水温データの検討
採水時に測る水温データについて,上流から下流への水温変化,気温と水温の関係などについて検討を行いました. すべてのデータを採用すると膨大な量になるので,その中から大和川本流(YM1から6)および支流である石川(IS1から4),奈良県側の支流である曽我川(SG1から3)の3河川13地点でのみ検討を行いました.

気温と水温との関係
YM2地点(大和川:大阪市平野区)における水温と気温の関係
両者には非常に高い相関が見られます.図はTM2地点(大和川本流:大阪市平野区)のデータのみを示していますが,他の地点でもほぼ同様の結果が認められました.また,同じ採水期間で気温が変化すると,近い場所でも水温が大きく異なる傾向が見られました.これは,水温が非常に敏感に温度に反応していることを示しています.

上流・下流での水温変化
検討した3河川(大和川本流,石川,曽我川)はどの河川も,上流・下流で水温およびその変化パターンにほとんど違いは認められませんでした.ただし,石川最上流部のIS4地点(河内長野市)では,夏場でも水温が20℃程度までしか上がらず,大和川水系では数少ない渓流の要素を示していると言えます.また,年度の違う同じ時期の水温に変化が見られることは,採水時期の気温や河川流量に関係していると考えられます.
大和川本流における2002年11月期から2004年8月期の水温変化

石川における2002年11月期から2004年8月期の水温変化

曽我川(奈良県)における2002年11月期から2004年8月期の水温変化