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本の紹介「はっけん!ニホンイシガメ」

「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房、2020年9月、ISBN978-4-589531-571-5、1800円+税


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【ケンタロウ 20210420】【公開用】
●「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房

 この本は、ニホンイシガメの一年、体の作り、飼い方、文化、歴史など、後半にはニホンイシガメがいる水族館や動物園についても紹介されていて、きれいな写真がいっぱいのっています。また、捕食や産卵、孵化、飼い方については、細かく紹介されています。
 また、ニホンイシガメの数が減少している問題などについて、「なぜ減ってきているのか」がくわしくのっています。ニホンイシガメについて幅広く知りたい方や、カメが好きな方、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

 お薦め度:★★★★  対象:カメが好きな方や興味のある方
【犬伏エルリッヒ麻美子 20210423】
●「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房

 写真を見ながら、わかりやすい解説で、イシガメの暮らし、体の特徴をパーツごとに細かく紹介、日本の四季を通じてどのように過ごしているか、飼育の方法、イシガメについての疑問を解説したり、カメにまつわる文化、歴史などについて紹介されています。
 そして、長年ニホンイシガメたちを研究し、彼らを守るために努力を続けてきた、カメ愛たっぷりの専門研究者や動物園、水族館の飼育員さんからのお話も読めます。なかでも、専門研究者からのメッセージで、「好きなことを続けていれば、何かにつながるときがきっとあります」は、息子に伝えたい言葉です。長い歴史をもつカメ、まだまだわからないことだらけのようです。
 我が家で飼育しているニホンイシガメと重ねて読んでいると、さらに知識が深まりました。カメ好きの人はもちろん、少しでも興味をもたれた人は、ぜひ読んでみてください。

 お薦め度:★★★  対象:ニホンイシガメが好きな人、少しでカメに興味をもたれた人たちへ
【冨永則子 20210411】
●「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房

 ニホンイシガメはカメ目イシガメ科のイシガメ属に分類される、その名の通り日本の固有種で身近な里山に棲んでいる…、いや、棲んでいた…と言わざるを得ないほど、現在では珍しい生き物に仲間入りしてしまっている。本著は副題に“ビジュアルガイド”とあるように、沢山の写真でニホンイシガメの生態を日本の四季を追いながら紹介している。図鑑でもあり、写真集ともいえる。内容は生態だけでなく、カメにまつわる歴史や文化、カメを飼育展示している動物園・水族館、並びに専門の研究機関の紹介、研究者からのメッセージなど、カメに興味を持って深く知るための手引書にもなっている。特に飼育についてページが割かれているのが印象的。児童向けの読み物なので総ルビになっているが、巻末の参考文献にまでルビがふってある徹底ぶり。
 編著者の『AZ Relief』とは、Aは水族館(Aquarium)、Zは動物園(Zoo)の略で、それらについて隅から隅まで(A to Z)いろいろな形で関わろうという専門家の集まり。AとZの真ん中のM(Museum=博物館)の関係者も参加しているそうだ。その中に大阪市立自然史博物館の外来研究員のお名前をみつけた。それだけで親しみが湧いて嬉しくなる。

 お薦め度:★★★★  対象:児童向けですが、カメに少しでも興味がある全ての人に。カメ愛への入門書として
【西本由佳 20210417】
●「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房

 日本の固有種、ニホンイシガメについて、きれいな写真とともに解説してくれる本。ビジュアルガイドというだけあって、写真は本の半分を占める。ふだん見ることの少ないニホンイシガメの野生の姿を見ることができる。生息地である里山や田んぼなどが減って、ニホンイシガメは数が減ってきている。外来種の問題も大きい。本では、ニホンイシガメの保全や生態の解明に取り組む研究者や水族館についても紹介されている。漢字はすべてよみがながふってあり、カメの飼い方や豆知識もある。普通に写真を眺めているだけでも楽しめる。里山ってカメから見るとこんなところなんだと実感できた。

 お薦め度:★★★  対象:カメが好きなら
【萩野哲 20210412】
●「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房

 ニホンイシガメは日本産のカメの代表選手だろう。本書は多数の写真主体で、ニホンイシガメの姿、雌雄の識別、繁殖など生態、仲間のカメたちを解説するとともに、飼育法やカメにはまった先生やイシガメを見ることができる水族館などを紹介している。イシガメは同属のクサガメなどと簡単に交雑してしまうらしい。しかも交雑個体も繁殖能力があるので、イシガメかクサガメか判別できない個体がいるのも納得できる。イシガメの腹側はもともと黒いが、クサガメなどでは成熟オスが黒化する現象(メラニズム)があるそうだ。身近な動物なのに目立たず、次第に減少していくイシガメ。寿命は長いので、生きているうちに世の中が変わるかもしれない。この先彼らに順風は吹くだろうか?

 お薦め度:★★★  対象:例えば、昔住んでいた田舎でイシガメをよく見かけていた人 や、これからカメに興味を持ちたい人
【和田岳 20210416】
●「はっけん!ニホンイシガメ」関慎太郎写真・AZ Relief・野田秀樹編著、緑書房

 ビジュアル強めにニホンイシガメを紹介した一冊。前半は、巻頭ビジュアルを過ぎても、それとどう違うのか判らない感じで写真が続く。イシガメの画像に短いコメントが付いていることが多い。後半は、イシガメの飼い方の後、Q&Aをはさんで、イシガメが減っている理由の説明、文化・歴史に登場するカメの話題。最後に、研究者からのメッセージ2つ、自由研究のすすめ2つ、イシガメに会える動物園・水族館が4つ、イシガメを研究してる大学の研究室が2つ紹介される。
 イシガメが主人公で、前半の画像ではイシガメがいっぱい登場するけど、後半は事実上、日本の淡水ガメの話。

 お薦め度:★★★  対象:イシガメが好きな人
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