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本の紹介「知りたい!地球はどうやってできたのか?」

「知りたい!地球はどうやってできたのか?」鳥海光弘著、宝島社、2013年5月、ISBN978-4-8002-1046-3、1300円+税


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【岩坪幸子 20131208】【公開用】
●「知りたい!地球はどうやってできたのか?」鳥海光弘著、宝島社

 大変やさしいことばで書かれているので読みやすく、しかもヘェ〜そうだったの?と驚くことが満載でした。地球誕生の謎だけでなく地球が丸いことを見つけた訳や、海と山を作るシステム、大地震を起こすしくみなど地球そのものが持っている力や環境問題、エネルギーのことまで多岐に亘っていて面白く読めました。終わりに原発は日本には不向きとあって納得でした。

 お薦め度:★★★★  対象:天文や地震、環境問題などに興味のある人、中高生

【冨永則子 20140204】
●「知りたい!地球はどうやってできたのか?」鳥海光弘著、宝島社

 タイトルからは、天文学的なビッグバンのような宇宙の始まりからのお話かと期待したが、今の地球がどのように成り立っているかが主に解説されている。地球の内部がどうなっているか普段から意識することはないが、海よりも大量の水があるなんて考えもしなかったし、想像もしにくい。また、二酸化炭素が地球温暖化の原因のように言われているが、本当にそうなのかとか、二酸化炭素は海に捨てることができるとか、『へぇ、そうなのか…』と初めて知ることが易しい分かりやすい言葉で書かれている。大仰な図や表ではなく、ペン画のようなラフなイラストが添えられているのも親しみやすい。

 お薦め度:★★★  対象:地球の環境に興味のある人に

【中条武司 20140221】
●「知りたい!地球はどうやってできたのか?」鳥海光弘著、宝島社

 著者は「複雑地球学」なる専門のようだが、実際は変成岩岩石学が専門。しかし専門の話は全く出てこず、地球や生命の誕生、プレートテクトニクス、火山、地震、気候変動、資源問題など地球科学の総花的な内容が紹介されている。図もイラスト風でまったく正確ではないし、内容に対する掘り下げも足りない。字も大きいから初学者の年配の人向け?中学生向け?対象がはっきりすれば勧めようもあるのだけど、表紙を見てどんな人がこの本を手に取るのかなあ。間違ったことは書いていないし、文章も読みやすいんだけど、あらゆる意味でおしい本。また、著者の意見に賛同するかどうかは別にして、地質学者として原子力発電に対する意見をきちんと述べているのが好感が持てる。

 お薦め度:★★★  対象:地球科学の初学者向け

【西村寿雄 20131212】
●「知りたい!地球はどうやってできたのか?」鳥海光弘著、宝島社

 地球に関する近年の話題を興味深く紹介している。地球の現象について一通りの知識を広く身につけたい人に適した本である。「隕石を知ると地球がわかる」、「地球の奥深くに水が見つかった」、「いつか富士山は噴火するのか」、「地震は制御できるか」、「二酸化炭素は温暖化の犯人なのか」、「日本に不向きな原子力発電」など興味深い話題をとりあげている。第2章だけ地球の発明発見物語風になっていて科学史的な話題が取り上げられているが少し物足りない。気軽に地球散歩のつもりで読めばよい。

 お薦め度:★★★  対象:地球に関する話題に関心のある人

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