ナチュラリストとは動物、植物、昆虫、岩石、鉱物、化石などを愛好し、みずから自然を探求しようとする人たちのことです。大阪にはアマチュア・ナチュラリストの伝統があります。江戸時代には、化石や鉱物、貝の収集家の木村蒹葭堂、大量の植物の押し葉を作った畔田翠山らが活躍しました。20世紀になってからも、数多くのアマチュアが、大阪のまわりの自然を調べました。大阪の自然を解明していく上で、このようなアマチュア・ナチュラリストが果たしてきた役割はたいへん大きいものです。
 55年前には大阪に自然史博物館ができました。現在の大阪市立自然史博物館の前身である大阪市立自然科学博物館が活動を開始したのです。ナチュラリストたちはこの博物館を拠点にして大阪や周辺の自然を調査するようになりました。博物館も、ナチュラリストと手をつないで野外に出かけ、資料を充実させてきました。最初は博物館の後援会として出発した大阪市立自然史博物館友の会は、今年で創立50周年を迎えます。
 
この特別展では大阪に縁のあるアマチュア・ナチュラリストの群像と生き様に光を当てるとともに、このような人々による大阪の自然の解明史を紹介します。その中で博物館と友の会がたどってきた軌跡をふり返ります。また、さまざまな実例やノウハウ紹介、ミクロの世界を体験できるワークショップなどを通じて皆様をナチュラリストの道へお誘いします。
 
ナチュラリストの輪が広がることは、たいせつな自然を未来に残していくことにもつながります。ご覧になって、ぜひナチュラリストの仲間入りをしてください。