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本の紹介「新たな魚類大系統」

「新たな魚類大系統 遺伝子で解き明かす魚類3万種の由来と現在」宮正樹著、慶應義塾大学出版会、2016年10月、ISBN978-4-7664-2298-6、2400円+税


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【萩野哲 20170220】【公開用】
●「新たな魚類大系統」宮正樹著、慶應義塾大学出版会

 DNAから生物の系統を調べることができるようになり、哺乳類や鳥類でも今までの形態的分類とは異なる結論が得られてきているが、形態的にも様々な変遷の歴史があった魚類の系統に至っては当然ながらの大変更があったことを、その研究に携わった著者がごく手短に述べている感じの本である。魚類といっても、かなりの部分は無顎類、軟骨魚類および肉鰭類(哺乳類や鳥類を含む)をはずした条鰭類に絞られている。少しでも魚類を勉強した者なら驚愕する、今までの分類と大きく異なる結果は、サバ類(=ペラジア)や、とても形態からは想像できないヨウジウオ類など、例を挙げればきりがない。もちろん、以前のスズキ目の中はものすごいことになっている。更にはこの分子生物学的技術を環境DNAに応用しており、今後環境調査のやり方に新風を吹き込む予感もした。なお、魚類に相当詳しい人でもこれだけ新知見が出てくると頭が混乱するのは必至なので、読んでいる途中で魚類の系統がよくわからなくなった場合は、「はじめに」のページの図を見返すこと。

 お薦め度:★★★  対象:魚って何? と、ちょっとでも考えたい人。
【和田岳 20170219】
●「新たな魚類大系統」宮正樹著、慶應義塾大学出版会

 シリーズ遺伝子から探る生物進化の第4弾。体系立った解説の本ではなく、研究の経過を順に紹介していく。ミトコンドリアの全塩基配列(ミトゲノム)の解析から、魚類の系統関係を明らかにしていった第1章から第8章。科研費に外れたからと取り組んで、近頃大ヒットしている環境DNAの話が第9章。
 魚類の最新の系統関係の話自体はそれなりに面白いけど、功成り名を遂げた研究者が、自分の業績を延々と自慢し続けるのには正直辟易した。

 お薦め度:★★  対象:魚類の最新の系統関係を知りたいなら
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