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大和川水系調査の生物編もついにはじまり,他の生物班にも参加している人は大忙しだと思います.今月の終わりには第3回目の採水です.水も温かくなって,川はどのようになっているでしょうか.周りの自然もゆっくり見ながら,水を採ってみましょう.(中条) ■今後の日程 ◎5月24日(土)〜6月1日(日):第3回採水 ◎6月1日(日):「水の話2:水質汚染のメカニズム」 ◎8月16日(土)〜24日(日)(予定):第4回採水 ■第2回採水フィールドデータ(PDF:27KB)
前回の採水期間は,2週連続で土・日曜日の天気が悪く,採水に苦労された方も多かったようです.どうしても採水できなかったり,採水期間外に採水された方もおられます. ■行事の報告 ● 「滴定をやってみよう」(2003年3月2日:大阪市立大学) 滴定では,5つの班に分かれて行いました.色の変化する終点がわかりにく苦戦されている方もおられましたが,幼稚園児からお年寄りまで年令層の広い方が参加されて,和やかな雰囲気でした.5班ともすべて同じサンプルで滴定しているはずなのに,数値にバラつきがあり,分析する人のくせなどが影響するのも分析の難しいところだと思います.(S.N.)
3月2日の行事の様子.子どもから大人まで真剣に滴定をやっています. 【アルカリ度】 水試料50mlをホールピペットまたはメスシリンダーで正確に分取し,300ml三角フラスコにいれる.BCG-MR指示薬を2〜3滴加える.ビュレットを用いて0.02M HClを水試料が灰紫色になるまで滴下する.下の計算式を用いてアルカリ度を求める(aは滴下量(ml)). Alk (mmol/l) = 0.02×a×20 【カルシウムとマグネシウム】 水試料50mlをホールピペットまたはメスシリンダーを用いて正確に分取し,300ml三角フラスコに入れる.水試料にシアン化カリウム10%溶液と塩酸ヒドロキシルアミン10%溶液を0.5mlずつ加える.カルシウムの定量を行う場合には,8M水酸化ナトリウム溶液4mlを加えてpHを13に調整し,HNB粉末指示薬をひとつまみ加える.カルシウムとマグネシウムの合量を分析する場合には,pH10の緩衝液を2ml加えてpHを10に調整し,EBT指示薬を加える.ビュレットを用いて0.01M EDTA溶液を滴下する.両方とも,赤色から青色に変色したところが終点である. カルシウムの量は次の計算式を用いて求める.(b(ml)は滴定量) 今回も試料の通し番号を付けています.5桁の試料番号で,第2回目だから頭が2,次の1000・100の位が川の番号(ニュースレターNo.1参照),10・1の位が各地点番号になっています. 次回は10000の位が3からはじまるサンプル番号になります.こちおらの整理の都合上,できるだけこの番号を試料に付けていただくようお願いします. 分からない場合は,最初の通り,日付・名前・番号でかまいません. ■記載事項の抜け落ちをしないように注意! 第2回目の採水は,慣れてきたせいもあってか,記録カードへの記載漏れがけっこうありました.特に多かったのは何mlの注射器でフィルターを濾したかが抜けているものです.場所は同じでも状況は毎回違います.ちゃんと記載事項は埋めましょう. ■フィルターホルダー・注射器の破損に注意! 採水の時,フィルター(濾紙)を挟んでいるフィルターホルダーと注射器のつなげる部分を折る方が多くおられました(実は私もなんですが・・・).注射器から水を押し出す時に,ポリ瓶を下に置いて上から押し込んだり,ひねったり斜めに向けたら確実に折れます.注意して注射器を押しましょう.それでも破損した場合は代わりをお渡ししますので,遠慮なく申し出てください. ■調査キットの不足や破損は遠慮なく申し出てください 第3回採水を前に残りの消耗品の量を確認してください.足らない場合はお送りしますので遠慮なく申し出てください.ただし,ポリ瓶は現在分析中のものが空きしだい,洗浄してお送りしますので,しばらくお待ち下さい. ポリ瓶の不足を聞いている方も忘れているわけではありませんのでご安心を. ■採水は100ml ちゃんと採る! 前回も言いましたが,採水はちゃんと100ml 採ってください.量が少なければ分析できない項目があります.50ml の注射器なら2回,20ml の注射器なら5回,フィルターを変えて,ちゃんと濾して採水してください.特に5月・8月の採水では,これまで50ml の注射器で濾せていたのが,ダメになったりするかもしれませんが,ちゃんと100ml 採りましょう. ■大和川水系調査:生物編もスタート! ● 大和川調査:生物編もスタート! ・「ホタル」(昆虫研究室・初宿(しやけ)) ・「河川敷の甲虫」(昆虫研究室・初宿(しやけ)) ・「トンボ・水生カメムシ」(昆虫研究室・金沢) ・「その他の水生昆虫など」(昆虫研究室・金沢) ・「カブトエビ」(動物研究室・山西) ・「河口域のベントス」(動物研究室・山西) ・「サワガニ・モクズガニ」(動物研究室・山西) ・「貝」(第四紀研究室・石井久夫) ・「哺乳類」(動物研究室・和田) ・「両生爬虫類」(動物研究室・和田) ・「鳥」(動物研究室・和田) できるだけ各班の進行状況はお知らせし,冬季には成果発表会なども行う予定です. ■その他の情報 ● 大和川調査:生物編もスタートします! 【編集後記】4月下旬発行予定が5月までずれ込んで申し訳ありません.早くも今月末には3回目の採水です.忘れずにお願いします.次回ニュースレターは7月下旬〜8月上旬に発行予定です. |
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