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本の紹介「ひとりぼっちのジョージ」

「ひとりぼっちのジョージ 最後のガラパゴスゾウガメからの伝言」ヘンリー・ニコルズ著、早川書房、2007年4月、ISBN4-15-208810-9、1800円+税


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【萩野哲 20070625】
●「ひとりぼっちのジョージ」ヘンリー・ニコルズ著、早川書房

 ガラパゴスゾウガメは十数の島々からなるガラパゴス諸島の内、現在は7つの島に各々別亜種として生息している。本書のタイトルになっているジョージは、かつて絶滅したと考えられていたピンタ島から1972年に発見された、最後の生き残り?である。本書は、ジョージの発見、その他の生き残りの可能性、子孫を残そうとする努力、ゾウガメを取り巻く環境と漁民たちとの軋轢等をまとめた物語である。また、最新のDNA解析による亜種間の差より、移動経路の推定も行っている。ゾウガメたちが海に浮く等、移動の可能性についての言及を読むにつれ、彼らが遠い昔、南米大陸から極めて生存確率の低い旅をしてきたことに進化の不思議を感じた。

 お薦め度:★★★  対象:典型的な進化の物語を知りたい人

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