友の会読書サークルBooks

本の紹介「フルーツひとつばなし」

「フルーツひとつばなし おいしい果実たちの「秘密」」田中修著、講談社現代新書、2013年8月、ISBN978-4-06-288222-4、1000円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【村山涼二 20140626】【公開用】
●「フルーツひとつばなし」田中修著、講談社現代新書

 何よりもきれいな写真で食欲をそそる。新宿高野の写真提供とありうなずける。白いイチゴ、6個3万1500円もする種なしビワ、渋皮がむきやすいクリなど最近の品種改良の成果が示されている。ビタミンCが2800mg/100gのアセロラ、目に優しい果実ブルーベリーの効果の理由など興味が持てる。イチゴ、スイカ、メロンなど、野菜か?果物か?について、地図への表記を果樹園かを果樹園か畑を決める必要がある。野菜的果物として畑になっている。柿とこけら落としの関係など、うんちくを語っている。バナナがビタミンB、ビタミンCを多く含んでいるとあるが、ビタミンCは10mg/100gでは必ずしも多いとは言えない。バナナ1本でビタミンCは足りると誤解を与えてはいけない。

 お薦め度:★★★  対象:果物について広く知りたい

【北風伸也 20140817】
●「フルーツひとつばなし」田中修著、講談社現代新書

 この本、「果物」ではなく、「フルーツ」という言葉を使ってるのがミソだと思います。だもんで、スイカやメロンの果実的野菜は「フルーツ」で、クリは入ってるけど、クルミやアーモンドの殻果類は除外されています。便利な言葉ですね「フルーツ」
 とにかくメジャーなフルーツからマイナーなフルーツまで各種取り揃えて紹介してくれるのですが、一つあたりの紹介ページが少ない分、どうしても食いたりなさを感じてしまうのと、紹介されている蘊蓄が、人に話せるレベルのものが少ないのも痛いところ。
 それでも、キウイがニュージーランドではなく中国産だったり、意外にバラ科の植物が多かったり、読んでて小サプライズが多く楽しく読めました。

 お薦め度:★★★  対象:たくさんのフルーツのことをちょこっとだけ知りたい人

【冨永則子 20140810】
●「フルーツひとつばなし」田中修著、講談社現代新書

 食べ物の好き嫌いはあっても、フルーツが嫌い!という人は滅多にいないだろう。日頃、誰もが好んで口にする身近な食べ物であるフルーツは果実=植物の実である。
 甘いとか、酸っぱいとか、みずみずしいとか、口にした食感で美味しさは感じていたが、普段意識することのなかった植物としての生成の仕組みや栄養成分など科学的な知識が解説されている。
 新書版でありながらオールカラーの果物の写真は、どれもとっても美味しそう!と思ったら、写真の提供が『新宿高野』だった。そりゃ食べたくなるわ!
 名前の由来や、品種改良の知識など「へぇ〜!」と思う情報が満載。果物を食べる時に知ってると、ちょっと自慢かも…。
 果実に特化した構成だが、植物としての側面を伝えるなら、せめて実っている木や全体の姿が見たかった。何故にタイトルが“くだもの”ではなく“フルーツ”なのか?そこに本書の意味がありそう…。

 お薦め度:★★  対象:「ねぇ、知ってる?」とウンチクを語りたいひとに

【萩野哲 20140818】
●「フルーツひとつばなし」田中修著、講談社現代新書

 目にも鮮やかな、有名果物店の写真が食欲をそそる。通常見かける果物は相当網羅されているようだ。見て読んで楽しい本である。ただ、その並べ方は分類順でもないし、依怙贔屓でもある(例えば、柑橘類は全51項目中17項目も占めている)ので、個人的にはあまり納得できない。まあ、それは目次でわかるとして、それぞれの項目中に書かれている含蓄に富むお話(例えば接ぎ木の話、P88。読んでから時間が経ったので、他は忘れてしまった)が、後で読み返す時にどこに書かれていたのか、探すのが大変である。せめて索引ぐらいはあった方が便利ではないのか?

 お薦め度:★★★  対象:果物好きの人

【和田岳 20140821】
●「フルーツひとつばなし」田中修著、講談社現代新書

 ブドウからオリーブまで、47種類の果物を紹介。次の果物にいく前のページに、次の果物はなんでしょう?クイズがある。そのために無理矢理、各果物の解説を偶数ページにしている感もある。最初の方は、日本での出荷量ベスト10が並び、各果物に8ページもついやしているが、後の方になるとネタも尽きているらしく、2ページで終わりはじめる。内容も、最初の方は品種がらみのネタが豊富で楽しいが、だんだんネタがないことが露呈。その果物に限らず、果物全般や植物全般の話題が混ざってくる。無理が見える本ってのは、いかがなものかって感じ。果物を食べるときの、ちょいとしたうんちくを仕入れる程度の内容。

 お薦め度:★★  対象:果物うんちくを仕入れたい人

[トップページ][本の紹介][会合の記録]