| 穴のあいたアンモナイト | 第2展示室の17A |
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これは,プラセンチセラスという種類のアンモナイトで,恐竜化石の産地として有名なカナダのアルバ−タ州で採集されたものです.直径20cmほどの大きさになります.
ここでよく見てほしいのは,アンモナイトそのもののかたちや大きさではありません.写真の矢印の先にあいているまるい穴に注目してほしいのです.穴が「あいている」といっても,アンモナイトが死んでそのからが埋もれるときに穴にどろがつまっているので,穴のあとが見えていることになります.
よく見ると穴は1つだけあいているのではなく,いくつかあいています.また,片側だけに穴があるのではなくてアンモナイトのからの両側の同じようなところに穴があいています.
いったいどうしてこのような穴があいたのでしょうか?
じつはこの穴は,アンモナイトがモササウルスにかみつかれた時の歯のあとが残っているのではないかと考えられているのです.モササウルスというのは白亜紀(1億4,500万年前〜6,500万年前)の後半に海に生きていたオオウミトカゲのなかまで,大きなものでは体の長さが10m をこえるものもいました.細長い尾とひれのようになった手足で海の中を泳ぎ回り,そしてするどい歯をもった大きな口で魚などを追いかけて食べていました.とりわけアンモナイトはモササウルスの好物だったようで,この写真と同じように歯のあとと思われる穴があいたアンモナイトの化石がたくさんみつかっています.その中でもこのプラセンチセラスという種類のアンモナイトが多いようです.プラセンチセラスがかなり大きくなることや,かみつきやすそうな形をしているのが関係しているのでしょうか.
はたしてこのアンモナイトは食べられてしまったのでしょうか,それともかみつかれながらもなんとかモササウルスから逃げることができたのでしょうか.大昔の化石からこんなことが想像できるなんて楽しいですね.