 本が送られてきた。「笑ってゆるして下さいマセ」と書いてあった。勝手に載せたな〜! というわけで、この本には40人にものぼる被害者が載せられているのである。ただ、真の意味で被害者といえるのは、真実とはほど遠い事が書かれた私のみであって、他の奴らは、おそらくここに書かれている通りの変人なのだと思う。いや、間違って私が載っているという点を除けば、一番の不満は、変人どもの行いはこんな生やさしいものではないはずだという点にある。やつら変人達は、もっと意味不明な価値観に基づいて、周囲に迷惑をまき散らしているに違いないのである。もちろん私は、間違って載っているのでそんなことはないのだが…。

 お薦め度:★★  対象:鳥屋の項を読まない人

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