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本の紹介「あかい みと とり」

「あかい みと とり」多田多恵子文・江口あけみ絵、福音館書店かがくのとも2026年1月号、418円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。

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【里井敬 20260416】
●「あかい みと とり」多田多恵子文・江口あけみ絵、福音館書店かがくのとも2026年1月号

 冬の林には赤い実がたくさんある。どの実も小鳥がのみこめる大きさで、丸くてすべすべしている。鳥たちは果肉を食べて硬い種はふんで出す。鳥が食べるのは赤い実だけではなく、黒くて光る実や青、紫もある。
 ナンテンの実は鳥にとっても苦い。少しだけ食べたら遠く飛んで行って糞をする。美味しい実だと、そこで食べ続けて木の下に糞の山ができて種が運ばれない。木の実は鳥に種を運んでもらうために、ちょっとまずい実をつける。木の知恵。

 お薦め度:★★★  対象:木の実が鳥がやって来ても、なかなか丸坊主にならないのが不思議だなあと思っていた人
【冨永則子 20260416】
●「あかい みと とり」多田多恵子文・江口あけみ絵、福音館書店かがくのとも2026年1月号

 冬枯れの木立の中に、キラリとひかる赤い実。鳥たちが次々に、その赤い実を食べにやってくる。留鳥のヒヨドリやメジロ、冬鳥のジョウビタキやツグミ… 餌になる虫が少なくなる冬場、そんな鳥たちの食料になるのが木や草の果実。植物たちは、つやつやした赤い色で鳥たちへアピール。歯のない鳥は実を丸呑みすると消化しきれない種子は糞やペレットとして排出する。こうして、植物の種子は遠くまで散布されていく。自分では動けない植物の生存戦略だ。鳥の採餌と植物の種子散布の関係を理解することができる。

 お薦め度:★★★  対象:鳥好きさんが、鳥の暮らしに興味を持つきっかけに
【西村寿雄 20260413】
●「あかい みと とり」多田多恵子文・江口あけみ絵、福音館書店かがくのとも2026年1月号

 植物専門の多田さんが鳥博士上田恵介さんの監修でこの本が出た。まず初めのページは赤い実のなる木も生えている雑木林。次ページはそこへヒヨドリがやって来て赤い実をぱくり、ぱくり、口の中にほり込む。そして、ヒヨドリのうんこ。ノイバラの実はこうして広がっていく。雑木林にはいろいろと鳥がやって来る。実はみんなまん丸。タネには毒のある実もある。さすが鳥たちはよく知ってる。鳥と実についていろいろ考えさせられる本である。

 お薦め度:★★★  対象:木の実に興味ある小学生から
【西本由佳 20260412】
●「あかい みと とり」多田多恵子文・江口あけみ絵、福音館書店かがくのとも2026年1月号

 冬の林のなかで赤い実はよく目立つ。この本は、赤い実をつけるさまざまな木に鳥がやってきて、実を食べて、飛んで行ってフンをするというかたちで種を運ぶしくみを紹介している。鳥は実を丸呑みにして、種だけを消化せずに出す。実は食料になるけど、おいしくないことも。おいしくないことで、鳥はその木に長居せず、よそへ行って、そこでフンをして種をまいてくれる。うまくできているものだと思う。

 お薦め度:★★★  対象:町を歩いていて、なんでこんなところにナンテンが生えているのかと思ったら
【和田岳 20260416】
●「あかい みと とり」多田多恵子文・江口あけみ絵、福音館書店かがくのとも2026年1月号

 ノイバラの果実。ヒヨドリがやってきてその果実を食べた。タネの入ったフンをした。次に来たのはジョウビタキ。鳥のフンからノイバラがはえる。さまざまな赤い果実が紹介され、ついでに赤くない果実も登場。そして、果実を食べる鳥も紹介。そして果実と鳥の関係を解説。
 実物大で果実とその中の種子を描き、実物大の鳥に実物大の果実をくわえさせる。そのこだわりは、イメージしやすくてとても良い。なにより鳥の絵がとても上手。
 前半は内容もいい感じだが、後半の鳥と果実の関係についての解説は問題が多い。21ページに「ナンテンの みは とても にがい」。だが、ナンテンの果実は全然苦くない。22-25ページでは、不味い果実の存在は、鳥が少しだけ食べて他所に行くように植物が誘導している。という仮説が紹介される。が、丸呑みの鳥(登場する果実は、登場する鳥に丸呑みされるものばかり)は、果実が苦くても丸呑みなので果肉の味は分からない。果肉が苦いかどうかは関係ない。そして、まるですべての果実は、不味いかのような終わり方。美味しい果実もたくさんあって、ちゃんと鳥に種子散布されているのだが。絵はとてもいいのに、とても残念。

 お薦め度:★  対象:ナンテンは苦くない、美味しい果実もちゃんと鳥に食べられて種子散布している。ということを知ってる人
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