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本の紹介「北海道化石が語るアンモナイト」

「北海道化石が語るアンモナイト」早川浩司著、北海道新聞社、2003年5月、ISBN4-89453-257-3、2800円+税


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 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

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【西村寿雄 20031011】【公開用】
●「北海道化石が語るアンモナイト」早川浩司著、北海道新聞社

 中生代化石の王様として化石ファンに親しまれているアンモナイトについてまとまった内容の本が出た。たいていの化石の本にもアンモナイトについては書かれているが、なかなか全体像がつかめる本はなかった。この本は、そうした不満に見事に応えてくれる。
 表題には「北海道」と名打っているが、多くの標本が北海道産というだけで、内容的にはアンモナイト全般について書かれた本である。〈アンモナイトの構造〉〈化石の産状〉など特にくわしい。 ここで、しっかりとアンモナイトの基本が頭に入る。「異常巻きアンモナイト」は著者の研究テーマ。挿絵や写真が豊富に取り入れられているので、少し固い文章もたいくつしないで読める。化石採集法の記載も役に立つ。著者は、近所での採集会開催、講演活動など普及にも力を入れている。
 
 お薦め度:★★★★  対象:化石マニアの中高校生以上

【瀧端真理子 20031117】【HPのみ公開用】
●「北海道化石が語るアンモナイト」早川浩司著、北海道新聞社

 アンモナイト化石の写真や、筆者が作成したユーモアあふれる図版が盛り込まれた美しい本。北海道の地質、アンモナイトの構造、異常巻きアンモナイト、ノジュール・亀甲石・アンモナイトの方解石結晶が説明され、アンモナイトを全く知らない人間でも、地質の中に隠された宝ものの世界を垣間見ることができる。クリーニングの方法や観察の裏わざが披露され、「博物館へ行こう!」のメッセージには、”たまり場”としての博物館への願いが込められている。巻末の「化石が楽しめる博物館」一覧を手がかりに、アンモナイト化石をたずねる旅もステキだろう。趣味を仕事にしてしまった幸福な人生がここにある。
 
 お薦め度:★★★  対象:丁寧な本づくりを学びたい人

【中条武司 20040107】
●「北海道化石が語るアンモナイト」早川浩司著、北海道新聞社

 アンモナイトを愛する人がアンモナイトを愛する人のために書いた美しい本。従来の図鑑や概説的な地学の本では扱い切れていなかったアンモナイトそのものの詳しい解説や、死んでから地層に埋もれて化石になるまでの鉱化作用についてなど、一歩先に進んだ化石(アンモナイト)マニアが知りたい内容が目白押し。
 いかんせん、説明にカタカナ英語(日本語に直せる単語が多々あり!)を使いすぎるのと、長い属名種名を乱発するのでそれだけで内容を追うのにしんどくなる。もう一度丁寧に書き直したらもっといい本になるのではと思う一冊。
 
 お薦め度:★★  対象:アンモナイトを愛する人

【西村寿雄 20030627】
●「北海道化石が語るアンモナイト」早川浩司著、北海道新聞社

 中生代化石の王様として化石ファンに親しまれているアンモナイトについてまとまった内容の本が出た。たいていの化石の本にもアンモナイトについては書かれているが、なかなか全体像がつかめる本はなかった。この本は、そうした不満に見事に応えてくれる。
 表題には「北海道」と名打っているが、多くの標本が北海道産というだけで、内容的にはアンモナイト全般について書かれた本である。〈アンモナイトの構造〉〈化石の産状〉など特にくわしい。ここで、しっかりとアンモナイトの基本が頭に入る。挿絵や写真が豊富に取り入れられているので、少し固い文章もたいくつしないで読める。これで、ビルにひそむアンモナイト化石ウォッチングも一段と楽しめそうだ。
 
 お薦め度:★★★★  対象:化石マニアの中高校生以上

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