■カブトエビ班とは

 大和川集水域である奈良盆地のカブトエビ類,カイエビ類,ホウネンエビなどの甲殻類の分布を明らかにします.



【水田のエビ(総論)】
 水田にすむエビは、鰓脚類(さいきゃくるい)という原始的な甲殻類です。海や川にすむエビとはちがって、脚がとてもたくさん並んでいて、歩くためではなく泳ぐために用いられます。カブトエビ、カイエビ、ホウネンエビの仲間が日本の水田で見られます。水田に水がある数週間から数ヶ月の間に生まれ、成長して卵を産んで死んでしまうという短い一生を過ごします。卵は乾燥や寒さに強く、水田に水が入るとその刺激で孵化します。

■カブトエビってどんないきもの?(画像をクリックすると拡大します)

アジアカブトエビ
背側

アジアカブトエビ
腹側

アメリカカブトエビ
背側

アメリカカブトエビ
腹側
 水田の底をはって、小さな動植物を食べます。おたまじゃくしのような形をしていて、体の前半は丸いこうらでおおわれています。後ろには長くてとがった尾があります。奈良盆地ではアジアカブトエビが多く、アメリカカブトエビも少しいます。どちらも外来種であると言われています。

■カイエビってどんないきもの?(画像をクリックすると拡大します)

トゲカイエビ

トゲカイエビ

ヒメカイエビ

ヒメカイエビ
 水田の中を活発に泳ぎまわります。まるで二枚貝のような形ですが、これはこうらが発達してエビの体をおおってしまっているからです。奈良盆地ではトゲカイエビが多く、ヒメカイエビ類もみられます。

■ホウネンエビってどんないきもの?(画像をクリックすると拡大します)

ホウネンエビ

ホウネンエビ
 脚を上に向けてさかさまにおよぎ、プランクトンを食べて生活しています。オスには角のような長い触角が発達します。種類はホウネンエビ1種だけで、奈良盆地では広く分布しています。

■2003〜2004年調査の
 カブトエビ類分布図
■2003〜2004年調査の
 カイエビ類分布図

問い合わせ:動物研究室の山西 yamaryo@omnh.jp まで
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