コウガゾウ(黄河象)の頭骨

第2展示室中央展示台

 コウガゾウ(黄河象)は中国北部の甘粛省で,中国第2の大河=黄河の流れの近くで発見されました.ほぼ全身の骨の化石がそろって掘り出されています.骨を組み立てると,肩の高さは3.81mありました.アフリカゾウの大きな個体と同じくらいの大きさです.

 この頭骨は,その全身骨格の一部分の模型です.牙の色が違う部分は,発掘前になくなっていたところです.そこで,地層に残っていた牙の型をもとに復元されました.

 中国の人が描いた復元図では,コウガゾウの2本の牙の間はたいへん狭く,ぶつかりそうなくらいです.そして,鼻を牙の間から垂らすことができず,牙の横から垂らした姿に描かれています.本当にこんな姿だったのでしょうか.

 じつはインドで,やはり鼻を牙の横から垂らしていたと考えられる,象の化石が見つかっています.この象はインドの象の神様の名をもらって,ガネッサゾウと呼ばれています.

 しかしコウガゾウの牙の残っている部分をみると,この頭骨は,地層中で斜めに押しつぶされたことがわかります.そのため牙が内側に曲げられてしまっています.また,牙がはえている骨をみると,先(下)の方ほど広がっているので,生きていたときには,牙はもっと左右に広がって,伸びていたと考えられます.コウガゾウは,牙の間から鼻を垂らすことができたのではないでしょうか.