友の会読書サークルBooks

本の紹介「地球学へのいざない」

「地球学へのいざない」OMUPユニヴァ編集部、大阪公立大学共同出版会、2003年12月、ISBN4-901409-08-5、1500円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【西村寿雄 20040414】【公開用】(ただし短くする)
●「地球学へのいざない」OMUPユニヴァ編集部、大阪公立大学共同出版会

 ちょっと地質学に興味を抱いた高校生が、大阪のおしゃべりな大学の先生から、いろいろと地球について話を聞くという設定で書かれている。こういうテキスト形式の本にしては、なかなか親しみやすい文章で綴られている。文字が小さいのが難点と言えば難点。
 それにしても、固い地球の話、特に興味のある人は別として、全部一度に読む必要はない。幸い、それぞれの項はコンパクトにまとめられているので、興味のありそうなところのみ読めばよい。だがしかし、まず第1話、「H2Oは鉱物か?」はぜひ目を通したい。H2Oが鉱物や岩石生成の根幹になる役割をはたしている事実を知るだけで、地球圏の動きが見えてくる。地殻はダイナミックに動いている。「微化石から読み解く日本列島の生い立ち」「サンゴ礁の秘密」「火山噴火と災害」などはだれもが興味を持つのではないか。
後半にある「地球学と社会の接点」は、特にこの大阪の研究成果を中心に話が展開されている。

 お薦め度:★★★  対象:地球学をめざす高校生、理科大学生に

【寺島久雄 20040417】
●「地球学へのいざない」OMUPユニヴァ編集部、大阪公立大学共同出版会

 地球学とはなんぞやと大阪市立大学地球学教室が、我々の住む惑星を、水に始まり、水に終わる事を解説した本である。
 過去の地球環境は岩石の中に保存され、地層の新旧関係を丹念に解いてゆけばその歴史を解明できる。又、地層・岩体の位置関係からそれが形成されてから現在に至る歴史を読みとれる。
 有孔虫、放散虫、貝形虫等の化石が氷期間氷期のサイクルを解読したり、地球の歴史を語ってくれる。

 お薦め度:★★★  対象:地球の中の歴史や火山、水を知りたい人に

【中条武司 20040325】
●「地球学へのいざない」OMUPユニヴァ編集部、大阪公立大学共同出版会

 水の話からはじまり水の話で終わるこの本は、地質学の教科書の体をしているが、ほとんどが普通の教科書にはあまり載っていない著者たちの研究分野に特化した内容が中心である。地べたの地球を理解するために具体的にどのようなことをすればいいのかを中心に書かれており、高校生〜大学生向きに書かれているとはいえ、大人が読んでも十分に読み応えがある。章(著者)により内容・文章にばらつきがあるのと、やや突っ込み足りないなと思う点があるが、様々な分野の研究が成されることによって、地球が理解されていくことがわかるがわかる一冊である。

 お薦め度:★★★  対象:地球を知ることに興味のある高校生以上

【村山涼二 20040421】
●「地球学へのいざない」OMUPユニヴァ編集部、大阪公立大学共同出版会

 大阪市立大学地球学教室の15人の先生が、大地君、晶子さんの質問に答える形式で、新しい研究成果を含め、地球をわかりやすく説明している。地球化学的サイクルのすべての過程に関与する重要な物質としての水のはたらきを語る。地面の下の地球の歴史、大陸の形成、日本列島の生い立ち。地層や岩石の中に地球の環境の変化を知り、特に身近な大阪平野の歴史を知る。社会へのつながりとして、都市地盤と地下構造、地震や火山災害。地下水汚染としては世界各地でのヒ素汚染による健康被害を語る。人工衛星から地球を眺め、46億年から数千年前の歴史、飲料水まで、地球を身近に感じ、更に知りたくなる「地球学」のテキストブックです。

 お薦め度:★★★  対象:高校生以上、地球となかよくなりたい方

[トップページ][本の紹介][会合の記録]